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色々あった出産備忘録、破水から緊急帝王切開まで

破水から緊急帝王切開と娘との対面まで。

妊娠中の経過が初期から後期までほぼ全て順調でしたが、いざ出産となった際に入院から出産まで丸3日かかり最終的に緊急帝王切開になり陣痛がきたまま手術台に登るなかなかエキサイティングな出産をしました。

起こったことの性質上仕方ないのですが痛い描写が苦手な方はご注意ください。

※さまざまな時系列がややうろ覚えの部分も多いため、この薬の投与の順番変じゃない?等思っても流してください。

8/3 (土曜)破水からの入院

この日の昼間は育児部屋にする予定の部屋を片付け、カーテンを洗ったり掃除機をかけたりとちょこちょこと作業。

熱中症対策のため涼しくなるのを待ってから犬散歩をしているため、21時頃に夫と犬と共に外へ。
家から徒歩5分程度のところで突然股から流れ出る暖かいものを感じ、ついに尿漏れか?破水じゃあるまいなと思いつつ散歩を切り上げて帰宅。

すぐさまトイレに駆け込んだもののほぼ無臭で透明な液体が流れ出てくる&自分の意思で止められないため破水を覚悟する。

夫に破水の可能性を伝えすぐさま入院予定の病院にも電話、入院のために準備していた様々な物をバッグやカートに大急ぎで詰める。
(散歩から帰ってきたらパッキングしようと思い陣痛バッグと入院バッグに入れるものをカゴに仕分けて部屋に置いてあった。ただ詰めるだけで済んだのはラッキーだった)

入院になったら何日も飼い犬に会えないと思ったので抱きしめて行ってきますと伝え出発。

夫の運転で病院に到着、夜間の緊急入口から警備員さんの先導で産婦人科病棟へ向かう、検温の後処置室へ移動する。

妊娠中に読んだ漫画の『コウノドリ』で「これは尿漏れですね、帰宅して大丈夫ですよ」的な展開があったため、もしかして…と思ったものの「破水ですね、このまま入院です」と告げられる。

病院支給のでっかい産褥パッド(折りたたみの座布団みたいな大きさ)を付けて陣痛室に移動、陣痛室は4床あったけど誰もおらず少し気楽になる。
病棟のロビーで待機していた夫が荷物を持ってきてくれる、予定日より約10日早く始まったお産と入院に冷静に対応してくれてありがたい。
すぐにお産が進むわけでは無さそうだし犬も心配なので夫にはいったん帰宅してもらう。

その後も羊水がどんどん出てくる、大きな産褥パッドがすぐに許容量を越えるほどの羊水が流れ出るので時々お手洗いに行きパッドを替え続ける夜を過ごす。
お腹にベルトで固定する胎動モニターをつけているためお手洗いはナースコール必須、仕方ないことだけどお手数かけます…と思いながらトイレに行く。

こんなに羊水が流れ出てお腹の赤ちゃんは大丈夫なのかと心配になるけど、モニター上はまったく心拍数も落ちず胎動も相変わらず激しいままなのでひとまず安心。

8/4 (日曜日)まだ余裕こいてた日

細切れに睡眠を取りつつ朝を迎える。

8時半頃に先生の診察、2日前の検診の時点で2センチほど開いていたけど破水の後も変化が無いため子宮口がやわらかくなる薬と陣痛誘発剤の投与が始まる。
すぐに薬が効くわけではないので午前中はまだ余裕をこいており、iPadで超次元女子会を読んだり見舞いに来てくれた姉と喋ったりとゆっくり過ごす。

13時頃から定期的な張りと痛みが始まる。
陣痛って来ればわかると聞いていたけど本当にそうだった。
痛いけどお昼ご飯を食べる。

夫が面会に来てくれる。

15時頃陣痛として計測開始
概ね6分間隔から5分間隔に

子宮口をやわらかくする薬は効いてるものの、子宮口の変化は2センチから3センチ、ほぼ開かず。
妊娠中羊水が多めでウエストが40センチ近く増えたことと肋間神経痛に半年悩まされたこと以外はほぼあらゆる経過が順調だったのに子宮口だけはかたくななの何?と思いながら過ごす。
今日は生まれる可能性は低いと言われてしょんぼり。

この日に病院食でおやつが出ることを知る。

めちゃくちゃしんどいのでタブレットで漫画を読んで気を紛らわす。
(まだ漫画を読む余裕が残ってるとも言える)
コウノドリを読もうと思ってたけどゴールデンカムイを読む、なんとなく闘志を高めようとしていた。

立ち上がった拍子に病院のパジャマを破いて平謝り、生地が薄くなってるのも多いから気にしないでーと言われる。

陣痛はほぼ遠のく。

この日の夜のことはあまり覚えていない。
 
8/5 (月曜)お産の進まなさに焦りを覚えた日

明け方に起きたらドカ食い大好きもちづきさんが更新されてたので読む。

心電図やレントゲンを撮るために病院内を歩く、外来の人がたくさんいる中淡いピンクのパジャマなのが少し照れ臭い。
胎児がしっかり骨盤を通れるかどうかのレントゲンを撮る。

10時半頃から保険適応外の薬(プロぺウス)を膣内に投与、それに従い禁飲食になる。
普段から水分補給しまくってるのでふとした合間に水を飲んだりできないのが辛い。
うがいをしたり口をゆすいだりして口内を潤す。

陣痛が2分間隔まで来るけど子宮口は開かず進まないなぁとやきもき。

昼頃にすごいスピード出産の人が現れる。

カーテン越しにお産が爆速で進んでいくのが全部聞こえてきて、人それぞれだと思うけど私は進まないのにって気持ちになってきて少しメンタルが陰る。
助産師さんに「あの人は本当に稀に見るスピードだから、あのテンポで進む人正直初めて見るし、人それぞれだから本当に気にしないようにね」としっかりめに説得される。

カーテン越しではあったけど昼前に陣痛室に入り、夜18時頃に分娩室に移動し、出産を終えて陣痛室に戻り夕食を食べ、病室に移動して行く気配を感じた。
あまりのスピード感に
「どうしてあの人はお産が進んだのに私は…」という気分に浸るのを通り越して
「ここまでスピーディーだと本人もご家族も心の準備が追いついて無くてそれはそれで大変だろうな…」と冷静になる。
昼ごはんの時間帯には妊婦だったのに夕飯の頃には母親になってるんだ、大変なことだ。

夕方になって腰と尻が爆裂に痛くなる、ほぼ寝たきりなので腰痛も上乗せされてる気がする。

陣痛の痛みをどうにか夫に伝えようと色々例えを考えてたけど『トゲトゲのついたモンキーレンチで体を挟まれて、さらにそれを乱暴な鬼に雑に掴まれているような感じの痛み』にまとまる。

陣痛が来てる間はひたすら痛みに耐えつつ息を長く吐くことしかできない。
およそ1分間で陣痛は去るためベッドの柵を掴んで数を数えてやり過ごす。

収まってくると「お〜!!陣痛!アクセル全開、インド人を右に!」みたいなくだらないことを考える余裕も生まれる。

午前中に投与していた薬を膣内から撤去する処置をしてともらう、撤去するとお産が進む人がいるらしい。
撤去後も薬が効いているため陣痛は続行。

5分間隔だったのが深夜になるにつれて6分
8分と長くなっていき、明け方あたりで9分間隔くらいになるものの夜通し陣痛に苦しむ
陣痛の合間に強烈な眠気に襲われて寝落ち(気絶?)しっかり夢まで見る。

見た夢

・病室に入る際に組み分け帽子を被らされる。
私は何故か「学研の図鑑!」と言われて「図鑑かぁ…」と思った。

・陣痛室が満床になりバタつく

・カーテンの上からグリフィンドールの旗が見える夢(何故かハリーポッター関係の夢が多い)

ハッ!と目が覚めて室内に誰もいない…ということを繰り返す。

8/6 ついに事態が動いた日

気絶のような睡眠と陣痛に苦しんだままどうにか朝になる。
全然寝れてないはずなのに何故か寝不足の時に感じる喉の奥がヒリついた感覚が全くなく「なんかちゃんと寝れたような気分」だけが残る(完全に勘違い)

陣痛に苦しもうが朝ごはんは届く。
メンタルが安定してないのか高揚していたのかわからないけど、「苦しい時に食べられる人は強い、食を諦めてはいけない…そうだよねライオス…」と謎の使命感にかられており食べられるものだけ食べる(ヨーグルトとか)

この日も点滴による陣痛促進剤を続行。

9時頃、破水から時間が経ったことと子宮口の変化が無いことを含め今後どうするかを先生達が検討する。

陣痛が来てる状態で内診される人生でもかなり上位の苦しい状態になる、内診されてる間助産師さん達が優しく肩や足に手を添えてくれていた。

しかしこの状況でも子の心拍数と胎動はまったく落ちずに元気いっぱい、助産師さんが「ママのお腹が居心地いいんだね」と和ませてくれる。

このままでは赤ちゃんが危険です!緊急帝王切開!みたいな雰囲気ではないけど感染症のリスクが上がっていることやお産が進んでないことが明言され、妊娠経過の中ではかなり可能性が低かった帝王切開の可能性が高まる。

9時頃にいったん出社していた夫に仕事を抜けて来てもらう。
 
10時半頃に医師から緊急帝王切開を提案するがご自身はどうしたいかと聞き取りが入る、陣痛に苦しみつつ自然分娩にこだわりはないのでお願いします!と答える。
これは本心でどっちからでも産まれればヨシと思ってたしもう区切りが欲しかったので帝王切開の言葉が出た時は正直ホッとした。

手術室の空きを確認してから決定になるので早くて夕方かもしれないと言われる、夕方…と思ったけどそれでも具体的に時間帯が見えてきて安心する。

分娩停止により緊急帝王切開に切り替えということでここでやっと陣痛促進剤の投与がストップ、ただストップしてすぐ陣痛がおさまるわけではないのでまだまだ痛みに耐える。

もちろんこの間も6分間隔くらいで陣痛が来てる。

助産師さんが◯◯さん、本当に頑張ったよ、よく頑張った、全部体験してるもんね、と言いながら足をさすってくれて、その一言で一晩の苦しみがかなり報われる。

12時頃(たぶん)に、14時から手術になりましたと告げられる、夕方まで耐える覚悟が決まってたので嬉しい。

陣痛に耐えつつも日課であるオモコロ特集を読む、ざわさんの記事おもしれ〜。

助産師さんに手術室にはスマホやデジカメを持ち込めないのでもし良かったら写ルンですを買ってきてくださいと言われる。
夫に頼んで病院の売店で買ってきてもらう。
2300円もした。
うん、高いわね。

産後の部屋をどうするかと聞かれてこの数日の消耗と物音で目覚める感じが向こう一週間以上続くのは厳しいと判断して個室に入りたいと伝える。
個室代は安くないけど人生単位で見たら絶対必要な出費だと思った(のちに大正解だったと知る)

13時頃、陣痛室から直接手術室に向かうのかと思ったら先に個室に荷物とか移動しちゃいましょうと言われ夫に荷物をまとめてもらい徒歩で移動。
手術開始が14時、13時50分に車椅子で迎えに来るので待っててくださいと言われる。

過去に2回手術を受けたことがあり、その時に徒歩で手術室に行ったため、今回もなんとなく自力で行くのかなと思ってたのでお迎えが来てくれるなんてすごい!と興奮。

術後は安静にしてないといけないし今のタイミングを逃したらやばいと思いトイレに籠城。
トイレの個室を占有できる点ですでに個室にして良かったとしみじみ思う。
何がとは言わないけど無事に腸内がスッキリしたのでこれで心おきなく手術台に登れるわと爽快な気持ちでトイレから出ると迎えの車椅子が到着。

点滴棒をしっかり持っていて!と言われてそこそこのスピードで手術室に移動、陣痛に苦しみながら点滴棒握って病棟内を移送される妊婦ってハタから見たらコメディ寄りだな…とどこか冷静になる。
ドラマだとコウノドリよりナースのお仕事寄りだと思う、絶対あのテーマ曲流れてた。

手術室に到着、まだ陣痛が来るので中断しつつ名前と生年月日、何故手術をするのか口頭で答える。

ここから若干記憶が曖昧になる。

(スタッフさんの言葉はニュアンスなので「こういう用語の使い方はしない」と思っても流してください)

手術台に上がった後は硬膜外麻酔の準備が始まる。
体を丸めてと言われ「これ腸よ鼻よ(マンガ)で見たやつ…」と思う。
また陣痛の波が来るので手術台の上で何度か苦しむ、息吐いて!うまいよ!と言われながらも周りでは色々な準備が進む音が聞こえる。

局所麻酔が聞いて下半身の感覚が無くなる、保冷剤を顔や肩に軽く押し当てられて感覚がどうなってるか聞かれる。
顔に当てられた時は冷たく、下に行くほど温度を感じなかったので「常温です」と答えたら「常温、ふふふ」となんとなく看護師さんがウケている。
後から「冷たくないです」と答えれば良かったのか!と少し恥ずかしくなる。

慌ただしい雰囲気の中「もう始まってるんですか」と聞くと「うん、進んでるよー」と言われる。

手術を受けるのは3回目なので医療スタッフが配置について「ただいまよりオペを開始する!(ギュッ」みたいな儀式が無いのは知ってたけど想像以上にスピーディー。

この辺から強烈な眠気に襲われて意識が飛び飛びになる。
「物凄く眠いです…」と訴えると「麻酔が聞いて陣痛が消えたからだねー」的なことを言われる。

そういや夜通し陣痛に苦しんでたし体力使いまくってたし痛みから解放されて一気に眠気が来たのか…と納得し寝たり起きたりする。
特に誰も慌ててないし「先生!患者の意識レベルが!」「なにぃ!」!みたいなやりとりも聞こえないし大丈夫なんだろうきっと。

手術室の中ではジブリのピアノアレンジCDが流れているようでもののけ姫などが流れていた。
なんの曲だっけ…と思っているうちに大人の声に混じって「ホニャ…アギャ…」みたいな声が聞こえ始める。

「赤ちゃん出ますよ」と言われついに…と思ってたら顔の前の衝立?の向こうからめちゃくちゃ産声を上げてる赤ちゃんが現れる。

手術台のライトを背にして逆光の中から現れたのを見てこの光景を一生忘れたくない…と思った。

嬉しい、元気だ、産声でっか、やっと会えたー!存在してる!みたいな気持ちがごちゃごちゃになる(初めてフォロワーにリアルで会った時のオタク?)

体重測定や体を拭くために(たぶん)少し離れたところに移動されるけどずっとめちゃくちゃデカい声で泣いてて「しっかり声が出てる…」と心底ホッとする。
9ヶ月間お腹の中で守ってきた命がちゃんと外の世界で息をして声を上げてることの嬉しさ、「妊婦」という状況が終わったことへの安堵がまとめてやってくる。

産声を聞きながらもまた眠くなってきてたぶんヤバい顔をしながら抗ってたらそのうちスタッフさんが子を連れてきてくれる。

生まれた我が子は元気いっぱいで手足をばたばたと動かそうとしていた、さすがまったく心拍数も胎動も落ちなかっただけあって力強い。

子の肌に触れさせてもらい、「良かった…元気…やっと会えた…」みたいなことをボソボソ喋った気がする。

写ルンですで撮影をしてもらった後、子は子で診察があるようなので移動していき私の処置も続行(お腹を押されたり色々あったような気がしたけどとにかく眠くて時系列はわからない)、眠気に抗ってるつもりだったけど普通に意識が飛んでたと思う。

色々終わったタイミングでベッドに移されて病室に移動。
手術室を出る際にとりあえず人影が視界に入るたびに「どうもありがとうございました」と言っていたので全然関係ない人にも突然お礼だけ言っていたかもしれない。
ともかくぼんやりした頭と裸眼の視界で感謝を伝えなくてはと思っていた。

ベッドのまま病室に移送、病院のエレベーターなので当たり前なんだけど、ベッドが乗れるでっかいエレベーターってすごいですね。

病室に夫が待っていたので「産まれたよ」的なことを言ったと思う。

陣痛+緊急帝王切開のフルコースだったので本当にたくさん苦しみましたが無事出産しました。

まとまりの無い文ですが読んでいただきありがとうございました。

娘はもうすぐ生後5ヶ月になります、生まれた時の体重の二倍以上になりすくすくと育っています。

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