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ビックリマンチョコの大ブームと終焉

当時大ブームとなり社会現象にまでなったビックリマンチョコ。嵐のようにやってきて子供たちを夢中にさせたかと思えば、突然ブームの終焉を迎えることになったことを振り返ってみます。


1.「悪魔vs天使シール」大ブームと社会現象

第10弾が発売される頃からジワジワと、ビックリマンチョコを買い求める小学生が増えていた気がします。セブンイレブンやローソンが続々と開店していた時期で、この頃にはスーパーよりもコンビニでチョコを買うことが多くなっていました。コンビニに入荷する曜日を把握していたので、学校が終わると小走りで家に帰り、真っ先にコンビニに向かってました。運よくチョコが買えれば見知らぬ他校の小学生も巻き込み店頭でワイワイと開封します。

コロコロでのシール紹介記事やマンガの連載に伴い、第12弾が発売される頃には大ブームが巻き起こり、当時の小学生男子はみんなシールを集めていました。生産が追い付かずチョコの取り合いが発生する事態になり、スーパーやコンビニで個数制限をするようになり、多くても一人3個まで、一人1個というお店もありました。

そしてブームの過熱ぶりは勢いを増すばかりで、東映アニメーションによるテレビアニメ化にまで発展して放送されるようになりました。マンガの連載がアニメ化されたのではなく、おまけシールの大ブームによる異例のアニメ化は当然これまでにないものでした。

アニメ化によってシールだけでは難解だったストーリーが理解でき、主人公格のキャラクターのシールは特に人気が上がりました。

アニメ化によって人気が出た、
ヤマト王子、十字架天使、天使男ジャック

そんなブームの中でシールを目当てに購入して食べきれないチョコはごみ箱に捨てるといった社会問題も目立つようになり、新聞やニュースで取り上げられることもありました。

自分はチョコを捨てようとしていた他校の小学生がいた際には、「捨てるくらいならくれ」と言ってチョコをもらってました。後にビックリマンのアイスが発売された際も同様に当時のフードロスに貢献してました。ただ食い意地が張っていただけなんだけど。

また、恐喝して小学生からシールを脅し取る中学生が現れたり、駄菓子屋やガチャポンで偽物シールを販売する業者がいたり。これまた社会問題となり新聞やニュースで取り上げられたり。

偽物シールのロッテ表記なし、
ロッテではなく"ロッチ"表記のもの。

もう何でもありの時代でしたが、それはそれで当時は楽しかったですね。


2.「悪魔vs天使シール」大ブームの終焉

大ブームの終焉のきっかけとなった瞬間の記憶は今でもよく覚えています。第17弾が発売されたときのこと、例により店頭でチョコを開封していました。するとあちこちから「ヘッドが出た」との声。自分も開封してみるとやはり同じくヘッドが出ました。

まず「どういうこと?」と思いましたね。ヘッドなのにシールがアルミ素材で安っぽくて神々しさもなく。そしてやたらと出てくるヘッドシール。そうなんです、17弾ではヘッドの数が増えて12種類もありました。多すぎ!

17弾ヘッド 聖常キッソス (6種類)
17弾ヘッド 魔君ポセイドス (6種類)

当然子供たちの間ではヘッドシールを平等に所持できるように、ロッテがわざわざヘッドの種類を増やしたのではないかという話に。

違う違う!そうじゃない!ロッテさん!と誰もが思ったことでしょう。これまでどおり、1箱40個のチョコ中にヘッドは1~2枚程度でいいんだよと。

以降の弾でも同じようにヘッドの数が増加したことで、小学生の間では皆熱が冷めてしまい、次第にブームは終焉を迎えることになりました。

大人になってわかった事実として、この頃にロッテに対し公正取引委員会が、ヘッドシールの封入率、シール素材を均一にしなさいとチャチャを入れたことで、改悪せざるをえなくなっていたことを知りました。これがなければまだまだブームは続いていたと思います。本当に公正取引委員会は余計なことをしてくれたなーと思いますね。


3.大ブームになるほどに愛された要素とは

当時のビックリマンブームの過熱ぶりは本当にすごかったなあと思う。昨今では妖怪ウォッチの妖怪メダルの生産が追い付かずなかなか手に入らないことで、一時期ブームにもなりましたが、ビックリマンのブームはそんな比ではなかったような気がします。

しかし何故こんなにも「悪魔vs天使シール」は大ブームとなったのか。よく言われているところでは以下のような要素があります。

  • ヘッドという当たりの存在とギャンブル性

  • 友達とのトレーディングとコレクション欲求

  • シールから紡ぎ出されるストーリーの楽しさ

うん、間違ってはいない。でもやっぱり以下の要素が最大の魅力だったに違いないと思うのです。

  • キャラクターの魅力(キャラデザ)

シールに描かれたカッコいい・可愛い・面白いキャラクターたち。悪魔シールでさえも全く手抜きがなく、キャラに合わせてクスっと笑える要素が散りばめられている。デザイン力と幅広い知識を必要とし、素人ではとても真似できるようなものではない。いったい描いている人はどこの誰なのか?

6弾 ヘッド ブラックゼウス
(非の打ち所がない完璧なデザインですよね)

そう考えたことはあってもインターネットもない時代。誰が描いているのかなど当時の小学生は知る術もなく。ただこの世のどこかには必ずいるはず。会えるものなら会ってみたいと当時の自分は思っていました。


読んでいただき、ありがとうございました。

次回は、
・「悪魔vs天使シール」を描いた神
を投稿したいと思います。

【BMS-002】
ビックリマンチョコの大ブームと終焉

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