8.1

昔過ぎてストーリー全く思い出せない本達の1つ。
さて、タイムスリップしましょうかと読み始めると短編小説が4作入ったものでした。

そしてなんと驚くことに、2作はオチを覚えていました……w
これってこんな感じだったかな、と予想した方へ物語が進むという、にわか作家気分。とはならず、意外と覚えているものだね、とw

特に、最後のジェットコースターという物語については鮮明に覚えていた。そのくらい強烈で残酷だったから。

山田ワールドにどっぷり浸ったことのある人、
いや、小説の世界にのめり込んだことのある人なら思ったことがあるのだろうか。

これはフィクションじゃないんじゃないか。と。

ありえない事はわかっている。絶対にフィクション。作り話。創作物。
でもこんなトンデモ設定、どんな脳みそで思いつくのだろうか。

実は、国のトップシークレットとして、本当にごく一部の人だけが知る世界があるのではないか。
一般庶民には知られてはならない、真っ当な者達にも悟られてはならない、極秘遊戯として誰かがやっている……?

もしくは、前世の記憶だったり、タイムスリップの能力がある人が違う時代や国の話を覗き見して書いているのではないか……?

現代はインターネット時代。広い広いインターネットの海に溺れる我々は、そこにある情報が全てだと思い込んでいないだろうか。
インターネットのなかった時代には知り得なかったことも、画面をタップすれば表示される。

誰かが意思を持って編集したかもしれない、世界規模で隠蔽すべく投稿できるものに改変されたかもしれない情報を見て、知った気になる。
情報が出なければ人間は知れるまで追うけれど、知った気になればそれが正解だと片付けてしまう。

そうして、我々は知らぬ間にごく一部の世界で生きているのではないか?
いや、そんなことを知らないのは私だけなのかもしれない。


こんな風に頭がおかしくなりそうなループに落とし込まれてしまうのが山田ワールドの難点であり、魅力だ。
退屈な日常に飽きたら読むべし、気が付かれている時には触れてはならない。

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