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やったことあるゲームを振り返る マーヴルスーパーヒーローズ
うちの地元(群馬県は館林市)にエコプレと呼ばれるゲーセンがあった。
確かエコープレイランドだったかな?名前ははっきりと思い出せないが
そのゲーセンに通いつめていた。
当時、SNKの格ゲー(餓狼伝説、KOFなど)が人気絶頂だったのでみんなはSNKのゲーム(KOF95か96)をやる為に通っていたが、
自分はゲーセンデビューが遅かったせいか、完全に取り残されてしまった。
ちょっとでもプレイしていると友達や先輩に乱入されボコボコにされる。
※乱入とは1人でプレイしていると向かい側(2P側)でプレイしたい人がお金を入れてスタートさせるとそのまま対戦モードに突入するアレ
みんなはプレイのコツや裏技まで知っているので隠しキャラなど使われて手も足も出ない状態だった。
当時お金なんて全然持っていなかったので、5分もせずに1プレイ50円が無くなってしまうと思うとなかなかプレイできなかった。
そして当時、SNKをいつもプレイしている兄ちゃんがいた。
その兄ちゃんは耳にぶっといピアスを何個も開けて、肩から腕の先までタトゥーが入っており、背が低く、しゃくれている兄ちゃんだ。
そう、ほぼジェシー(RIZEのボーカル)だ。(この時はジェシーは知らないのだが)
ジェシーはずっと1人でSNK筐体を占領してプレイしており、プレイ中に台を叩いたりする
学校ではジェシーの噂でジェシーと対戦した〇〇中学校の〇〇がボコられた。
とか
プレイ中ただただ後ろで見ていた生徒が気に入らないからと仲間の暴走族を連れてボコボコにした
みたいな話を良く耳にした。
そういうのもあって僕は自然とSNKのゲームコーナーを離れ、違うところでゲームをする様になった。
それがマーヴルスーパーヒーローズ
今映画で人気のマーヴルのキャラ同士で対決するという夢の様な対戦格闘ゲーム
対戦相手が見えなくなってしまうくらいの大ジャンプ、超ど派手な必殺技。
アニメチックなグラフィックで、ハルクなんて画面の半分使っているのではないかと言う大きさで大迫力
前作X-MENのシステムに加え、エリアルレイヴ(空中コンボ技)も導入
X-MENキャラも多数参加しており、ボスのマグニートやジャガノートも普通のキャラとしてプレイできる。
めちゃくちゃハマった!
なんと言ってもエリアルレイヴ初導入!
マーヴル系の格闘ゲームをプレイしている人はお分かりかもしれないが
対戦相手を空中に弾き飛ばし、それを大ジャンプで追いかけて空中でコンボを繋げる(結構簡単に)と言うドラゴンボールさながらの演出!
キャラによって空中に弾きとばす攻撃方法、空中コンボ中のコンボの作り方が変わって来るのでとても奥が深い
そして超必殺技で相手を倒すと必殺技名が画面上に大きく表示される
この超ド派手な演出が決まれば超気持ちいいし、やられたらとても悔しい。
格ゲーなのにアイテムが使えるジェムシステム
このゲームのストーリーはジェムと言う無限に力を与えてくれる石を取り合うストーリーで、対戦相手数人はジェムを持っている。
その相手をK,Oすることでそのジェムを所持出来る様になり、対戦中使用できる。
パワージェムは一定時間パワーアップし、スピードジェムは一定時間スピードアップ。ライフジェムは一定時間体力回復と言う様に、ジェムを使うことで戦局が大分変わったりする。
ただジェムを使用せずにK,Oできたらジェム分の得点をもらうことが出来る。得点を意識しすぎると対戦相手にジェムを奪われ使用されてしまったりするので、そこの駆け引きもまた楽しめる要因の1つとなっている。
無慈悲の止めシステム
K,Oして勝負あった後の決めポーズ中にスタートボタンを押すことでプレイヤーは自由に動くことができ。K,Oされている相手をされにボコボコにできると言う
やられた方はたまったもんじゃねぇ自由&無慈悲システム
このなんでもアリ感がプレイする度にワクワクさせてくれた。
もうずっとプレイしていて1コイン(コンティニュー無し)で全てのキャラでクリアできる様になっていた。
ある日、いつもの様にマーヴルスーパーヒーローズをプレイしていると、乱入されてしまった。
全キャラ1コインでクリアできる俺に乱入して来るなんていい度胸だ、このゲーセンで俺に勝てるやつなんて1人もいないんだよ!
と思いながら対戦した。
圧勝ですわ!
めちゃくちゃ弱ぇやつが乱入してきてんじゃねーよ!と言わんばかりに、スタートボタンを押しK,Oされた相手をボコボコに殴っていた。
すると
ドコン!
と言う音と共に対戦相手側の椅子が吹っ飛んだ。
ジェシーだ。
対戦相手はジェシーだったのだ。
ジェシーはこっちに歩いてきてグっと俺を睨み付けるとそのままどこかへ行ってしまった。
翌日、ジェシーと対戦して睨まれたニュースはクラス中に広がり
「お前やばいよ?」
「はい死んだー」
なんて言われた。
なので俺は
「そもそもいつもキレてボコってるって、アイツ格ゲー弱いんじゃない?」
と言った。
そのとき今までそんなに話したこともない梅田が輪に入ってきて
「俺の兄貴ジェシーの友達だからお前が格ゲー弱いって言っとくねw」
と去っていった。
梅田というのはかまってちゃんでとてもプライドが高く、結構ホラ吹くヤツだった。
梅田の言うことはさておき、昨日の件があった手前エコプレにいかない方が良いのではないか?と考えたが
瀬下に誘われたので行くことになった。
到着するとジェシーに
「おい、お前俺がゲーム弱いって学校で言ってるんだってな?」
ビビりまくった俺は
「いえ、何も言ってないですけど…」
冷や汗が止まらなかった。
ジ「嘘つけよ、お前のクラスメイトから聞いてんだよ」
俺「え?いや、言ってないですよ」
**ジ「もう1回勝負しろよ
!今度はSNKでな!」**
という流れになった。
良かった、とりあえずボコられずに済んだ。
そして自分はSNKのゲームは全くやってないので適当に負けて終わりに出来ると思った。
そしてSNKの筐体に座り、対戦する。
一連の話を知ってる連中も多かったのでこの一騎討ちはかなりのギャラリーが集まっていた。
ジェシーはやっぱり弱かった。
SNK初心者の俺でさえ倒せるくらいのヤツだった。
今考えたら、このまま負けてあげた方が、ギャラリーも多いしジェシーも気持ちいいし、色々と因縁つけられなくて済むと思ったのだが
そこは中学生の時の俺
この中で勝ったらスターだ!と思いボコボコにした。
勝負が終わるとジェシーは
「ふざけんなよ!普通にハメじゃねぇか!お前今すぐ全部金出して消えろ!」
普通にハメじゃないし、普通にカツアゲだ。
やってしまった…と思い財布からありったけの金1100円(くらいだったかな?)を取り出そうとした時
「お前やめろよ、テメーが出て行けよ」
という声が
ふとその声の方向を見ると梅田の兄ちゃんだった。
ジェシーと梅田の兄ちゃんは仲が良いのは本当だった。そして梅田の兄ちゃんはジェシーの1コ上らしい。
ジェシーは不機嫌そうな顔でその場を去っていった。
その日以来も俺はエコプレに通った(←馬鹿)
ジェシーもいたが一言も話すことは無かった。