【漫画原作部門】『コード・ビレッジ ―沈黙のアルゴリズム―』第二話
第二話:頑固爺と枯れゆく大地
1. 干ばつの兆し(1-3P)
• 早朝の常盤村。日差しが強く、畑が乾いている。
• げんさん(75歳)が一人、黙々と畑仕事をしている。
o 特徴:長い白髪と髭、がっしりとした体つき。目つきは鋭い。
o 服装:古めかしい作務衣、腰には携帯ラジオ。
• 遠くから愛が近づいてくる。
• 愛:「おはようございます、げんさん。今年は雨が少ないですね」
• げんさん、愛を無視して作業を続ける。
• 愛:「新しい灌漑システムの導入を検討してみては…」
• げんさん:「キエーッ!また訳の分からん話か!」
2. 伝統vs革新(4-5P)
• 愛、タブレットを取り出す。
• 愛:「AI予測では、この先さらに雨量が減少するそうです。効率的な水管理が必要になります」
• げんさん、鍬を地面に突き刺す。
• げんさん:「ふん!60年間、わしは天を読んで農業をしてきた。機械の予測なんぞ当てにならん!」
• 愛:「でも、気候変動で従来の経験則が通用しなくなっています」
• げんさん:「うるさい!わしの勘を信じろ」
• 愛、諦めずに説明を続ける。
• げんさん、突然タブレットを奪い取る。
• げんさん:「こんなもの、畑には要らん!」
• げんさん、タブレットを地面に叩きつける。
3. 村を二分する議論(6-10P)
• 村の集会所。村人たちが集まっている。
• 村長:「えー、新しい灌漑システムの導入について話し合いたいと思います」
• 愛、前に出てプレゼンテーション。
• 一方、げんさんは腕を組んで不機嫌そうな表情。
• 若手農家・しんちゃん:「僕は賛成です。このままじゃ、作物が干からびちゃいます」
• 別の年配農家:「でも、初期投資が高額すぎる。借金するのは怖いなぁ」
• 議論が白熱する中、げんさんが立ち上がる。
• げんさん:「バカもん!借金なんかして、どーする。倒産したらどうすんじゃ!」
• しんちゃん:「このまま何もしなくても、干ばつで倒産するかもしれないんですよ!」
• 村人たちの間に深い溝ができる。
4. 干ばつの猛威(11-12P)
• 数週間後、村の畑が茶色く変色している。
• 作物が枯れ始め、土がひび割れている。
• 村人たち、不安そうに空を見上げる。
• げんさんの畑。必死に手作業で水やりをしている。
• げんさん(独り言):「まだだ…まだ諦めるもんか…」
• 愛、げんさんの姿を心配そうに見つめる。
• 愛:「げんさん、そろそろ限界では…」
• げんさん:「うるさい!わしの代で先祖伝来の畑を潰すわけにはいかんのじゃ!」
• 愛、葛藤の表情を浮かべる。
5. 市場の厳しさ(13-15P)
• 村の直売所。客足がまばら。
• さくら(直売所の店主):「このところ、野菜の品質が落ちて…お客さんが減ってるの」
• 愛、データを確認している。
• 愛:「このままでは、村の主要取引先にも影響が…」
• げんさん、怒鳴り込んでくる。
• げんさん:「何が品質が落ちただと!わしらの野菜が悪いんじゃない。消費者の舌が腐っとるんじゃ!」
• さくら、困惑した表情。
• 愛:「げんさん、現実を見てください。このままでは村の農業が立ち行かなくなります」
6. げんさんの苦悩(16-17P)
• 夜、げんさんの家。
• げんさん、古いアルバムを見ている。
• 写真には、かつての豊かな畑の様子や、笑顔の家族の姿。
• げんさん(独り言):「父ちゃん、母ちゃん…わしは何を間違えたんじゃろうか」
• 涙を流すげんさん。
• 翌朝、げんさんの畑。
• げんさん、一人黙々と作業を続けている。
• しかし、疲労の色が濃い。
• 突然、げんさんがよろめき、倒れる。
7. 危機と決断(18-21P)
• げんさんの倒れた知らせが村中に広がる。
• 病院に運ばれるげんさん。
• 医師:「脱水症状と過労です。しばらく安静が必要ですね」
• 愛、村長、しんちゃんたちが病室に集まる。
• げんさん、弱々しい声で話し始める。
• げんさん:「わしは…間違っとったんかもしれん」
• 村人たち、驚きの表情。
• げんさん:「でも、この村の農業を守りたかっただけじゃ…」
• 愛:「分かります。だからこそ、新しい方法を…」
• げんさん、愛を遮る。
• げんさん:「お前さんの言うことを、もう一度聞かせてくれんか」
• 愛、涙ぐみながらタブレットを取り出す。
• 愛:「はい。一緒に村の未来を考えましょう」
8. 再生への道(22-23P)
• 数日後、退院したげんさんを交えての村会議。
• 愛:「新しい灌漑システムと、げんさんたちの経験を組み合わせます」
• げんさん:「ああ、わしらの知恵も役に立つはずじゃ」
• しんちゃん:「僕たち若手も、積極的に関わっていきます!」
• 村長:「よし、みんなで力を合わせよう!」
• 具体的な計画が立てられていく。
• 農協からの融資、行政の補助金など、資金面の話し合い。
• げんさん:「借金は怖いが…村の未来のためじゃ。わしも頑張る!」
9. 変化の兆し(24-26P)
• 数ヶ月後、新しい灌漑システムが稼働。
• 少しずつ畑が緑を取り戻していく。
• げんさんと愛、一緒に畑を見回る。
• げんさん:「なるほど、水の無駄遣いが減ったのう」
• 愛:「はい。そして、げんさんの経験を活かした栽培計画で、品質も上がっています」
• 直売所に客足が戻り始める。
• さくら:「やった!お客さんが増えてきたわ」
• しんちゃん:「これなら、農業を続けていけそうです!」
10. 新たな挑戦(27-28P)
• 畑でのミーティング。げんさん、愛、しんちゃんたち。
• げんさん:「よし、次は有機栽培に挑戦してみるか」
• 愛:「素晴らしいアイデアです。AIで最適な方法を…」
• げんさん:「おっと、AIだけじゃないぞ。わしらの経験も大事じゃ」
• しんちゃん:「僕たちも新しい農法、学んでいきます!」
• げんさん、しんちゃんの頭をポンと叩く。
• げんさん:「よし、明日から特訓じゃ。覚悟しとけよ。キエーッ!」
• 三人が並んで立つ姿。
• 背景に、希望に満ちた村の風景が広がる。
11. エピローグ(29-30P)
• 夕暮れ時の畑。げんさんと愛が話している。
• げんさん:「愛さんよ、わしらの村にはまだまだ可能性があるんじゃないか?」
• 愛:「はい、きっとそうです。これからが楽しみです」
• げんさん:「そうじゃ、まだまだ若いもんには負けんぞ。キエーッ!」
• 愛、げんさんの掛け声に驚きつつも、微笑む。