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郵便屋、自動車学校(普通自動二輪)に通う 5〜8時間目「郵便屋はバイクを倒さない」

教官が数回変わりました。
全然態度が違いましたよ。最初の教官が生徒に圧力かけすぎだったのでは。

車の免許のない女の子が二輪教習に来ていたのですが、点滅信号の意味も知らなくて、それでも教官は懇切丁寧に教えていました。

いつもの教官のとき、ぼくはトラウマで口が渇いていたのですが、教官が変わってからは集中して取り組めて楽しかったです。

5時間目で一本橋急制動スラロームと、いろいろやりました
6時間目はおさらい
7時間目はシミュレーター
8時間目は坂道発進とおさらい(この日はかなり雨が降ってた)

・一本橋
初めて教習車で一本橋をやったのですが、教習車の重さでバランスが崩れ、でも持ち直して渡りきりました。時間は5秒くらい。

時間を伸ばそうとゆっくり入ったら案の定橋から落ちました。
普段郵便局でやってるし楽勝やろ、と過信していました。7秒は長い(普通二輪は一本橋を7秒かけて渡ると減点なし)。

でも次の6時間目の練習で、9秒にできました。

一本橋のコツは、
・一本橋に対して車体をまっすぐに停める。
・車体を安定させるため、必ずスピードを出して一本橋に入る。
・安定したらクラッチを切ってフットブレーキで速度を下げる。
・半クラッチで渡る。

で、教官が試しに一本橋を見せてくれたんですよ。
最初から超低速で入って、17秒かけて渡っていました。しびれましたよ。

・急制動
40キロで目印のパイロンに突入し、短い距離でブレーキをかけて止まるという課題です。
30キロで、という指示だったので30キロでやってみたのですが、想像以上に難しい。怖いです。
でも6時間目で、40キロの急制動を成功させました。
パイロンのだいぶ前で45前後まで出すのがコツですね。失速しながら40キロでパイロンを通過するといい感じ。

雨の日にも40キロで急制動をやってみましたが、問題はなかったです。意外と滑らない。

・スラローム
まだバイクの曲げ方に素人感があるのですが、舗装されたアスファルトでは意外と傾けても大丈夫なんですよね。

郵便配達であんなに車体傾けることってないんですよ。道が悪いところばかりだし、ぼくはターンですっころんでいるので、トラウマなんです。ちょっとした砂利道でタイヤ滑るんです。
転ぶ感覚がしみついて、丁寧に曲がろうとしてしまう。

この3課題、郵便局では出発時に毎日やるのですが、50CCと400CCでは馬力が違うし、ギアも違うので、練習を繰り返して安定させたい。

・坂道発進
これがスクーターならなんの問題もない。スーパーカブでもなんの問題もない。
リターン式ギアのバイクだと苦労します。
アクセルを回して半クラッチを作り、フットブレーキを開放させ、「あ、後ろに下がっちゃう」ってなります。クラッチの開きが足りないと思って開くとエンスト。
坂を上る位置を見つけるのが難しかったです。でも何回かやってだいぶ慣れました。

・シミュレーター
ただの体感ゲーム。
でもバイクは外での教習がないので、道路のあらゆる危険な状況を疑似体験するという点では、とても大事な教習です。


そういえば、初めてバイクを倒しそうになりました。
降車時にほんの少し車体傾けてたら倒れかけましたよ。
スタンドを使わず降車しなければいけないので、あの重さが恐いです。

初めて教習車にまたがったとき、「あ、これカタログ系パンパンに詰めたときの物量だ」と感じたんです。50CCカブなので、一軒目にたどり着くまで慎重に運転しなければいけません。
倒したら終わりなんです。ぼくは力がないので順立てした郵便を地面に投げ出さないと車体を起こせませんから。

400CCの馬力を信頼できるようになると運転に慣れて、200キロの車体をアクセルひとひねりでかっ飛ばせる感覚が楽しくも感じました。

郵政カブとの違いにもだんだん慣れてきたので、本当に楽しくなってきたんです。
たとえばカブだと、スピードを落とさずにギアを落とすなんてありえない。それやると強烈なエンジンブレーキで吹っ飛ぶかも。

なので最初、教官に「走行中ギアを1にしてから減速して止まってください(何度目かの指摘&キレ気味)」と言われていたんです。
その指示を受け入れられず、怖い教官を怒らせていました。

でも問題ないことを確かめてからは、リターン式ギアの操作にだいぶ慣れました。
慣れたのですが、時々2速にするつもりがニュートラルに入って「ぶおーん」と空ぶかしすることがあります。
クランク入る前にそれをやってしまってパニックになってニュートラルのままクランクに突入してバランスを崩してパイロン倒す、なんてミスもしました(転ばないところはえらい←)。

本当に転ばないですよ。バランスがしみついている。
郵便局で奴隷を続けていたことが役立っています。

近年、バイクブームで中高年の方の免許取得が増えているらしいですね。
教習所でもぼくより年上の人ばかりだし、女性も多いです。

なんだかすごく危ないんじゃないかと感じています。
いや絶対危ないですよ。バイクに憧れて気軽な気持ちで教習所へ、なんて、危険極まりないですよ。
ぼくは集配業務であらゆる危険を体験しているので、安全な走行を理解しているのですが、一般の方はたとえスクーターに乗り慣れているとしても、全然危険への認識が足りない。

なので、スクーターしか乗ったことのない方が免許取るなら、金と時間がかかってもしっかり教えてくれる教習所を探した方がいいです。変な教習所に当たると最悪。

あとは、最短で卒業しようなんて思わないほうがいいです。
バイクは車と比べて検定落ちやすいのでは。そのため「○○歳以上の方は安心プラン限定」みたいに中高年向けのプランがある教習所もあります。

高齢だけど夢だったバイクに乗りたい! という言葉をネットでよく見かけます。
たとえ20代でも、あの重い車体を操れるようになるまでには、一回以上こけます。運転操作を誤って走行中に転倒もあります。

路上に出てからもさらに危険は多い。
車より簡単に死ねる乗り物ですから。

とにかく、原付以上のバイクに乗りたいなら憧れ以上に恐怖心と覚悟があったほうが良いという話なのです。
車はぶつけてうまくなる、なんて言いますが、バイクは転倒を経験しないとうまくならない乗り物なのです。

っていうか冷静に考えて郵便局はおかしい。
あんなバランスの悪い重い車体を、プロテクターもなしにはじめて運転させるんですよ。
大ケガを負わずにバランスが身についてよかったですよ、ほんと。


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