コロナは第二の黒船だった

電子決済をするたびに思うことがある。
コロナがなければ電子決済が日本に広まるのはもっと遅かっただろうし、教育現場への一人一台端末の配備も大幅に遅れていただろうということだ。

日本やイギリスは島国で、国境を海という強固な外壁で囲まれているため、侵略されたり国境線が塗り替えられるということが極端に少ない。当然、他国よりも異文化の流入は少なく、国民は保守的になりがちだ。
国家が重体で傷口にメスを入れる必要があるとわかっていても、自分でメスを入れる決断がなかなかできないのだ。
文字通り外科手術が必要なわけで、江戸末期におけるそれが黒船だった。
そして令和におけるそれが、コロナだったといっても過言ではないだろう。

特別な理由なく「これからの時代は電子決済だから」というだけで、国民全員がQR決済するようになっただろうか。
否。

特別な理由なく「これからの時代は一人一台端末だから」というだけで、子どもたち全員にタブレットが配布されただろうか。
否。

学校の8割が、国が推奨する通信速度を満たしていないことから考えても、本気でタブレットを使い倒す準備ができていなかったことは明白だ。
ハード面(自治体予算)も、ソフト面(活用する教員のスキル)も。

タブレットをフル活用してみた教員ほど、通信環境やタブレットのスペックの壁にぶつかり、思い描いた理想の教育が成立しなかったという経験をしているはずだ。

コンピュータは英語でプログラミングされている。
言語の壁を乗り越えたうえで、やっとICTの世界で勝負する入口に立てる「非英語圏」の日本人は、ネイティブよりも先を行っているくらいでちょうどいいはずだ。いや、それでも足りないくらいの危機感が必要だ。

船頭が進路を正しく見定めて先導し、船員がそれを正しく理解して船を漕がねば、日本丸という船は遠からず嵐に飲まれて沈没することだろう。

あなたは日本丸を補強しますか?
船頭を変えますか?
それとも日本丸を見限って、いっそ黒船に乗り換えますか?

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