俳句のいさらゐ 🌥🌥🌥 松尾芭蕉 曲水宛書簡の句より。「百歳 (ももとせ) の気色 (けしき) を庭の落葉哉」
松尾芭蕉の生み出す小宇宙を味わうシリーズ。
標題の「いさらゐ」はちいさな泉のこと。にじみ出て来る思いを、そんな古語に喩えてみた。
この元禄4年11月5日の曲水宛書簡の中の句には、詞書がつき、
「元禄辛未十月、明照寺李由子宿 当寺この平田に地を移されてより、已に百歳に及ぶとかや。御堂奉加の辞に曰く、『竹樹密に、土石老いたり』と。誠に木立もの古りて殊勝に覚え侍りければ」
とある。句意はそれで読みとれるだろう。
李由子は、芭蕉門の俳人河野通賢で、李由子は俳号。彦根の明照寺住職。