私が「空想地図」を描く理由
日記41日目。
先日、東急ハンズに行ったら「マニアコンビニ」というコーナーがあった。
どんな人が買うのだろうかと不思議に思うようなマニアックなものがたくさん売られていた。
公式サイトによると、
「マニアコンビニ」はマニアの研究成果を詰めこんだ同人誌や特製グッズをどっさり取りそろえた楽しいお店。 アジアのおもちゃマニア、片手袋マニア、公園遊具マニア、ゴムホースマニアなどなど、マニアフェスタに出展しているマニアのグッズがたくさんあるよ。
マニアコンビニ
https://betsushiten.stores.jp/about
とのこと。
「マニアフェスタ」とは、「合同会社 別視点」という企業により開催されるイベントで
、マニアたちがブースを出展し、オリジナルグッズを販売したり研究成果を発表する場になっている。それをオンラインショップ化したものや東急ハンズに常設したものが「マニアコンビニ」と呼ばれるらしい。
これについて書くにあたって「合同会社 別視点」のサイトも見てみたら、なかなか興味深かったので良かったらのぞいて見てほしい。
その数あるグッズのなかで特に私の目をひいたのは、「空想地図」という文字。
そこに置いてあったのはその名の通り「実在しない架空の都市を描いた地図」。
めちゃくちゃリアルで、観光案内所や旅行誌の後ろの方にまとめられているあのマップと見た目が全く同じ。それに値段がついて売られている。衝撃だった。
正直、これが売れるのかと思った。
それと同じ地図がこちら。
地図だけじゃない。
架空の都市の架空のショッピングモールのフロアマップや架空の指定ごみ袋と架空の粗大ごみ回収券等も別で売られていた。
知らない世界に触れた衝撃と同時に、ワクワク感と羨ましさもあった。
実は私も小学生の頃よく画用紙に架空の町の地図を描いていた。その町のショッピングモールのフロアマップや家の間取りまで。学校の友達の誘いを断ってまで、家にこもってそれに夢中になっていた。その記憶があるので、見つけたときはあの頃の初期衝動を思い出したような感覚と、こんな道もあるのかという驚きと羨ましさが入り交じっていたのだと思う。
この「空想地図」を作っているのが「株式会社地理人研究所」。そして、この「空想地図」を始めたのが代表である今和泉隆行さん。空想地図だけではなく、実在の町の地図や路線図なんかも作成しているらしい。今和泉さんと空想地図については、こちらのほぼ日刊イトイ新聞でのロングインタビューが詳しくて面白いので、興味がある方はぜひ読んでほしい。
このインタビューを読んで驚いたのは、決して理想の都市を描いているわけでは無いということ。如何にリアルでありふれた町を描くかが彼のこだわりなのだ。リアルを追求しすぎて、辻褄が合わなくなると苦労するようだが。
私の場合、理想としての地図を描くことが多かった。幼い頃していた人形遊びや空想の世界の舞台としての地図。その世界で物語を考えることが好きだった。それも特別ファンタジーな世界ではなくて、リアルで日常的なものだった気がする。それで自分の心を満たしていた。現実に満足していなかったのかな?少なくとも「こうだったらいいのに」みたいなことはいっぱい思っていたなと思う。だから、空想地図を見るとワクワクするのかもしれない。地図を見るとその町での人の生活を想像したくなる。
アニメ「映像研には手を出すな」を見たときに同じ興奮を感じたことを思い出した。私が地図を描いていた理由は、空想地図の今和泉さんよりも、このアニメの主人公である浅草氏に近いと思う。その事については、以前の記事にも書いているのでリンクを貼っておく。
この地図に出会って、自分の好きなものやワクワクするものを改めて感じるきっかけになったし、初期衝動みたいなものを思い出させてくれた。私はやっぱり何かを作ることが好きなんだと思う。空想地図作成キットが売っていたのでまた買ってみようかな。
それと、好きなことを長く続けているとそれが職になる例はやっぱりあるのだなという実感。人生本当に何が繋がっていくか分からないなと今和泉さんのインタビューを読んですごく感じた。
私のこれからの未来はどうやって繋がっていくのかな。