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#3 ポシュロウのはじまり
ポシュロウのはじまりは、社内のビジネスデザインコンテストでした。
ビジネスデザインコンテスト自体の詳細はまた、それらを運営、支援してくださっている部門の方々にも詳しくお話を聞く場を別途つくることで説明できればと思いますが、超平たくいうと、実際に会社としての事業化を視野に、新規事業を社員からアイデアを募り、コンテストをしようというものです。
その企画が発表されたのは、私が入社をして3ヵ月ほどたったころの2021年の年末ごろでした。まだまだオンボードタイミングでインプットが多かった私にとっては、これがとてもありがたいアウトプットの場で。
当時はあまり深く考えず、新しい組織でアジャストしていくうえでも良い機会になりそうだという軽い気持ちでエントリーすること自体を決めました。
結果的にこのコンテストで最優秀をいただいて事業化に向け動き出すわけですが、
素晴らしいアイデアが具体的に最初からあったわけではありません。
どうしようかと、アイデアをつむぐ中で、
そもそも、自分自身のパーパスに立ち返って考えてみると、
私個人の社内での大きなミッションは、社内のダイバーシティ&インクルージョンを推進することあり、
また、前職の経験を活かした社内の障害者雇用の推進も期待値としてもありました。
なので、
コンテストでは障害者雇用に関わるアイデアを発表して、
それに対して会社がチャレンジする事ができれば、社内の障害者雇用も進むのではないかと漠然としたイメージが湧いてきたのです。
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“社会の前に、社内から”
どういうことかというと、
弊社がというわけではなく、企業の中で障害者雇用を進めようとしたときに、よく最初に出会うのが、「知識がないからできない」「障害のことがわからないから難しい」というリアクションで。
でもだからといって、自分たちから積極的に学びにいったり、そのために何か行動をしたりするという事も、それぞれの背景の中で難しく、なかなか障害者雇用が進まない状況も多く見てきました。
だから、自分たちでそのようなソリューションを持ったり、「自分も何か応援できることがあるかも」と思ってもらえるようなサービスにすることができれば、
少なくとも「知らない」とは言えないし、そこに向き合う時間も生まれ、
小さくとも何かが変わっていくきっかけになるのではないかと思ったのです。
じゃあ、そういった領域の中で具体的に何をするかを考えた時に、次に立てた問いが、「サービスをつくるうえでの、自分の強みは何か」です。
強み、弱みは表裏一体であり、もっと言うとどんな物差しで測るかによっても大きく変わっていくものかも知れませんが、
私にとって強みになりそうだと思ったのは、
障害福祉の領域における一定の経験と、その中で出会った仲間がいるということでした。
そしてこれがアイデアを具体化するうえでの、大きなヒントになります。
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“原体験から生まれたポシュロウの種”
ポシュロウに繋がる、私の原体験がふたつあります。
一つは、
就労移行支援事業にて支援をさせていただいた時に出会った、見学に来られる方とのエピソードです。
見学に来られた方は本当に様々な方がいて、
それぞれご状況を伺ったり、サービスの内容や仕組みについて説明させていただいたり、少し体験をしたりして、利用の検討をしていただくのですが、
中には「1~2か月以内には就職をしたい」という方や、「実は今バイトをしていて辞められないが、ちゃんと社員として働きたい」というような方もいます。
しかしながら、福祉サービスは利用できるようになるまでに数週間~1ヵ月程度かかる場合が多く(*個人の状況で差はあり)希望に合わなかったり、
また、アルバイト等は就労しているという判断になるため、就労移行支援を利用できないケースもありました。(*例外も一部あり)
そのように、ニーズや困り感があり、就労移行で得られる情報やできる準備に魅力は感じていたとしても、
ご家庭の状況や、利用を申請する自治体の判断によって利用に至らない方がいたのです。
もう一つは、
障害者雇用専門の人材紹介のサービスに関わっていた時に出会った求職者の方々とのエピソードです。
人材紹介のサービスではそのご状況やご希望を伺い、合いそうな求人を紹介させていただいたり、必要に応じて書類作成の相談や、面接の練習をしたりもするのですが、
当然ながら応募前後の伴走をメインとするため、多くの方へできることは希望にあった求人を紹介するのみで、
それ以外の情報や支援が必要な方に対して、私の力不足もあり、本来必要なサポートがしきれず、ご本人も自力でなんとか情報収集をするも、なかなか準備性が高められず、うまくいかないという、もどかしい思いをしたことがありました。
つまりは、就労移行支援などの制度の中でサポートできる枠組みと、求人案内など、企業が展開するサービスの枠組みの間で、サポートを届けることができていない方々がいたのではないか、ということです。
そこで閃いたのが、
「動画等をベースとして、就労に向けた学習や情報収集がいつでもどこでも、誰でも、自分のタイミングでできるWEBサービス」をつくることができれば、そういった方々の就労の一助になるのではないかというアイデアです。
もう少し詳しく話すと、
現在、世の中には、経営や、英語、プログラミング、デザインなど就労において、さらなるスキルアップを目指すための、オンライン学習系のサービスが豊富にありますが、
例えば、そもそも働き方ってどんなものがあるのか?とか、そもそも就活ってどんな準備が必要なのか?とか、そもそも自分って何がしたいのか?など、
自分に合った就労を考えていくためのベースとなるような、選択肢やアイデアに触れられるものは、まだまだ社会に多く存在するとは言い切れません。
厳密にいうと探せばもちろん情報としてはありますが、情報が散らばっていて、けっこう探すのが大変だったり、少し難しい内容でキャッチアップしづらいものもあり、「手軽さ」や「わかりやすさ」のあるアウトプットは、少ないと感じています。
さらに、私には、熱い思いと様々な知見を持った仲間がいます。
そんな人たちと一緒にコンテンツをつくることができれば、
きっと良いもの、面白いものができるのではないかと考えたのです。
実際に当事者である仲間にインタビューをさせて頂いた際も
「障害者雇用に関する情報は、就労移行に行って初めて知れた」
「求人情報は見つかっても、どう何を準備すれば良いかわからなかった」
「働いてからも、スキルだけでなく、自己理解やセルフケアのための情報がほしい」
というご意見もいただき、アイデアの可能性を感じました。
“まずは自分がちゃんと楽しめるように”
こうしてポシュロウの種となる、アイデアが生まれ、
ありがたいことに、実際にチャレンジをするスタートを切れたわけですが、
ここから当然ながら紆余曲折がまだまだあります。
なんだったら今がまさにそんなタイミングです。
ただひとつ私が今、言えるのは「とっても大変だけど、なんだか楽しい」ということです。
この感覚は引き続き大切にしたいと思っています。
なぜなら、作り手が楽しくないものに触れても楽しくないだろうから。
苦しい辛い顔をして差し出される何かより、楽しみながら生まれた何かに、私は触れたいからです。
だけれども、そんな触れられる芽が種から出るのはまだまだ先の話。
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