【財務分析 Vol.49】 100円寿司の「4本の矢」
すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。
従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)
今後は三部構成にて、内容展開していきます。
①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。
②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。
③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。
Vol.49 『100円寿司結集!』
ビジネスカテゴリー:飲食
①100円寿司の仕組
今回は日本人のソウルフード『寿司』です!!
インドネシアにも元気寿司など始めとした、お寿司屋さんやお刺身が食べられるところはありますが、やはり日本で食べるお寿司に比べるとどうしても、、、。という感じです。(というか日本の寿司が美味すぎるんだと思います)
インドネシアの特徴で言えば、現地の方々の思考にあわせた調味料たっぷり系が多いですね。とにかくマヨネーズトッピングしました!みたいな。
また、スパイシー的な辛さが好きなので、醬油の中には信じられないくらいの七味を入れて食べています。わさびはスイートらしいですよ。。。
▶100円寿司の4つのビジネスモデル
意識しないと当然のようにそこにあるのが、”当たり前”の罠です。
あなたはなぜ高級料理にも部類される「寿司」が100円で食べられるんだ?と疑問を投げかけたことはありますか?
ふとそんなことを思ったときに、ビジネスチャンスは広がっているかもしれません。。。
1.バラエティの豊富さ
寿司と言ってもどれもこれも高いわけではありません。いくらやうには高くても、ツナや玉子は安く提供できます。(通は玉”ぎょく”と呼ぶらしい)
このように、織り交ぜることで一定の原価を保つことができます。
また実際に寿司屋に来て、外道と思われるラーメンやから揚げをついつい頼んでしまうことはないでしょうか。不思議とメニューにあると食べたくなってしまうみんな大好きメニューの脅威ですね。
こういったものも、客単価引き上げに寄与しています。
2.ファミレス化
我々の時代はサイゼリヤでしたが、いまの時代は寿司屋で学校のテスト勉強したりするみたいですね。。。
ファミレス化することのメリットは、そういった入店ハードルを下げることと、ついつい積上げ戦略が機能することです。
特に食べたお皿の数に応じてゲームができる仕組みは秀逸で、切れよく食べるための促し効果があります。「このプラス1枚」こそ差を生む小さな一歩なんですね。
また1.バラエティ豊富と掛け合わさり、子供にはバラエティ系の食品や、とりわけ原価が安い品目のほうが人気なため、必然的に単価アップを望むことができます。
3.カウンター席は完備
おひとり様の効果は実は絶大です。いきなりステーキでも取り上げましたが、美味しいものを一人でも食べに行ってなんか一目が気にならないっていうのは結構取り入れるべき施策なんですね。
インドネシアでも「焼肉LIKE」さんとかすごい人気です。
なんでかと言えば、やはり回転率を上げてくれるからと言えるでしょう。「好きなお寿司を食べて、満足感を得て、パッと帰りたい」という消費者側のニーズと、「回転率を上げて売上を伸ばしたい」という店舗側のニーズががっちりあって、”Win-Win”になっています。
1.2は「単価」3.は「数量」
売上はいつでも「単価」×「数量」でできていることを思い出してみてください。
4.安心×効率
とはいっても飲食店、とりわけ安価での闘いに望んでいるところでは、売上に限界が来ます。そこで、どのように利益を残すかと言えば、「効率化」しかないですね。
大事なのは、「どれだけ売上げたか」ではなく「どれだけ残したか」なので。。
この辺は有名な施策だと思います。機会化によるものです。
味と鮮度を保つ仕組みを機会でできれば、問題ないです。
タッチパネルから、列車で運んでくれる仕組みまで、これも頼む側も楽ですし、店舗も人を必要としないという”Win-Win”の構築に他ならないですね。
”当たり前”を生み出すためには多くの事象が絡み合ってできていることが大いにあります。常に思考をしていると、きっとどこかでつながりを呼び「×」の創出につながるのでしょう。
情報にふれる癖付けを忘れてはいけませんね。。。
②100円寿司の財務データ!!
※有利子負債40,149のミスです。。。
【スシロー】
収益性 ★★★★
安全性 ★★
生産性 ★★★
成長性 ★★★
【くら寿司】
収益性 ★★★
安全性 ★★★★
生産性 ★★★★
成長性 ★★★
【元気寿司】
収益性 ★★★★
安全性 ★★
生産性 ★★★★
成長性 ★★★
収益性はほぼ横ばいですね。3%~5%と「100円寿司」での戦略が浸透している証拠かと思います。また生産性については、全社においてプラスの倍率を叩いてることからも、機械化による効率性を確立していることがわかります。
違いが出ているのはBS。経営者の思考を照らすそのBSを覗いてみると、真ん中「くら寿司」だけキレイな財務体質を表していることがわかります。財務体質、回転率、CFなどの見ると一番バランスよく経営している様子が見て取れます。利益率は若干低いければ、安心感を持って投資できるといったところですね。
一方「スシロー」「元気寿司」は借入によるレバレッジを大いに利かせ、高い利益率を生み出すことで、株主還元に寄与していると見受けられます。しかし、現預金の残高や流動比率を見ての通り、若干リスキーな経営と見てもいいでしょう。
この経営スタイルが今後どのような結果をもたらすか、注目です。(このご時世だと不安定さから、”安全性”が求めれてくるでしょう)
~まとめ~
回らないお寿司が、板前さんが目の前で握ってくれるという体験を基に、高額で提供できることと引き換えに、安くとも様々な角度からビジネスを展開する回転寿司の仕組を見ると、本当にビジネスというのはおもしろいなと感じるばかりです。
より体験や感動に価値が見いだされる時代において、著名人が言っているような、「お笑い芸人×寿司屋」などのエンターテインメント性が出てくるかもしれない。
回転寿司も回転しているモノからとってもらえるような仕組みを、もっと作り込めばロスが減って経営改善ができるだろう。
例えば、ロシアン回転寿司のように、回転しているモノの中から”当たり”をつけたりしたらおもしろいかもしれない。(激辛でも、割引券が入ってるとかでも良い)
過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。
一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!
参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。
財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz
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