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#4 ウクルポシュタのおかげで、ウクライナとチェコが繋がった

画像: Ukrposhta 03195

ウクルポシュタがきっかけで、ウクライナ語を学び始めた

ウクルポシュタとは、ウクライナの国営郵便局だ。

ウクルポシュタのSNSでの投稿はウクライナ語で行われるため、私はそれをすこしでも理解したくて、ウクライナ語の勉強を始めた。

キリル文字に苦戦しながらも、案外音と発音が乖離していないありがたさを感じながら、「やっぱりスラブ語派の言語にはキリル文字だよなあ」と思い始めている。

ウクルポシュタがチェコ語とウクライナ語を繋いでくれた

これは、ウクルポシュタのキャリア関係のアカウントだ。(@ukrposhtacareer)

つまりウクルポシュタで働きたいと思っているひとに向けて、こんな仕事に空きが出たので、一緒に働いてみないかと言っているアカウントである。

ウクルポシュタでの仕事に応募するには、ウクライナ国内に住所があれば、この電話番号に電話するか、オンラインでフォームを埋めればいいらしい。私は残念ながらウクライナに住所を持っておらず、持っていたとしてもいろいろ日本でやることがあって当分は応募できそうにない。

幸いなことに、私はこのアカウントからフォローされている!

私が読みとれた最後の文を読み解く

Чекаємо на вас в Укрпошті

この文章だけは、私も読めた。

Укрпоштіというのは、「ウクルポシュタ」のことだ。格変化を起こしている。

主格だと Укрпошта となる。

УкрпоштаというのはУкрとпоштаで分けられる。日本語なら「ウクル/ポシュタ」ということだ。前半は「ウクライナの」、後半は「郵便局」という意味になる。つまり、この活用を見るには、後半のпоштаの活用を見ればいい。

このサイトによると、Давальнийつまり与格、あるいはМісцевийつまり前置格であるといえる。

英語で前者はDativeで後者はlocative caseなので、後者は「地元」などと誤訳されたが、それは「地元の、ローカルの」という意味のlocalと勘違いしているということだろう。

参考:

в というのは、前置詞だ。私もよくは知らない。

ただなんらかの前置詞と「ウクルポシュタ」があれば、「ウクルポシュタで」といった意味になると推測がつく。

Чекаємо на вас の部分を見てみよう。

これを見慣れたラテン文字の表記にすると、Chekayemo na vasとなる。

これを踏まえたうえで、チェコ語でこれをどういうか見てみよう。

Čekají na vás

すごく似ていると、私は瞬時に思った。

チェコ語の知識が多少は私にもある。それは紛れもなく、チェスカー・ポシュタ(チェコの郵便局)のおかげだ。

Čekají na というのが「待っている」といった意味になる。これは手元に本がある「チェコ語の基本(ISBN:
978-4-384-05694-5)」の54ページに書いてある。

čekat na というのが、「…を待つ」という表現なので、それを活用させたものだと読み取れる。なお、文法的に言うと、čekat na は4格(対格)と結びつくので、vásはvy(あなたたち)の4格であるということがわかる。

ウクライナ語でのちょっとした検索によると、Чекаємо というのは、現在時制(Теперішній час)の1人称複数形とのこと。

ソース:

この表現は、ウクライナ人のお友達によると、丁寧さを表すために、чека́єм(а́というのはアクセント表記であって、普通は書かない)ともいえるのに、Чекаємоということによって、会社などが顧客に対して丁寧さを表せるのだという。

つまり、Čekají と訳したGoogle翻訳は誤訳であるといえそうだ。なぜなら、Čekají というのはčekatの3人称複数形だからだ。

つまり、長々と書いたが、この文は「私達はあなたを待っています」ということになる。


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