Jacob Wilsonについて書いてみる
選手紹介
昨日、遂に念願のオークランド・コロシアムに行って参りました。その観戦記も絶対いつか書きますが、自分のユニフォームにサインしてくれた昨年のドラフト1巡目指名のジェイコブ・ウィルソンについてどうしても書きたくなったのでそちらを優先します。
まず、選手紹介ですが、ウィルソンは2023年のドラフト全体6位(1巡目)指名で公式のOAKプロスペクトランキングでは1位となっている、紛れもないトッププロスペクトのSSです。運河さんもnoteに書いている通り、ウィルソンはヒット性の当たりを打つのが上手い選手で、AAでは0.455、AAAでは0.395と圧倒的な打率を記録し、MLBに昇格しました。
個人的な見解ですが、フロアは2020年にOAKに所属していたトミー・ラステラ、シーリングはSSのイチローとも言えるぐらいの逸材だと思います。以下MLBでのウィルソンの現状と今後について自分なりに分析してみました。
①打撃面
①ポジティブ要素
まず、なんと言ってっもフォーシームへの対応力でしょう。
対フォーシーム打率は驚異の0.385を記録しており、MLBでの適応の鍵となる部分を簡単にクリアしています。
また、savantのトップを見ると空振りが少なく打球を芯で捉えることのできる彼の長所がMLBで発揮できている他に、意外と選球眼も絶望的ではありません。
Chase %(ボール球を振った率)は30.7 %と平均を下回るものの、特に悪い数値ではなく、むしろこの手のバッターにしてはいい数字だと言えます。イチローも早打ちのイメージはありますが、この数値は非常に高かったのでこれから伸ばして欲しい部分でもあります。
②課題
しかし一方で現状のwRC +は76と芳しくはありません。その大きな原因としてはシンカーとスライダーへの対応が挙げられます。MLBではこの2球種が半分を超えてWilsonに使用されています。
実際ウィルソンはこの2球種を明確に苦手にしています。
上記の表を見ると、スライダーは打球速度、シンカーは角度をつけることができていないことがわかります。このため、この2球種の期待値指標も平均を大きく下回る結果となっています。また、この傾向はマイナーの成績にも出ているため、今のウィルソンはマイナーでのデータを基に弱点を攻めれている状態だと推測できます。
③今後の展望
ではこの特定球種を苦手としているウィルソンの現状は大きく悲観すべき状況なのでしょうか?
昨年ウィルソンと同じく同球種を苦手としていたルーキーが今年どれくらいxw OBAを伸ばしたかグラフにまとめてみました。結果昨年よりも数値を上昇させた選手が多く、ウィルソンもこの弱点を克服できる可能性は非常に高いと思います。
②守備面
①課題
打撃はこれから伸びる要素が多いウィルソンですが守備面では若干の不安が付きまといます。守備指標を確認すると、DRSは−4、OAAはー2と小サンプルながらマイナスを記録しています。
原因は守備範囲rPMでのマイナスにあり、このマイナスが継続的に出るかどうかは注視していく必要があると考えられます。
②ポジティブ要素
しかしウィルソンの守備には光明も見えています。特筆すべきは肩の強さです。
ウィルソンのMAXの送球スピードは94.9マイルで、これは、SSで50回以上送球している選手で見ると60人中12位にランクインします。
MAXの送球スピードと平均の送球スピードの相関係数は0.90であり、ウィルソンの肩の強さが今後大きな長所となっていく可能性は極めて高いです。
おわりに
今はMLBの壁にぶつかっているウィルソンですが、必ずこの壁を越えてくるであろうと僕は信じています。実際あった時のウィルソンは笑顔で自分にサインしてくれ、現地のファンの評判もすこぶる良かったです。かくいう僕も何か声をかけようとしましたが、彼の圧倒的オーラにただデレデレするしかありませんでした。この記事をきっかけにウィルソンを少しでも知って、よければ一緒に応援していただければ嬉しいです。