リップスラーが楽にできるようになる裏ワザ

金管楽器は唇を振動させて音を出します。楽器の操作でも多少は音の高さを変えられますが、その構造上、唇が発した音のよりも上の音は出せません。振動する唇の面積や口の中の開き具合などで音程が変わるため、自由自在に楽器を演奏できるようにするためには唇の柔軟性が重要なカギを握ります。

タンギングをせず、唇だけで音程を変えるテクニックはリップスラーと呼ばれます。各楽器のエチュードにはリップスラーを習得するための練習曲が数多く紹介されていますが、なかなかうまくできないという方も多いのではないでしょうか。そこで、リップスラーが自由自在にできるようになるためのコツを伝授します。

リップスラーのポイントは舌

私は東京の某音楽大学でトロンボーンを専攻し、N響に長年在籍していたトロンボーン奏者に師事していました。学生の頃、なかなかリップスラーがうまくできなかった私は、先生にどうやったらうまくなれるか尋ねました。すると彼の答えは「舌なんだよね、舌」ということでした。彼は天才型の奏者で、自然に技術を習得してしまうタイプのため、言葉ではうまく説明できなかったようです。。。

その後、私は自分で研究を重ね、舌の位置がリップスラーに影響することがわかりました。音程は唇だけでなく、口の中の状態にも影響されるのです。そして、いくつかのコツがあることがわかりました。

リップスラーのコツ

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