【財務分析 Vol.53】 クックパッドの「魔法」
すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。
従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)
今後は三部構成にて、内容展開していきます。
①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。
②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。
③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。
Vol.53 『クックパッド』
理念:「毎日の料理を楽しみにする」
ビジネスカテゴリー:サービス業
①クックパッドの魔法
自粛期間もあり、多くの人が自炊をしたことではないでしょうか。また最近はそういった料理をすごいカッコよく撮影して投稿している方や有名人もよく見かけます。
私も料理が好きで、実家にいたときはよく自分で作ってました。(飲食店のキッチンで3年バイトもしてました。笑)
一人暮らしを始めてからはキッチンが狭く、またインドネシアに来てからはキッチンがないということになってしまっているので、久しく自分では作ってないですが。。。
ただ「これが食べたいなー、よし作ろう!」と思ったとき、ノウハウがないものでしたら、まず検索することでしょう。
▶クックパッドの魔法
一度検索してみると、超豊富なレシピがあることがわかります。試しに「からあげ」と検索したら35,428件ヒットしました。(6/4現在)
なるほど、からあげといっても竜田揚げ(私のイメージ)、手羽先、油淋鶏やシシャモのから揚げなどバリュエーションがあることがわかりました。
にしても、それだけのレシピが揃うのはなんと素晴らしいことか。。。
さらに投稿者はなんと一般の方。
一般の方が自ら投稿し、クックパッドのコンテンツを豊富にしている。
ん.....?
料理には美味しくなる「魔法の粉」なんて言われる調味料もある。(たぶん)
クックパッドはその仕組みの中にいくつかの魔法をかけている。
それこそが、”当たり前”を切り開くものであり、ビジネスモデルとなります。
~魔法Ⅰ 『一般の方が無料でも投稿する仕組み』~
普通投稿と言えば、今でいえばYouTubeに料理動画を上げて、再生回数上げて広告収入で稼ぐんだ、とかブログにして有料記事にする、など投稿者の後ろにある意図としては、「仕事」に近いものがあります。
しかし、クックパッドの魔法は「お金」ではないアプローチで、投稿者をコンテンツを提供してくれるパートナーとしての立ち位置につけています。
そのアプローチ方法が、「感謝」です。
『つくれぽ』という投稿に対する評価や感想、実際にやってみたといった投稿を集めるものです。この『つくれぽ』が貯まると話題のレシピなどと取り上げられます。「レシピを提供してくれてありがとう」ということですね。
そもそも食事とは手を合わせて「感謝」することから始まると思えば、かなり確信をついているアプローチと思うことができます。
そして料理を作る人の多くは、自分の作った料理で誰かを幸せにしたいと思うはずです。(私は高校生のときそういった理由で料理人を目指してました。)
さらにもっと言えば、作る人は毎日料理を作ります。
その料理に一工夫加えてみたり、投稿により感謝されることは、投稿を促す魔法と言えるでしょう。。。
~魔法Ⅱ 『おもてなし』~
食事は昔から特別な時間でもあります。必ず一日に一回は訪れるイベントってのもありますし。
そんな食事は、人の体を作ります。そして人間は贅沢にも好き嫌いというものがあります。
好きなものを、美味しく、バランスよく、食べたいはずです。
クックパッドはそんな『おもてなし』を可能としています。
「好みに合った情報の提供」と「健康」をパーソナライズ化して提供できる仕組みを作っているんです。これは嬉しいに決まっています。。魔法ですね。
~魔法Ⅲ 『生活の豊かさへ』~
そんな食へのアプローチをはじめ、料理を超えた生活の部分をも豊かにするために施策が練られています。サイトに掲載されている情報は、買物や教育・娯楽、美容、結婚、子育てなど様々な領域に広がっています。
超情報化社会のいま、どのように情報を得、どれだけアプローチができるかが大切なので、毎日のイベントである料理と紐づけることで、それを日常化することに繋がっています。
このような魔法をかけることで、「コンテンツは無料で拡充」そしてこのサービスを享受するために「有料会員」となるような仕組みになっています。
本当におもしろいです。
②クックパッドの財務分析
収益性 ★★★★★
安全性 ★★★★★
生産性 ★★★
成長性 ★★★★
~Summary~
・圧倒的安全性
・コンテンツにかかる原価が仕組により無料で獲得できるため、超収益ビジネス
・将来への投資により今期は大きな赤字
・成長性も、見込める
こういう風にみると、「ビジネスモデルこそすべて」という風にも思えます。
過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。
一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!
参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。
財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz
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