【漫画原作部門】『コード・ビレッジ ―沈黙のアルゴリズム―』第三話
第三話:希望の光
1. 新たな課題(1-2P)
• 早朝の常盤村。愛が一人で村を歩いている。
• 人気のない通りや閉まったままのシャッター。
• 愛(モノローグ):「想像以上に...人の姿が見えないわ」
• 高齢者の家々を回り、様子を確認する愛。
• カーテンの閉まった家が多い。
• 愛:「どうすれば...皆さんに外に出てきてもらえるかしら」
2. 村長との対話(3-4P)
• 村長の家。愛と村長が話し合っている。
• 愛:「村長、高齢者の方々の健康状態が心配です」
• 村長:「ああ、引きこもりがちな高齢者が増えてるんだよ」
• 愛:「リハビリテクノロジーを導入して、健康増進プログラムを始めては?」
• 村長、苦笑い:「それはいいアイデアだが...予算は?」
• 愛:「初期費用は約300万円で...」
• 村長、ため息:「そんな予算はないねぇ。他に方法は?」
• 愛、困った表情。
3. 若者たちの提案(5-7P)
• 村の集会所。愛が住民たちに状況を説明している。
• 愛:「高齢者の健康管理が課題です。けれど、予算の問題で...」
• 住民たち、心配そうな表情。
• しんちゃんが手を挙げる。
• しんちゃん:「あの、お金をかけない方法があるんじゃないですか?」
• 愛:「どういうことですか?」
• しんちゃん:「例えば、ラジオ体操とか」
• 会場から笑いが起こる。
• げんさん:「なんだ、そんな古くさい方法か?」
• 愛、少し驚いた表情:「ラジオ体操...?確かにコストはかからないわね」
• 村長:「まぁ、試してみる価値はあるかもしれんな」
4. プロジェクト始動(8-10P)
• 翌朝、村の広場。愛としんちゃんが準備をしている。
• 愛:「しんちゃん、ありがとう。素敵なアイデアだったわ」
• しんちゃん:「いえいえ、祖父の介護をしてるんです。だから、高齢者の健康に興味があって...」
• 愛、驚いた表情:「そうだったの...」
• 時計が6時を指す。広場には二人しかいない。
• 愛(モノローグ):「来てくれるかしら...」
• しんちゃん:「大丈夫です。きっと...」
• 二人でラジオ体操を始める。
• 遠くから、数人の住民が不思議そうに見ている。
5. 続く努力(11-14P)
• モンタージュシーン:数日間の様子。
• 晴れの日、曇りの日、雨の日...天候が変わっても毎朝続けられるラジオ体操。
• しかし、参加者は増えない。
• ある日、げんさんが現れる。
• げんさん:「…おい、お前ら!毎日やってるのか…?」
• 愛:「はい、少しずつですが...」
• げんさん、後ろに向かいつつ:「…よし、分かった」
• げんさん、村を歩き回り、中年の男性たちを無理やり連れてくる。
• げんさん:「さあ、お前らも体操だ!」
• 連れてこられた人々、戸惑いながらも体操を始める。
• げんさんのかけ声が響き渡る中、少しずつ参加者が増える。
6. しんちゃんの事情(15-16P)
• 体操後、愛としんちゃんが話している。
• 愛:「しんちゃん、毎日来てくれてありがとう」
• しんちゃん:「いえ...実は祖父の介護で大変なんだけど...」
• 回想シーン:しんちゃんが祖父の介護をしている様子。
• しんちゃん:「祖父が寝たきりになって...でも、こうやって体を動かすのが大切だって」
• 愛:「しんちゃん...」
• しんちゃん:「だから、村のみんなには元気でいて欲しいんだ」
7. 口コミの力(17-18P)
• げんさん、村の飲み屋で友人たちと話している。
• げんさん:「おい、お前ら!朝のラジオ体操に来いよ」
• 友人1:「えー、面倒くさいよ」
• げんさん:「バカ野郎!健康のためだ。来ないやつは酒つけないからな!」
• 友人2:「わ!酒もってくなって…!」
• 友人たち、渋々同意。
• 別のシーン、さくらの店。
• さくら:「ねえねえ、最近ラジオ体操始めたんだけど、体が軽くなった気がするの」
• 客たち:「へえ、そうなんだ。私も行ってみようかな」
8. 予想外の展開(19-20P)
• 数週間後、広場に予想以上の人が集まっている。
• 愛、驚いた表情:「こんなに...」
• しんちゃん:「すごい!みんな来てくれたんだ!」
• げんさん、得意げな表情:「どうだ、俺の営業の成果だぞ!」
• 体操後、住民たちが談笑している。
• 高齢者1:「久しぶりに体を動かしたわ。気持ちいいねえ」
• 高齢者2:「朝からみんなと話せるのが楽しみになったよ」
• 中年男性:「最初は嫌々だったけど、意外と気持ちいいな」
• 愛(モノローグ):「単なる運動じゃない。コミュニティの再生にもつながってる...」
9. 更なる課題(21-22P)
• 村の診療所。医師が愛に報告している。
• 医師:「全体的な健康状態は改善していますが、認知症の初期症状が見られる方が...」
• 愛:「そうですか...新たな対策が必要ですね」
• 愛、げんさんに相談。
• げんさん:「認知症か...難しい問題だな」
• 愛:「何かいいアイデアは...」
• げんさん:「そうだな...。昔、親父が『畑仕事が一番の薬』って言ってたな」
• 愛、閃いた表情:「…それです!!」
10. 新プロジェクト始動(23-25P)
• 村の集会所。愛が新たな提案をしている。
• 愛:「『農福連携プロジェクト』を始めましょう。高齢者の方々に、農作業に参加してもらいます。農業とヘルスケアを組み合わせるんです。」
• 高齢者1「でも、そんなに体力がもつかしら…」
• しんちゃん:「僕たち若手が、高齢者の方々をサポートします!」
• さくら:「直売所でも、高齢者の方々が作った野菜コーナーを作れますね」
• げんさん:「よし、わしも指導役として頑張るぞ。キエーッ!」
• 村人たち、笑顔で賛同。
• 愛(モノローグ):「みんなの知恵と力が集まれば、どんな問題も解決できる」
11. 希望の風景(26-28P)
• 数ヶ月後の村の様子。
• 早朝のラジオ体操に大勢の住民が参加。
• その後、高齢者と若者が一緒に畑仕事をしている。
• 直売所では、高齢者が作った野菜が人気に。
• げんさんが、若者たちに農業指導をしている。
• 愛、タブレットで健康データをチェックしながら、畑を歩いている。
• 村全体が活気に満ちている。
12. エピローグ:新たな朝と謎(29-30P)
• 夕暮れ時、丘の上に立つげんさんとしんちゃん。
• げんさん:「見ろよ、村が生き返ってきたようだ」
• しんちゃん:「はい…愛さんがいたからこそ成せた結果ですね」
• げんさん:「で、その愛のやつは、どこに行っちまったんだろうな」
• しんちゃん:「そういえばさっき畑を見に行くって...」
• 突然、遠くの空に奇妙な光が見える。
• しんちゃん:「あれは...!?」
13. 次回予告
ナレーション:「突如姿を消した愛。村人たちは彼女の思いを胸に、村の発展に励む。しかし、予期せぬ災害が村を襲う。愛不在の中、村人たちは危機を乗り越えられるのか!? そして、愛の失踪の謎とは...!?」
次回:『コード・ビレッジ ―沈黙のアルゴリズム―』第四話「激流の中で」