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「アイデアをひらめくAIクマ🐻」で、人間がひらめく

Xのタイムラインがおもしろすぎて時間が溶けてしまうため、楽しくお勉強できる仕組みで対抗することにしました。

フルオートで珍アイデアを届けてくれる「AIクマちゃん🐻 on X (旧Twitter)」です。

既存製品には存在しない怪しい組み合わせ


これは楽しそう、運動系レジャー施設にありそう


いやソムリエに選んでほしすぎる


論述試験の評価の参考に…とかは割と真面目にアリでは



いかがでしたでしょうか。

なんとも言えないクオリティだったかと思います。
しかし、🐻の本質はアイデアのクオリティではありません。


ひらめき続けるAIクマ🐻

まずは仕様から。

  • 1日2回程度、特定ジャンルにとらわれないアイデアを投稿します
     モデルは Claude 3.5 Sonnet v2 (Amazon Bedrock)
     画像は Stable Image Core (Amazon Bedrock)

  • アイデアは2種類、次のアプローチを用いて考えます
      1. AI活用系アイデア
        アブダクション, SCAMPER法
      2. プロダクト発明系アイデア
        複合連結型発想法(もどき), 逆設定法

  • どう考えたのか?も教えてくれます

  • 上記を実装した Lambda を EventBridge で定刻トリガーしています


アイデアはイマイチ…ですが、「着目した課題」および「原因の仮説推論」はなかなかユニークです。



なぜ「人間のひらめき」に繋がるの?

では、タイトルの回収をしていきます。

SSRが引けるかも

まず、最もわかりやすく陳腐な期待です。

🐻が生成するアイデアの多くが「うーん…」ですが、諦めずにガチャればそのうちSSR(大当たり)が出るかもしれません。

ということで、レアリティを定義し、生成されたアイデアをラベリングすることにしました。

N: ノーマル
  ありきたり もしくは 意味不明
R: レア
  アイデアは微妙だが、何かしらの新鮮さはある
SR: スーパーレア
  実現可能性が謎だが、面白い
SSR: ダブルスーパーレア
  素晴らしい

現状、N=60%, R=35%, SR=5% といったところでしょうか。安定してSR以上を出せるよう、継続的にプロンプト改善しています。

※Claude 3.5 Sonnet v1 -> v2 に更新してから明らかに良案が増えました。別記事で検証していますのでよろしければご参照ください。



「自覚できる効果」があるかも

次に、やや本質的な期待です。

次のような「自覚できる効果」があればラッキーです。実際、私も何度か体験しました。

  • 珍妙なアイデアが刺激となって、何かと結びつく
    「この考え方は○○に使えるんじゃ‥?」といった具合です。日頃「寿司」のことを考えていた人が「ベルトコンベア」を見て「回転寿司」をひらめいたのは有名な話です。これが来たら忘れないうちにメモします。

  • これまで興味の無かったコト・モノへの関心が生まれる
    「塩田」「高層階の窓拭き」など、日頃の関心から遠い分野との出会いも提供してくれます。また、身近なモノでも、提案されたアイデアを通じて観る・・ことで興味が湧きます。これらは「センスを磨く」きっかけとなるかもしれません。

perplexityより一部抜粋。「センスは知識からはじまる」という名著もあります。
とりあえず「分類を意図したクリップってあるの?」は調べましたね。
クリップの"見る目"が少し発達した気がします。



ひらめきは「無」から生まれないらしい

よく「降りてきた」などと言われるひらめきですが、それは「無」から生まれたものではなく、その人が積み重ねた経験や知識が組み合わさって導き出されたもの、という見方があります。

ひらめきの過程を捉えることができないため「無」から突如生まれたように感じてしまう、というものです。


AIクマちゃん🐻はそのひらめきの「種」をフルオートで蒔いてしまおう、という発想です。


🐻の最大の特徴は「アイデアを考えよう」「インプット学習しよう」という人間依存のアクションがなくとも、ニュースのようにアイデアを届けてくれるところにあります。

雑多な情報のひとつとして提案されたアイデアを見たとき、数秒で「全然ダメ」とか「ちょっと新鮮」のような大雑把な評価をすると思います。

それで十分ということにします。気楽に考えます。

「怠けがちな意識」が評価のプロセスを言語化しなかったとしても、あとは「無意識」に任せてしまいます。いつか勝手に取り出して、勝手に何かと結びつけて、「ひらめき」を与えてくれるのを待ちます。

まぁしらんけど


そんなこんなで、🐻を作るきっかけを与えてくれた書籍から一部抜粋です。

〜〜注記: ひらめきに関する「パズルを用いた実験」の文脈です

失敗を通して徐々に学習が進んでいるのに、どうしてそのことに気付けないのだろうか。それは意識の働きがとても鈍いから、つまり「ボンクラ」だからなのだ。ある配置がどの程度よいかを意識的に捉えようとしても、「全然ダメ」、「まあまあよかった」、「これがいい」という程度のきわめて大雑把な評価しかできない。
(中略)
意識がボンクラだとすれば、試行を重ねる中での学習は何が支えているのだろうか。それは無意識としか考えようがない。

〜〜注記: 勿論ここから仮説検証がなされますが、長くなりすぎるため割愛

鈴木宏昭 著「私たちはどう学んでいるのか」ちくまプリマー新書. 第5章より



おわりに

さて、作りたてAIクマちゃん🐻のフォロワーは現在ゼロ人です。
(追記: 数名の方にフォローいただいています。励みになります…感謝!!)

「フォロワーがいない=価値が無い」は時に正しく悲しいSNSにおけるソーシャルプルーフですが、本記事に何らかの気づきがあったり、多少でも共感いただけた方は「スキ」やフォローしてくださると大変嬉しいです!

🐻からの提案がほんの少しでも皆様の刺激になればと思います。


参考になる記事

アイデアは既存の要素の組み合わせ


アイデアを考えるのが楽しくなる素敵な記事


ぜひ「動物キャラクターの言語学」まで辿り着いていただきたいクマ!


以上です。それではまた。


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