留学記(終)
なんとなく書き始めた留学記、いざ書き始めるといろんなことを思い出して、些細なこともいちいち愛おしいためとりとめがなくなってきてしまいました。そのため今回でいったん終わりとして、また「どうしても残しておきたい!」と思い出した出来事があれば、改めて書いていこうと思います。
イギリス生活も後半に入ると、「そのうち行こう」と思っていたあちこちにようやく行くようになりました。博物館やミュージカルにマーケット、どれもこれも楽しくて、もっともっと早くから行っておけばよかった!と思うものばかり。「美味しくないんでしょ?」とよく聞かれるイギリスのごはんも恋しいものばかりです。パブで日曜日に食べられるロースト、チェーンのベーカリーカフェGAIL'sのシナモンバン、ブライトンのハンバーガー、ハムステッドのクレープ、ブリックレーンのベーグル、人気イタリアンPadellaのパスタ。どれもこれも、なんとか日本に上陸してほしいと心から思います。イギリスにいるときに一番食べたかもしれない、スーパーのTESCOで売られている90ペンスほどのチョコクロワッサンもただただ恋しい。
という感じで食のストレスもほとんど感じず、出会う人にも恵まれ、幸い財布や携帯をすられることもなく、ただただ平和に順風満帆に過ごせた10ヶ月でした。家族や友人に会えなくてさびしい気持ちも当然ありましたが、やがて帰国すれば必ず会えるもの。むしろイギリスで出会った人たちには、帰国したら2度と会えない人がほとんどなのだろうと思うと、そちらの方がつらかったです。そのような出会いがありながら、別の国で普通に暮らしてみる。語学習得が第一義ででなくとも、あれは確実に「留学」だったなと思います。留学って、自由な視点で、気ままなきっかけで、いくつになってもできるもの。それに気づいてしまったので、またいつか、留学したいなと思っています。