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最近の巨人の打順について 原監督の思惑は?

最近ほとんど固定されている巨人の打順をみて、皆さんはどう思うだろうか。

1 坂本(遊)

2 松原(右)

3 亀井orウィーラー(左)

4 岡本(三)

5 丸(中)

6 中島(一)

7 大城(捕)

8 吉川尚(二)

9 投手

おそらく、何らかの意義を唱えたくなる人が少なからずいるだろう。

ここでは、このオーダーの問題点はどこなのか?原監督をはじめとする首脳陣の意図は何なのか?ということについて、筆者の独断で考察していく。


1.問題点

このオーダーに対する不満を整理すると、以下のようになると思う。

①2番に長打が少なく、実績もあまりない松原聖弥を起用している。

②調子を上げてきた丸佳浩を上位に戻さず5番に固定している。

③打撃の調子がいい大城卓三、吉川尚輝を7,8番に固定している。

⇒その結果

④打席が多くまわり重要な2,3番に比較的低OPSの選手が座っている。

⑤高OPSつまり期待できる選手が分断されている。

⇒そして

⑥打線の得点効率が良くない。

皆さんがどの部分にどの程度不満をもっているかは分からないが、この中に当てはまるものはあるだろう。

構造としては、①②③という意図をもったオーダー編成をしたために、④⑤→⑥という望ましくない結果を招いてしまったということになる。

それでは①②③には、どのような首脳陣の意図があるのだろうか?


2.意図

①松原聖弥をレギュラー格に育て上げたい。

Twitter界隈では評価がかなり分かれているように見える松原。2018年には、イースタン・リーグで .316 134安打をマークするなど、ヒットメーカーとしての片りんを見せた。選球眼も悪くなく、守備でも、8/27ヤクルト戦でのライトゴロなど、強肩を生かしたプレーを見せつけている。長打こそ期待できるとは言えないが、将来は”長打の少ない秋山翔吾”くらいのヒットメーカーに成長してほしいと思わせるポテンシャルの持ち主である。

起用法からみるに、巨人首脳陣は松原をレギュラー格に育て上げるために2番に固定した起用をしているのではないか。この打順における2番は、坂本が勝負されづらいために、チャンスで多く回ってくる。このようなチャンスで結果を出すことで、レギュラー格が見えてくるだろう。

②岡本和真の後ろを強打者・丸佳浩でサポートしたい。

開幕からずっと低調だった坂本・丸の並びが解体され、8/14中日戦から丸が5番を打っている。もともとは坂本と丸に違った景色を見せることで、復調のきっかけをつかませることを意図した采配だった。しかし、これが4番の岡本をサポートするという副作用を生んだのだ。4番岡本、5番丸の並びになってから、岡本も落とし気味だった調子をキープしている。

首脳陣には、岡本の状態を維持・向上させていくための5番丸、という意図もありそうだ。

③大城卓三・吉川尚輝に下位打線で楽に打たせたい。

大城と吉川の打撃が好調であるため、「吉川を1番に!」「大城をクリーンアップに!」という声も多い。しかし、打撃の状態が良くても打順を動かさないことから、この2人には下位で楽に打たせたいという意図がみえる。

大城については、捕手というポジションの負担を考慮してのことだろう。吉川尚輝については、シーズン序盤に1番として結果を残せなかったことや、四球の少なさ、また、怪我に対する不安などの理由が考えられる。

さらに、両名に共通して、実績が少ない。楽な打順で数字面での実績を積ませ、自信をつけさせたいという狙いもあるだろう。


3.評価

さて、これら首脳陣の意図を推測したうえで、私自身の評価を述べよう。結論をいうと、「意図はある程度理解できるが、④(2,3番が低OPS)の問題点が痛すぎる。上記の意図にある程度沿いつつ改善を求めたい。」である。

13連戦を振り返っても、打順が違えば追加点が取れたのでは?と思わせる場面も多かった。追加点が取れなかったために僅差の試合が増え、リリーフ陣の負担を増大させている。早急に、ある程度の改善はしてほしいものだ。

具体的な策としては、

・1,2番を入れ替えて松原、坂本の並びにする。

・3番に丸を戻すor打撃の期待できる選手を3番に配置する。

丸を戻すことで空いてしまう5番には、中島宏之が適任だろう。次点で亀井、ウィーラーといったところか。また、パーラが復帰すれば5番はもちろん、3番に置いて5番丸6番中島の並びを維持することも可能だ。

さらに、私は、2軍でバッティングスタイルの改善がみられる陽岱鋼の3番も面白いと思う。ムラがあるため長期的に機能するかどうかは分からないが、、、、(笑)

ちなみに、③の意図は尊重したいと私は考えている。捕手・二塁手というポジションとしてこれだけ打てるのは魅力で、両名とも代えがたい選手かつ将来的にはコアを張ってもらいたい選手だ。怪我のリスクを多少でも下げ、実績の残しやすい楽な打席を打つことで自信にしてもらいたい。

なお、1番を松原にすることで、現状みられている7,8番チャンスメイクからの投手バント→チャンスで坂本が期待しづらくなるが、それは仕方ない。どのみち坂本が敬遠されたなら、同じような状況になる。


4.最後に

最後に付け加えておきたいことは、原監督がこれらの問題点に気づいていないはずがない、ということだ。昨春「初回から2点を取りに行く」と宣言し、2番・坂本というNPBでは新しい野球をいち早く取り入れるほど、打順には意識のある監督だ。

元木ヘッドが指揮を執っているのか、これが原監督自身の意志なのかは分からない。しかし、いずれにせよそのうち、少なくともポストシーズンが近づけば、何らかの改善はみられるに違いない。


巨人首脳陣が、これからどのように打順を動かしていくのか、楽しみにしたい。

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