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トビリシ🇬🇪(ジョージア国)での献血ガイド:在留邦人の皆様へ


はじめに

ジョージアでは、輸血用の血液が常に不足しています。

先週末、私の友人が交通事故に遭い、緊急輸血が必要になりました。

↓当時のポスト
※現在は緊急輸血の必要はなくなりました。ありがとうございました。


彼はAB型Rh+という血液型でしたが、
トビリシ市内の病院にはこの血液型の在庫がなく、
やむを得ず別の血液型の血液が使われました。

医師によれば、
やはり完全に一致する血液型の輸血が回復に最も効果的だそうです。

友人の事故は、原付バイクでバスを避けようとした際に起き、
電柱に衝突してしまいました。

肝臓や背骨、肺に深刻な損傷を負い、
多量の出血が原因で一刻を争う輸血が必要でした。

トビリシ市内の交通事情は非常に危険です。
タクシーにはシートベルトがない、
もしくは壊れていることも珍しくありません。

公共交通機関のバスでも、急ブレーキで転倒し、
怪我をした邦人の方が何人もいます。

どれほど注意を払っていても、
事故に遭うリスクは避けられません。

私の友人は、
皆様のおかげで一命を取り留めました。

しかし
今日も誰かがこの血液在庫不足のジョージアで
血液を必要としているのです。

あなたの献血が、
ダイレクトに誰かの命を救うことに繋がります。


献血への協力

友人のために献血を呼びかけたところ、
1週間で900人以上が献血集めのチャットに参加し、

友人のための献血用テレグラムグループ



その1週間だけでも
トビリシとバトゥミで
40名以上の方が
AB+という希少な血液型の献血に協力してくれました。

しかし、
献血を申し出た全ての人が
実際に献血できたわけではありません。

規定により、
献血できない方も多くいたのです。

この経験を通じて、
どの血液型であっても、
日頃から献血に協力しておくことの大切さを痛感しました。

(実際に、友人のために集まったAB+型以外の血液は、
現在、別の輸血を必要としている患者さん達に使われているとのことです)

ジョージアでは
どの血液型も慢性的に不足しているのが現状です。

今回、多くの方が献血に関心を持ってくださったことを受け、
この国での献血の協力方法についてガイドラインをまとめました。

もちろん、これらはジョージアでの規定なので
健康上の理由や事前の食事などについては、
日本の献血基準も参考にしていただき
ご自身の無理のない範囲で行ってくださいね。

https://www.jrc.or.jp/donation/

なお、ジョージアの献血ルーム(通称:血液バンク)ではジョージア語がわからなくても、
英語やロシア語で対応してもらえます。

献血の準備と手順

ジョージアにて
献血に参加する前に以下の点を確認してください。

1. 献血前の準備

  • 体重:女性は55kg以上、男性は65kg以上であることが必要です。

  • 健康状態:抗うつ薬や他の薬を服用していないこと、最近歯科手術を受けていないこと(3ヶ月以内は不可)など、制限事項がいくつかあります。

具体的には下記の通りです。

以下の条件に該当する場合、献血はできません:

  • 体重が女性55kg未満、男性65kg未満

  • 現在生理中である

  • ヘモグロビン値が低い(現場で測定されます)

  • 過去3ヶ月以内に歯科手術(クリーニングを除く)を受けた

  • 過去1年以内に流産や妊娠をした

  • 体調不良(風邪などを含む)

  • 鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)を服用している

  • 抗うつ薬を服用している

  • 慢性疾患がある

  • 献血前48時間以内のアルコール摂取


このような問診票が配られるor口頭で問診があります。

2. 献血当日の持ち物

当日は以下のものを必ず持参してください。

  • パスポート:オリジナルのパスポートを持参してください。もし原本がない場合、コピーや写真でも可能です。

3. 献血当日の注意点

献血する日の朝には必ず軽めの朝食を摂るようにしてください。
現地人おすすめの献血用朝食メニューは以下の通りです。

  • 軽い朝食:水で作ったおかゆ、白パン、牛乳を使わない甘いお茶など。

※油っぽいものや、乳製品は
献血予定日の前日から避けた方が良いようです。

4. 献血場所と行き方

献血は以下の場所で行うことができます。地図リンクを参考に、場所までのルートを確認してください。

スーパーマーケット「ニコラ」の左側に入口があります。赤い看板が目印。

※ディゴミにも献血ルームがありますが、今回はサブルタロ支店のみ紹介します。
理由:アクセスしやすい&血液型検査が即時(ディゴミは後日or知らされず)のため。

5. 献血の際に必要なこと

もし献血した血液を特定の方への輸血を希望する場合は、受付で次の2点を必ず伝えるようにしましょう。

  1. 輸血を受ける方の氏名

  2. 輸血を受ける方が入院している病院名


6. 献血の流れ

  1. 問診
    (手術歴/歯医者の通院歴/女性の場合生理から何日経っているか/朝食を食べたか/最終献血はいつか/献血によって体調を崩したことはあるか、連絡先の電話番号…など。また、ここで必要であれば体重測定があります)

  2. 血液検査(献血に必要な数値に達しているか検査)

  3. 血圧測定

  4. 採血(450mlのパックに採血されます。実際の採血量は人によって400ml前後)

  5. 止血後、待合室で少し休憩。運が良ければチョコをもらえることも。

血液型/Rh±が分からない場合は?

  • サブルタロの献血ルームでは、
    献血前に検査があり、すぐわかります。

なお、ジョージアでは

O型→第1グループ(pirveli jgupi)
A型→第2グループ(meore jgupi)
B型→第3グループ(mesame jgupi)
AB型→第4グループ(meotkhe jgupi)

と表現されることもあります。

Rhプラス→plusi
Rhマイナス→minusi

なので、
O型Rh+は口頭では「pirveli jgupi plusi(第1グループ、プラス)」と言われることもあります。


おわりに

この度の皆様の協力に心から感謝いたします。

この度の友人の事故で
献血は、一人ひとりの小さな行動が多くの命を救う大きな力となることを、身を持って体験しました。

日本でも献血は重要とされていますが
ここ、ジョージアにおいてはさらに、
誰かの命を直接的に助けることとなる重要な活動です。

ぜひ、協力できる方は
献血に行ってみてください。


私も今回、誰かのためにO+型の血液を提供してきました!

この記事が、
在留邦人の皆様にとって役立つガイドとなり、
ジョージアでの献血に協力していただけるきっかけになれば幸いです。

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