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育児、2人目になっても成長せんな…と自分に呆れたエピソード

ある日のお昼。

1歳になったばかりの息子がリビングで遊んでいるとき、私は台所でお昼ごはんを準備をしていた。

目を離していたつもりはないけれど、一挙一動見逃さないぞ!というほどの気合もなかったので、テレビでいないいないばあ!を流しながら卵焼きを焼いていた。


その時、ガシャン!という音と共に「うぎゃああぁぁぁ!」という痛そうな泣き声が聞こえてきて、私ははっと顔をあげた。

息子の足元には、大きなおもちゃが転がっている。

「痛いね、あんよかな?」


そう言いながら、私は泣きじゃくる息子を抱っこしてあやす。
そのすきに足の甲やつま先を確認したが、特に血が出たり腫れたりしている様子はない。

特に大したことはなさそうだ。

そのわりに息子は、ヒックヒックと余韻で泣き続けていた。


「びっくりしたね~痛かったね」

鏡でいないいないばあをしてみたり、準備していたごはんを一口あげたりして息子の気を紛らわす。

今日はベビーヨガ資格の受講日で、講師の先生を家に招く予定だった。

お昼ごはんを食べて、片付けて、最後に掃除機をかけて……。
さほど時間に余裕はない。急がなきゃ。

「ごはん食べようね~」

少しずつ落ち着いてきた息子をハイチェアに座らせて、素早く二人分のごはんを準備して私も席に着く。
いただきますをして、食事の介助をしてしばらく経ってからだった。

息子のおでこが、腫れてる……!?!?!?!?



ものすごいたんこぶだ。
青あざができており、その周辺が赤く腫れて見るからに痛そうである。
さっき泣いたのは、足じゃなくておでこだったんだ!!

これは、大丈夫なたんこぶ!?!?!?!?

私は写真を撮って、慌ててスマホで調べた。
色々な意見があったが、最終的には「診てもらった方が安心です」という結論が目に入った。

上の6歳の子も一度、走った勢いで柱にぶつかってたんこぶをつくり、慌てて小児科に飛び込んだことがある。
それだって、こんなたんこぶじゃなかった。

これはもしかしたら、大丈夫じゃないやつかも!!!!

そう判断し、ベビーヨガの先生に「病院に行ってきます」の一報を入れ、時計とにらめっこした。

時刻は11時すぎ。
午前中の診療がまもなく終わろうしている時間だった。急がないと!


かかりつけの小児科に電話した。

「外傷ですと、うちでは処置ができないので外科さんにかかられた方が良いと思います」

そうだった!!!!
外科だった!!!!!

電話を切って、慌てて外科を探す。

近所の外科……そうだ、私が肩を痛めた時に通った整形外科が近くにある。

たしかそこは、午後の診療は受付けてなかった!
急がないと!(2回目)

整形外科に電話をすると
「まだ全然大丈夫ですよ~」と、受付の人が対応してくれた。

保険証、乳幼児医療受給者証、ハンカチ、おもちゃ、お財布!
準備よし、あとは私、安全運転で!!


バタバタと車に乗り込み、車で10分もしない整形外科に駆け込んだ。
息子は道中で居眠りを始めた。

え、これ意識ないとかじゃないよね?
大丈夫だよね??????

時間的にお昼寝が入るあたりだった。

「寝ないで~起きて~」と、駐車場で息子を抱き起す。
幸い外の空気に触れて目が覚めたのか、息子はぐずらず病院の受付を通った。

じきに看護師さんが様子を見に来てくれる。

肝心のおでこは……

「あ、腫れが引いてきてますね……」

そう。今見ると、どうして病院に来る必要あった?というほどの腫れに落ち着いてしまったのだ。
いや、それは良かったことなんだけれども、えっと、病院……来ちゃったなぁ……。

看護師さんが満面の笑みで息子を撫でてくれた。

「痛かったよね~!
 先生が診てくれるから大丈夫だよ~!」

私にも、その笑顔を向けて「お母さん大丈夫そうでよかったね!もう少し待っててね!診てもらうね!」と労ってくれた。

やだ、泣きそう。

その後先生にも診てもらったけれど、

「うんうん。大丈夫。多少あざは残るけどね、冷えピタ貼っておいて!」


冷えピタかー……
うちにあったなぁ……


遠い目をしながら、まぁ良かったじゃん。大したことなくて。そう思いながら帰路についた。

幸いベビーヨガの先生は嫌な顔せず時間を遅らせて来てくれ、私の気も紛らわせてくれたから落ち込まずに済んだけれど。

2人目育児なのに、大したことないことで病院駆け込んじゃったわ。
1人目のときから成長しとらんわ。

思わず自分に失笑してしまったエピソードとなった。
育児してると、こういうことってたくさんあるよね。どんまいどんまい。
そんな風に自分を慰めた。


それにしても、息子はどうしておでこにあざなんて作ったんだろう?

謎を残したままその日は終わり、翌日。謎は思いのほか早くに解けることになった。

活発な1歳息子を見守っていると、気が付くとテレビ台によじのぼる姿が見受けられた。

「ちょっとちょっと」と止めに入るんだけれど、息子は何度もトライする。

その時に、おもちゃに手をのせてよじのぼるシーンがあった。

「あっ」

思わず写真を撮った。(止めろ


おもちゃが滑ってバランス崩して、おでこぶつけながら落ちた…?


「そりゃそうなるわ」


ため息をついて、やんちゃな息子をテレビ台から引き離した。
解放された息子は「キャハー!」と楽しげに滑り台へ駆け寄り、まるでスーパーマンのように頭から滑り落ちていった。

そんな息子を見ながら、私は覚悟を決める。
遠くない未来に、きっと何度も病院に駆け込む羽目になるぞ、と……。