絵本レビュー『こねこのチョコレート』
『こねこのチョコレート』こぐま社
B・K・ウィルソン 作 小林いづみ 訳 大社玲子 絵
図書館の絵本コーナーの、目立つ場所に置かれていたので借りてみました。
作者はイギリス生まれで、シドニー在住のようです。
イギリスのお話なのかなぁ。
絵は日本の方が描いていますね。
<あらすじ>
4歳の女の子ジェニーが、3歳になる弟クリストファーのお誕生日プレゼントに、持っていた100円玉で、こねこの形をしたチョコレート(8個入りの箱)を買います。
箱には飼い猫のティブルが小さかったときのような、子猫の絵が描いてありました。
お誕生日は翌日なので、ジェニーはチョコレートを自分の部屋のたんすに隠しておきます。
でも、その晩チョコレートが気になって、ジェニーは眠れません。
そして、ベッドを抜け出し、チョコレートを一つ食べてしまいます。
それが一つでは済まず、2個、3個…、とうとう8個全部食べてしまいました(>_<)
そして次の日、ジェニーはお母さんに促されてクリストファーにチョコレート(の箱)を渡しますが、中は空っぽ。
クリストファーはがっかり。お母さんはびっくり。おばあちゃんに、ジェニーのおなかの中にあるよと指摘され、ジェニーは恥ずかしさと申し訳なさで「ごめんなさい」とシクシク。
でも、お父さんが言うんです。飼い猫のティブルもプレゼントをくれたよと!
お父さんについて行ってみると、ティブルが三匹の子猫を生んでいました!
クリストファーは、チョコレートより本物の子猫のほうがずっといい!と大喜び。
お母さんもにっこり、ジェニーもホッ。よかったよかった。
こんなお話です。
ちなみに…これいつ頃のお話なのかな?100円玉(と訳されてましたが、イギリスだとしたら1ポンド硬貨…?)1枚で8個入りの箱のチョコレートが買えるってちょっと違和感ですよね。
調べたら1980年頃は1ポンド=500円くらいだったみたいなので、もしかしたらその頃なのかしら。
(なお絵本の初版は2004年とあります)
そして4歳で、一人でお部屋のベッドで寝るってさすが欧米ですね。なんてとこにも目が行きました。
それはともかく。
いや~よかったよー、ジェニー救われたね~。
いくらなんでも、8個全部食べちゃうなんてアナタ。汗
でも4歳なら仕方ないのかなぁ。挿絵だと、二人とももう少し大きい子に見えるのもあって、目線が厳しくなってしまうのかしら(^_^;)
しかもベッドに入った後に…チョコレートを…8個…(-_-;)
お母さん真っ青だよーー。虫歯、虫歯!笑
でももちろん、ジェニーもいけないことだとわかってる。
それをする時にする
「ひとつくらい たべたって、クリストファーは、気にしないとおもうな」
という、自分への言いわけ。
そしてしてしまった後の後悔。
それらは誰でも経験したことがあるんじゃないでしょうか。
ジェニーに感情移入するからこそ途中で「えーどうすんのさ、ジェニー💦」とそわそわしてしまいます。
でも最後に救いがあってよかった。こねこの形をしたチョコレートが、ティブルの産んだ3匹の子猫とリンクするんですね^^
最後のシーンは、ティブルと子猫をを明るい光が照らし、家族が集まった幸せな台所の絵で終わります。
そしてお母さんも、失敗したジェニーに優しい(涙)。
このことでジェーンも成長するのでしょうね。
まだ4歳だもんね。笑
ちょっとハラハラした後に、ホッとするお話でした。
読んでみてくださいね。