新規入りドライトロンでできること。そして天使軸・機械軸のそれぞれの未来について
こんにちは。potato4dです。
3/12に、YU-GI-OH.jpにてドライトロンの新規が発表されました。
これによってこれまで長らく大型非公認大会優勝・入賞多数、新規ルートの開拓などでドライトロンについては大会環境で実用するための研究と実践を続けてきましたが、今回の新規はこれまでの構築を根底から覆します。
この記事ではそれぞれの効果と従来の構築との相性について述べつつ、考えうる展開パターンや動きを列挙してみます。
なお、まだ発売前ということもあり、これから更に開拓が進むことが予想されます。本記事は現時点での考察ということをご留意いただければと思います。
本記事の執筆にあたって議論に携わってくださったドライトロンの考察用Discordの皆様、並びにそこに入っていただき初日から展開ルートの考案をともに頂いている・F・(@Casket_star)さんにこの場で感謝を申し上げます。
新規について
モンスターが2枚、罠が1枚追加されました。
竜輝巧-νII
間違いなく今回の目玉といっても過言ではない革命的な新規です。
場にドライトロンが出るだけで特殊召喚できるベアトロンα条件に加え、あちらと違い墓地からの蘇生に対応していること、Lv.1であることからドライトロンの動きに無理なく組み込めます。
また、召喚成功時に儀式を含むドライトロンモンスターの万能サーチが可能となっているため、初動から貫通札まであらゆるカードを手札に加えることが可能となりました。
これによって極超の竜輝巧が一枚初動となったこと、魔法・罠を現実的に戦略に組み込めるようになったことなど多くのアッパー調整を得ることができましたが、その代償として以下を背負うこととなっています。
これはνIIを標準の展開ルートとして使うする場合、既存の天使軸は実質的に構築不可能となることを意味します。宣告者はもちろん、機械天使の儀式も許されません。
そのため、νIIを必ず展開ルートとして使うようなデッキを構築する場合には天使は弁天+サーチ先の最小枚数となり、既存の天使型とは全く異なる形を取ることとなります。
天使軸を続けるなら後述の理由につき1枚、機械軸なら3枚採用。
竜儀巧-メテオニス=DAD 星12 光属性
新たに登場した大型儀式モンスター。
これまでモンスターに対するカウンターは墓地送りといういささか控えめな除去しか持っていなかったドライトロンに無効妨害がつきました。ファフμβと合わせることで万能無効が成立します。
基本的には②の効果を目的として採用することになりますが、コストが重いこともあり、後述の流星極輝巧群とのシナジーを前提としてデザインされています。
現時点では有効な活用先を見つけられていませんが、単体スペックが高いこともあり簡単に出せるルートがあれば強力に扱えるようになるという印象です。
0~1枚採用。
流星極輝巧群(メテオローラ・ドライトロン)
DRAならびにDADで消費したリソースを回復でき、追加での儀式召喚も可能な永続罠。
現状あまり使うビジョンが見えません。
0枚採用。
新規カードの採用について
今回は単体カード紹介の評価から分かる通り、νⅡのみに焦点を当てます。
νⅡが純構築(以降『機械軸』)にも天使軸にも採用可能なカードであること、DADならびにメテオローラは現状それを優先する合理性がトーナメント環境において見つかっていないためです。
新規でできなくなること
新規でできることは無数に存在するため、その前に新規を使う場合にできなくなることを簡潔にまとめます。
弁天のサーチの権利で弁天以外を触る回数
従来は弁天で弁天以外(神巫や朱光)をサーチした場合でも、弁天を墓地から儀式召喚、その後コストとすることで、弁天以外の光/天使を2種類以上サーチすることが可能でした。
ですがνⅡを利用する場合弁天の儀式召喚が不可能となるため、基本的に弁天で同名以外をサーチする権利は一度のみと考えることとなります。
勿論「トレミス」や「FWD」などバウンス効果持ちを活用することで特殊なルートを経由すると手札に加えることはできますが、トリッキーな手段を必要とするため、要求値が跳ね上がることとなります。
機械軸では天使は初動や貫通札ならない
厳密には天使軸の動きができないにも関わらず天使軸並みに天使の枚数を採用しないと初動になりません。
機械軸は神巫や弁天の採用枚数を抑えることができ、噛み合いが必要なカードがダブつくリスクを提言できるという強みがあります。
しかし、先述の通り弁天の儀式召喚が制限されているため、従来のドライトロンの事故回避と誘発貫通の要であったベアトリーチェの成立に「オオヒメ」をはじめとした御巫出張が必須となってしまいます。
それらのカードを採用することは機械軸の強みの一部を失うこととなるため現実的に採用しづらく、バンαやアルζと、神巫と弁天を合わせて引いた場合や、ファフμβに泡影を喰らった場合に2枚初動では十分な展開を行うことが難しい点には注意が必要です。
一方で引ける機械の枚数自体は多くないっていることは事実であるため、3枚初動以上の貫通については機械軸、天使軸(νⅡピン採用)どちらも大きな違いはありません。
新規カードでできること
それではいよいよできることに入っていきます。基本的には機械軸・天使軸で狙う盤面は変わってくるため共通して使えそうな新展開を紹介します。
先攻展開は基本的には天使軸は従来通りの2枚初動からのアルデク3妨害&マスカ&ベアト(事前にイーバを加えられるならベアトではなくリンクリボー)またはアルデク5妨害を基本とし、以下の展開を手札に応じて組み込んでいくのが好ましいと考えられます。
そのため、天使なら展開が問題なく全て通った時にやることは変わりません。細い初動や後手の強化が中心となります。
1枚初動統括者(ノヴァ+そのサーチ7枚)
前提条件: テーマカード未使用
最終盤面: 虚無の統括者
リソース: 手札にメテオニス/墓地にバン&アル&νII
要求値: ノヴァorファフニールorテラフォ or ワン・フォー・ワン+コスト
■ 展開ルート
ノヴァでνII, νIIでバン, バンコストνIIで弁天, νII効果で蘇生, 2体でファフ, ファフでアル, 弁天切ってアルでメテオニス, 弁天で統括者, 2体リリースで統括者
ノイズを最小限にした際の最も強力な1枚初動です。EXの消費枠がなく、メインデッキ1枚で完了すること、上振れ時はニビルケアなどにもつながることから、特に召喚権を使わない機械軸においては基本ルートとなりそうです。
EXやメインデッキにコンボパーツを採用する場合、より幅広い展開が可能となりますが、現時点での機械軸の一番丸い展開となります。
ただ、現環境ではスネークアイが反逆1枚、ポプルス3枚に加えて篝火3枚があり、無限泡影も合わせるとメインデッキから回答が10枚あるため安心とは言えません。
1枚初動DRA+リトルナイト(ノヴァ+そのサーチ7種)
前提条件: テーマカード未使用
最終盤面: DRA+リトルナイト
リソース: 手札にメテオニス/墓地にバン&アル&νII/場のDRAが発動条件
要求値: ノヴァorファフニールorテラフォ or ワン・フォー・ワン+コスト
■ 展開ルート
ノヴァでνII, νIIでバン, バンコストνIIでDRA, νII効果で蘇生, 2体でファフ, ファフでアル, DRA切ってアルでメテオニス, メテオニスで素材切ってDRA, メテオニスでファフを1000下げて回収, アルとファフでリトルナイト
盤面強度は下がるものの、メイン・EXともにノイズが1枚もない展開ルートです。特にνII採用後の天使軸での下振れルートとしての活用が想定されます。
マスカレーナを立てるルートと分岐であり、DRA+マスカレーナの場合は飛ばせる除去の数に優位性がありますが、リトルナイトを先に立てておく場合は、リトルナイトでDRAを一時除外することで、νIIの発動条件を確実に満たせて後続を残せます。
ニビルケアDAD(ノヴァ+そのサーチ7種)
前提条件: νII, アル, ファフの効果未使用
要求値: ノヴァorファフニールorテラフォ or ワン・フォー・ワン+コスト
リソース: 手札にメテオニス/墓地にアル/νII/ファフ
その他: バンα, エルγ, ルタδ 未使用
■ 展開ルート
ノヴァでνII, νIIでアル, νII切ってアルでメテオニス, νII蘇生, 2体でファフ, ファフでDAD, メテオニスで素材とアルでDAD, メテオニス対象DAD
νII1枚から着地できるニビルケア展開です。最終盤面をDADにするとニビルのために墓地のリソースを2枚消費してしまうため、単体初動のときは統括者またはDRA+リトルナイトが推奨されます。
他にギミックをもっているときには後続の展開を阻害されないため、特に機械族で構築する場合は上振れ時の十分なケアと言えるでしょう。
ファフμβ着地の1ドロー3枚破壊+1デッキバウンス(後攻)
前提条件: ファフ,νII,エル,ベアトロンαの権利未使用 / 手札1枚
要求値: ファフの成立
最終盤面: アクセスコード・トーカー(5,300) + 任意のモンスター
リソース: 墓地にエル/リンクリボー
■ 展開ルート
1×2でファフXS, ファフでνII, νII蘇生, νIIでベアトロンα, ベアトロンαEFしてSS, ベアトロンαでノヴァ, ノヴァでエル, エル1体でリンクリ, ファフorベアトロン切ってエルで蘇生, 蘇生先+νIIでトロイメア, トロイメアで1破壊+1ドロー, リンクリ+トロイメアでユニコーン, ユニコーンでバウンス, ユニコーン+エルでアクセス, アクセスで地or炎+闇で2枚破壊
天使軸・機械軸どちらでも活用できるかなりライトな捲り手段です。
従来通りの ① ヌトスによる除去, ② 宣告者の儀式召喚試行による妨害の先打ちの強要, ③ アーゼウスによる妨害の強要, ④ ナーサテイヤの儀式召喚による捲りの4手とは独立した動きとなるため、②や④の天使の動きを阻害された場合の追加の一手として扱うことができ、νII以外の手段が通っていればそれで捲りに成功しており、通っていなければ機械族儀式の成約を満たした中での動きに留まっているので、最終的な捲りの要求値を1×2+νII未使用にまで落としこめています。
また、バトルフェイズを経由していない場合は道中でファフの素材を剥がす工程が存在しないため、儀式する対象となるモンスターが存在すれば追加で打点を生み出すことでワンキルが成立、ワンキルできない場合はファフを残すことでアーゼウスへと移行することも可能です。
通常のルートではνIIへの依存度が非常に低い天使軸においては、特に最後の一手としてνIIの権利が残っていることが多いと考えられるため使用頻度は高いでしょう。
ファフμβ1枚から1ドロー1枚破壊しつつワンキル(後攻)
前提条件: ファフ,νII,エル,ベアトロンαの権利未使用 / 手札1枚
要求値: ファフの成立
最終盤面: ベアトロンα + ヴァレルソード・ドラゴン
■ 展開ルート
1×2でファフXS, ファフでνII, νII蘇生, νIIでベアトロンα, ベアトロンαEFしてSS, ベアトロンαでノヴァ, ノヴァでエル, エル1体でリンクリ, ファフ切ってエルでファフ蘇生, ファフνIIでトロイメア, トロイメアで1破壊+1ドロー, リンクリ+エル+トロイメアでヴァレルソード, ヴァレルソードで3000×2+ベアトロンα2000で 3000 + 3000 + 2000 = 8,000
ヴァレルソードを採用する場合に実現可能なルートです。基本的にはアクセスルートと変わらないため、ユースケースも同様になると考えられます。
触ることができる盤面の数に限界がある都合上、環境に合わせて後ろが厚いデッキが多い場合はアクセスを、そうでない場合はヴァレルソードを選択することになります。
この場合トロイメア・ユニコーンを必要としないため、EX枠を潤沢に積みたいギミックを外付けする場合などは、マスカレーナの変身先はリトルナイトに一任し、こちらでコンパクトに仕上げることも視野となります。
機械軸の魔改造展開(バン+アルの一例)
前提条件: テーマの効果未使用
要求値: バン+アル
現在検討中であり、粗削りのため本記事では詳細は割愛しますが、機械軸をリンクに寄せる手段も考えられます。
いわゆる純構築とは乖離していますが、機械制約を許容してνIIを軸にする場合、儀式による盤面形成ではなくリンクによる妨害をゴールとすることで、メインデッキのノイズの枚数を最小限に抑え、強力な盤面を成立することができます。
現状EXの圧迫が激しいことやルートの柔軟性の問題からまだ実用水準とは言い辛いですが、妨害の供給手段を散らすことも考えられます。
参考: https://x.com/Casket_star/status/1767517932714938572
その他の展開について
考えらえる展開が際限ないため今回はこれ以上の詳細は割愛しますが、これらの他にオオヒメを採用することで、「オオヒメ+ノヴァ」=「マスカレーナ&ベアト(朱光)&DRAの1無効+4除去」などが可能となり、コンボパーツの許容値次第で無限に盤面のパターンを作ることができます。特に天使軸でオオヒメが絡むとνII展開でベアトだけであれば利用可能であることから、パターン数が爆発しますね。
現状どこまでが実用ラインかを把握しきれていないため、今後実践を通して環境レベルで必須と言える展開に絞ったのち、個別展開はまたの機会に紹介したいと思います。
また、頻出ルートがあればこちらにも追記します。
機械軸か天使軸か
ここまでで新規を経て変わること、できることは一通り紹介しました。
その上で、「結局、機械軸と天使軸どちらにすべきか?」という疑問が生じるかと思います。これにてついては、私はあくまで現状の見解ですが、「天使軸へのνⅡ1枚の採用」が最も強力であると判断しています。
以下に理由をそれぞれ述べます。
天使軸は「捲り札への耐性」で優れている
従来の天使軸のドライトロンはその特性上、1~2誘発への安定した貫通力と、サイドカードへの圧倒的な体制を有しています。
特に今の天使軸の基本的な理想盤面であるアルデク&天使5枚+リトルナイトという盤面は、環境でも有力な捲り札である『三戦の才』『拮抗勝負』『心変わり』『超融合』全てに耐性を有しており、低速デッキから引きに問わず出てくる『ティフォン』すらも効かない盤面となっています。
弱点らしい弱点は朱光&緑光を超えられる手札を相手が引いているうえでの『禁じられた一滴』程度であり、環境においてメジャーな捲り札をほとんどを受け付けないというのはそれだけで先攻盤面の評価に値します。
現状の機械軸ではDAD+ライマスを軸とすると超融合が、統括者は泡影や反逆が、DAD+マスカレーナなどの場合はダイナモンドを絡める場合は墓穴が重くなり、『反逆の罪宝』『超融合』『拮抗勝負』『無限泡影』などの汎用魔法・罠の連打を耐えきることができないという課題があります。それぞれの盤面ごとにケアできるカード・できないカードはありますが相手の構築や引きとのかみ合わせに左右されてしまいます。
天使軸は「誘発への耐性」で優れている
「できないこと」でも述べたように、機械軸では弁天の複数回利用を行わないデッキビルドを前提とする都合上、ベアトリーチェによる初動率の担保と誘発の貫通を行うことが不可能となります。
従来型ではファフμβへの泡影を神巫NSから貫通してある程度高品質な妨害を構える。アルデクのみで手札に天使が揃わない場合でも相手ターンベアトで弾を用意しながらベアト自身もリトルナイトの素材とする。単に単体でXしたり、DRAの横に添えて1妨害として朱光を拾うなど幅広い妨害の成立が可能であり、動き全般について重要な役割を担っていました。
ドライトロンというデッキは回れば回るほどリソースが溜まり、蓋さえされなければ先攻3ターン目には圧倒的な手数でキルに迎えるということもあり、誘発を貫通して展開することでリソースを蓄えたうえで、その展開したボードから何かしらの妨害を作る行為の重要度は言うまでもないでしょう。
機械軸では、弁天のようなコスト側になっていてかつそれ自身が手数を呼んでくるカードや、そこから展開の過程でサーチしたカード(例えば神巫)が自然と貫通札となるケースがあまり多くありません。
ノイズが少ないため手札の平均点の底上げは多少できている一方、少ない初動枚数から貫通できるギミックに分があることは間違いないでしょう。
天使軸ではνⅡは「貫通札」となる
これまで紹介した先攻・後攻のルートから見て取れるように、νIIは非常に単体性能が高く、1枚で莫大なリンク値を供給する上に、DRAなどにも非常に触りやすい一枚となっています。
すなわちこれは「可能であれば必ず通したい」動きであり、νIIを通すために他のカードで妨害を貰うのが理想と言えます。
その際、機械軸ではどうしても展開をするためにまずνIIが必要となるシチュエーションが多くなりますが、天使軸の場合は先に天使という同じく通ればゲームエンド級の働きをするギミックが備わっているため、前方確認ができるマストカウンターとして機能します。
この点を考慮した場合、νIIは天使が通らなかったときの天使軸>機械軸>天使が通ったときの天使軸の順でうまく使えることとなり、手数を活かすというプランを取った場合には、天使における活用が最もフィットします。
機械軸は「後攻の通れば勝つアクション」を一手失う
先述の通り機械軸ではシンプルにナーサテイヤが使えないことで最大級のリターンが得られる手数を一手失います。
DRAとナーサテイヤは環境によって優先度が変わる相互互換のカードではありますが、機械軸にした場合は構築時点でナーサテイヤの選択肢を非常に取りづらくなります。
結局、新規がきてどう強くなったのか
さて、わかりやすさを重視してそれぞれの動きを紹介していましたが、最後にどのように強くなったのかを完結にまとめたいと思います。
① 新規によって「事故率が低減」した
言うまでもないでしょう。ノヴァとそれにつながるカードが1枚初動となったことで、格段に事故率が低下しました。
そのうえでもともとは2枚以上の初動で動きデッキであるため、手札のギミック期待値は3枚程度が標準と考えた場合、テラフォーミングやワン・フォー・ワンなどをどこまで採用するかによりますが、多くのケースで事故とは無縁と言えるでしょう。
② 新規によって「先後両方の攻め手」が増えた
先攻では元々ベアトで安定して誘発を貫通できていたことに加え、これからは天使に触れないケースでも、νIIを出せばDRA+リンク体やDRA+ファフμβ+リンク体のような盤面が作りやすくなり、特に「ドライトロンで固まった手札でのバンαへのうらら」などに対しては、これまでと一線を画す妨害の数と質、リソース量を誇ります。
後攻ではファフμβからのルートでも分かる通り、アーゼウスとナーサテイヤの二大巨頭が通らない場合ですらも攻め手を作ることができており、さらに手数で押し切りやすいようになっています。
また、「禁じられた一滴」のコストにしても良い新しいドライトロン名称なので、捲り札との相性も更に良くなりました。
③ 新規によって「裏目」が増えた
新たに増えた攻め手となるνIIが他の動きとは独立しているカードであることから、このカードを持っている/持っていないによって発生する裏目が発生し、より裏目を押し付ける力が強化されました。
元々「未確定札がある中でのメテオニスの発動」や「アルデクだけが確定の状態でのメテオニスの発動」など、相手視点では判断できない未確定札による捲れる/捲れないを押し付けるプレイが捲りにおいてはかなり強力でしたが、今後は盤面に「ドライトロン」名称が残ることがリスクとなります。
今後は未確定札が裏目を持つ場合、相手のプレイヤースキルがどれだけ高くとも確率勝負の範疇を超えないケースが増えることで、相手視点では結果論を許容した妨害の吐き方をせざるを得ないのは強みでしょう。
特に的確な妨害を当てることが可能なプレイヤースキル・理解度の高い相手との対戦であるほど、この強みは活かされることとなります。
④新規によって「ノイズが減っ」た
従来型のドライトロンはリペアを重ねてバン&アル/バン&弁天/バン&神巫/アル&神巫/アル&弁天すべてでアルデク5妨害を成立自体はできるようになっていました。
ですがそのために御巫の出張セット3枚と天空の歌声という素引きがノイズになりやすいコンボパーツを4枚採用する必要があり、またイーバのサーチ先も初動には貢献しないという課題があり、2枚初動デッキに入るノイズの量としては看過し辛い枚数であったことは事実です。
また、それらを含めて手札を強く使うためには儀式の準備の複数投入が必須であり、噛み合ったときには手札が7枚程度あるように動ける代わりに、手札が3枚程度からスタートするときもある、天使ギミックが固まって肝心のドライトロンにアクセスしづらいというシチュエーションがそれなりの頻度で発生するという課題がありました。
今回のνIIの登場によりそもそも1枚初動があるためノイズを許容しやすくなったこと、妨害数に信頼がおけるので歌声が必須ではなくなり、その結果イーバのサーチ先である初動にならない天使の枚数も減らせることから、手札の質が高まることとなります。
オオヒメのギミックについては引き続き輪舞はノイズではあるものの、オオヒメ本体は引いたときに捨てて美味しいカードとしてνIIが位置しているため、噛み合ったときのパワー自体は「儀式の準備」採用時代と遜色ない水準を維持することができています。
現時点でのデッキリスト
ここまでを踏まえて、おまけとして考察中の最新のデッキリストを共有します。
※ 遊戯王ニューロン未実装のため、νⅡはデカトロンで代用しています。
ひとまずまだ未確定のINFO環境に備えて、パーシアスギミックは不採用として丸く仕上げてあります。『超融合』が流行する環境では歌声が、『禁じられた一滴』が流行する環境では横並びがそれぞれ強力であるため、環境を見てギミックの厚みには傾斜をつけたいところですね。
現状は超融合を軽く見て3アルデク&マスカ&ベアト(可能なら代わりにリンクリボー)で十分ですが、5アルデク+リトルナイトにいつでも切り替える際も『儀式の準備』などを足すことはせず、天使の弾と歌声だけの採用で十分だと考えられます。
OCGは制限改訂直前ということもあり、改訂と新弾による環境の変化を考慮して柔軟に構築は変えていきたいところですね。
おわりに
というわけで今回は簡単に新規入りのドライトロンの動きについてまとめてみました。
発売まではプロキシを用意して対人経験を積みつつ、新弾が発売されたら早速CSに持ち込んで結果を出していきたいと考えているため、また良い結果が出たらそのときに note にまとめたいと思います。
また、新規の登場後は動画でも説明したいと考えているため、よろしければ私の YouTube チャンネルも登録いただけますと幸いです。
普段はマスターデュエルの動画を公開していますが、ライブ配信にてOCGの話をする機会もあるのでぜひ。
それでは。