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誰かが言っていた。ミスしても続けることが大事なんだと。なので、今日も僕は、おっさんに日頃の感謝としておしるこを渡したい。


四十半ばの、おっさんが
まるでスキップでも
しているかのように
休憩室へと入ってきた。


ニッコニコである。
思わず僕は聞いてしまった。



「どうしたん?笑
 そんなニコニコして…」


おっさん
「え?わかる?
 わかっちゃう?うれしいの笑」


(やっぱ…
 聞かんかったら
 良かったかな…笑)

「まあ…わかるというか
 なんとういか…
 いつもとは違うわな笑」


おっさん
「あれ…やっぱ
 わかっちゃいましたか?笑
 
 実はね。これ。
 頂いちゃったんです。
 差し入れでっ♪」


言われてみれば…
おっさんの手には
何かが入っていそうな
ビニール袋があった。



「へー。良かったやん!」


特にその中身に興味もなかったので
さらっと流すと


おいおいおい…


おいおいおい…


おいおいおい…


中身を聞くのがセオリーだろ?笑


こっちから言わせるのは違うだろ!
聞いてもいいんだよ?中身のこと!
…みたいな顔して待っている
おっさんと
僕は目が合った。


だから僕は
一応目をおっさんから
反らしておいた。


すると沈黙が訪れた笑


ちょっと間が空いた後
おっさんに再び目をやると…

やっぱりおっさんは
何かを片手にコッチを見ていた。


なんとなーくだけど…
聞いてよ。お願いやから。

聞いてくれてもいいんじゃない?
中身のこと…

どっちかっていうと
聞かれてから言いたいやんっ?って
顔してた。


だからさ
ちょっと僕は悩んだけど
やっぱり
おっさんから目を反らせて
スマホをいじり始めた。

すると、おっさんは
思いっきり
スマホ情報に
割り込み気味で言った。

おっさん
「これもらってーん!これ!これ!
 ええやろー?」

あくまで何をもらったかは
意地でも言いたくないようだった…


(もうちょっと
 泳がせたらどうなるかな?笑)
「ふーん。よかったやーん。」

おっさん
「ええやろー?これぇ~?
 見えてる~?これのこと~」


「見えてないけど良かったなー!」


おっさん
「見てよーこれのことー。
 見たいやろー実は笑」



「別に興味ないー。
 ええやんー
 よかったやんー」


おっさん
「見てよー
 興味なくても見てよー
 一回でええからー笑」



「えーむりー。興味ないー」


おっさん
「えー。。。。。
 おしるこもらってん♪」



「ふーん。良かったやん。」


………。
静寂が訪れた。
おっさんがとうとう黙った。


というか、切り替えた。
実食に。


お決まりローテーブル前に正座して
おしるこのプルタブを開けていた。


おっさん
「いただきますっ♪」


ゴクッゴクッゴクッ…


おっさん
「ぷはぁぁ~っ。
 うんっま!
 小豆うまいよなー
 おしるこ久しぶりやわー
 うまいなー」


僕にも聞こえるようなテンションで
美味しさをアピールしていた。


(ふーん。おっさんって
 おしるこ好きなんやー…)


そういえば
おっさんは
白玉小豆とか
あんこ餅とか
和スイーツも
好きだったことを思い出した。


「よかったなーおっさん。
 美味しそうに飲むやんーっ!」

おっさん
「あれ?やっぱり
 わかっちゃった?
 ようやく…わかっちゃった?」


「ええなー。ようやくわかったわ。
 ええのもらってんなー」

おっさん
「せやねん。飲んでみる?
 久しぶりに…おしるこ。」


「もう一個あるん?」

おっさん
「ない。これだけ…笑
 あとちょっとなら残ってるでー」

おっさんは、いつもこんな人でね
自分の好きなものが
ほんとに残り僅かでも
いつもくれようとするし…
優しいんだけど…


どっちかっていうと
ドロドロ系の
飲み物である、おしるこ。


それが
残り僅かってことは
おっさんのヨダレまみれなわけで…
更にドロドロだ。

それを
良かれと思って
勧めてくださる…笑


「………。
 結構です。笑」


それを聞いたおっさんは
あっ…そうなんや。
ほんなら
自分で飲もっ♪っと
最後の部分を勢いよく
飲み干した。


そして相変わらず
ワンパターンな
食レポである。


おっさん
「おしるこ…うんっま♪」


この後も
おっさんは
一緒に差し入れで頂いていた

餅とか煎餅とかを
むしゃむしゃと
かわいくニコニコで
召し上がっていた…。

そして次の日。
僕はコンビニにいた。


「何食べようかな~」
って思いながら
店内を歩き回っていると
目の前に…
おしるこを発見した。
それを見ながら…



(おっさんに
 買って行ったら
 喜ぶやろなー♪)
なんて…思った。

気が付いた時には
レジの上に
昼ごはんの弁当と
おしるこが乗っていた。


会計をすまして
職場へと戻る。


特に探すこともなく
おっさんを発見した。



「おっさん。これ。はいっ。」


僕は、おっさんに
さっき買った
おしるこを手渡した。


おっさん
「えーーーーっ!?!?
 おしるこやんーっ!!
 昨日ぶり!
 美味しかってんなー♪
 くれるん?
 ありがとうなー」


「さっき偶然
 コンビニで見つけてな。
 昨日おっさん
 嬉しそうやったから♪
 買ってみた!」

おっさん
「ありがとうなー!!
 今、飲んでいいー?」


「ええで~♪」


プシュッ!!
グビッ!グビッ!グビッ!

おっさん
「うんっま!おしるこって
 ホンマうまいなー♪」
おっさんは嬉しそうであった。

また次の日。
僕は、コンビニにいた。



(あれ…今日も
 おしるこあったわ。
 買ったろかー笑)


「おっさん!!これ!
 はいっ!!!」

おっさん
「お!?おしるこやん笑
 これは、ハマってまうなー
 1日1おしるこやな笑
 ありがとうなー
 今日は、あとで飲むわ~」


「おけー。」

次の日。
僕は、コンビニにいた。



(今日も、おしるこ買ったろ笑)
この辺から悪い僕が出ていた。


休憩室に戻って
おっさんを見つけた。


「おっさん。これ。はい。」

おっさん
「お…おう…。
 今日もおしるこか…
 ありがとうなー
 でも、こんな毎日毎日
 気使わんでええで~
 ありがとうな~
 明日はいらんからな~笑」



「ええねん。ええねん。
 気持ちやから気にせんとってー笑」

次の日。
僕は、コンビニにいた。



(おしるこは…こっちやったな笑)


「おっさんこれー。
 はいっ!!!」

おっさん
「また、おしるこやーん。
 連続おしるこやーん笑
 ありがとうやけどさ。
 もうほんっまに
 ほんっまに
 もうええで?
 そろそろ病気なるで?笑
 一応もらっとくけどな?
 明日はいらんで?笑
 もう気持ちは
 ハートで伝わったからな?」


「うーん。。。。
 好きかなーと思って
 渡しただけやねんけどなー笑
 なんかごめんー笑」

おっさん
「ええねん、ええねん。
 ごめんな。
 僕が好きって言ってたから
 買ってくれてたんかー
 なんかごめんなーありがとうなー」


「ぜんっぜん!!!ええでっ!笑」

次の日。
僕は、コンビニにいた。


(おしるこ…おしるこ…っと)


「おっさんーーー!
 これ。はいーどうぞ~」

おっさん
「くるよね笑くるよね笑
 展開的に今日も…笑
 ありがとうおしるこ…
 家の冷蔵庫
 おしるこ増えてきたわっ!!!笑」


「日頃の感謝の気持ちやんっ♪」

おっさん
「もお~いらんからな。
 明日は受け取らんぞ!!!笑
 おしるこなんて…笑
 もおいらんからな?
 絶対いらんからな
 おしるこなんて…」

次の日。
僕は、コンビニにいた。


その後、休憩室に向かう僕。
そこには
おっさんがいた。


「おっさん。今日はどうする?」

おっさん
「笑笑笑。
 結構です。
 もう病気なるからな?
 また今度もらうわな?」


「あーそう。」


僕はコンビニの袋から
コーンポタージュを取り出した。
すると
おっさんが言った。

おっさん
「え。コーンポタージュやん♪
 そうそう!!
 そういうのそういうのや!
 なんやー
 今日も
 ほんなら…もらおっかな?」


「まあ…おっさん喜んでくれるなら
 ええけど…」

おっさんが仕事に向かうために
休憩室を出た。

しばらく時間は過ぎて
おっさんの
晩御飯。お弁当タイム。

休憩室から声がした。

おっさん
「また、おしるこやーーー!!!!笑」

おもしろそうなので
仕事を途中で切り上げて
休憩室を覗きに行った。


「どうしたん?なんかあった?笑」


おっさん
「どうしたも、こうしたも
 また…おしるこやん…
 僕のコーンポタージュは
 どこいった?」


「え?しらんで。
 さっきのコーンポタージュは
 僕のやし…
 おっさんには
 ちゃんと今日の分の
 おしるこ欲しそうやったから
 置いといたやろ?笑」

おっさん
「これかーーーーーっ!!!笑
 またおしるこやーーー笑
 もう夢出るぞ笑」

そして、また次の日。
おっさんは、コンビニにいた。
しばらくして
僕とバッタリというか
計算して出会った。

おっさん
「今日はあかん。ほんまあかん。
 やめとこ。もう笑」


「なんのこと???」

おっさん
「おしるこのことや笑」

僕は、おっさんに
白玉ぜんざいを買ってあげた。

おっさん
「白玉ぜんざいって美味いよなっ?」


「お…おう…笑」

また次回。



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(๑╹ω╹๑ )