【財務分析 Vol.42】 サイゼリヤの「強い会社の体現」
すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。
従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)
今後は三部構成にて、内容展開していきます。
①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。
②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。
③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。
Vol.42 『サイゼリヤ』
理念:日々の価値ある食事の提供と挑戦
ビジネスカテゴリー:飲食
①サイゼリヤの戦略
今回は私が中学生の時お世話になりまくりました、青春の思い出が詰まった「サイゼリヤ」を取り上げていきます。たまり場的な使い方をさせてもらってました。
▶安さを実現する「厳選と代表」
当時よく利用させてもらっていた理由の一つが”安さ”でした。
食事は一品主食級を頼んでも300円程度、ドリンクバーつけても500円以内に収められていた気がします。なんならジュースでお腹の減りの足りない分満たせられたので、当時は特に最高だったんだと思います。
この他のファミレスよりも圧倒的な”安さ”を提供できることに、”Why”を投げかけてみることが、戦略を垣間見るキッカケとなります。
なぜ、安価で提供できるか。これがタイトルの二つの仕組みによって成されています。
1.メニューを厳選していること
この仕組みはコメダ珈琲のオペレーションと似ています。(Vol.35参照)
厳選することで、スマートな経営と食材管理に係るコスト(廃棄など)をコントロールしやすくなるため、結果として安価にて提供できるというところに繋がります。
2.代表メニューを創り上げる
サイゼリヤと聞いて”=ミラノ風ドリア”と想起する人が多いかと思います。あの美味しさであの値段。。。(当時299円)
安さに乗じて、美味しさを提供できると、人の記憶に刻まれます。商品が代表することで、「サイゼリヤに行こう」から「ドリア食べたいな。。。あ、サイゼリヤ行こう」と転換想起が起こりやすくなるんですね。
結果、販売回転をあげられ利益回収と共に安価での提供が可能になる。
▶「安さ×美味しさ」の秘密
日本には昔から「安かろう悪かろう」という言葉があります。安いものは安いなりに悪くて仕方ない。といった意味ですね。
安さを実現し提供する「サイゼリヤ」は、その言葉に当てはめて悪いものでしょうか。
いや、どのメニューを頼んでみても、”美味しい”んです。(最近行ってませんが、、、。)
ここも”Why”を投げかけてみると、”食材へのこだわり”という経営者の意思にたどり着くことができます。
なんとサイゼリヤでは、価格でなく品質で食材を選ぶことを決めており、かつ本場イタリアの食品会社と直接契約を結ぶことで、自社にて畑を所有しているんですね。
また食材を定量的に判断するための品質評価の仕組みを作っていたりと、その徹底さを追及することで、飲食にとって外してはいけない”美味しさ”の実現をしているんです。
「安かろう悪かろう」という”当たり前”を疑って新しい”当たり前”を実現するのも仕組みや考え方次第ですね!
このブログでも何回か飲食店を取り上げてきましたが、”どこ”の”なに”に力をいれて提供するか、などのビジネスモデルの作り方に”その会社の色”がでており、とても面白く感じます。
ホリエモンとかが、飲食は”ブルーオーシャンだ!”なんていう発言をするのも、こうした何通りもの戦略の幅があるからなんだと思う次第です。
②サイゼリヤの財務分析
収益性 ★★★★
安全性 ★★★★
生産性 ★★★★
成長性 ★★★★
今回はファミレスということで、「すかいらーくグループ」との比較にしてみました。こう並べてみると規模の違いは明らかでありながら、稼ぐ力を示す「利益剰余金」の額にそこまでの相違は見られません。
他にも利益率も変わらないなど、ビジネスモデルが確立していることで巨大な企業とも渡り合って生き抜くことができることを証明している良い例かと思います。(規模が大きければいいというわけではない。)
財務体質については、圧倒的にサイゼリヤに軍配があがっていることを考慮すると、いかに強い経営をおこなっているかが図れます。
無借金型×本業成長型の体現者ですね。
③未来の数値を作ってみる
安定成長ですね。。
昨今の状況では、飲食業の可否が問われていますが、当面は苦しい時期があっても乗り越えられそうです。
消費が冷え込む中でも、再開できれば”安価”での提供ができるというのは大きな強みとなります。
またずっとおこなってきている、安価でも利益率を生み出すための仕組づくりという経営の基盤があるために、固定費を低くオペレーションできることも強みですね。(包丁いらずの調理や、掃除しやすいモップの開発など)
~まとめ~
すかいらーくの純利益9割減というニュースを見たり、飲食業はいまとても大変な時期かと思います。しかし、”食事”は人の営み必ず必要なものです。
インドネシアもいまモールとレストランが閉鎖されていますが、営業してくれているお店もあり、この間同僚と食べに行きましたが、やはり”食卓を囲む”というのは特別な空間です。
いまこそ、工夫を凝らして生き抜く戦略を再考するタイミングだと思います。
簡単に大変な時期だから、とか言えませんが闘っていきましょう。。。
過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。
一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!
参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。
財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
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