仕事なんかより大切なことがある!それは、豆腐パーティーだ!!
豆腐パ-ティー
その日、
休憩室にいたセイジツ君は
室内で何故か、
落ち着きなくゴソゴソしていた…
そこへ、僕がちょっとだけ
プリプリしながら入ってきて、
彼に言った。
僕
「セイジツ君さー。毎週せなあかん
あの仕事もうやったん?
いっつも忘れてもうてるけど…」
セイジツ君
(ハッッ!!!!!!!)
セイジツ君は、
たった今思い出したような反応だった。
ただ、相変わらずゴソゴソを
続けたまま言った。
セイジツ君
「えーっとぉ…。
まだ…で…すねぇー。
あとで、必ずやります!!!
ゴソゴソ…。」
まあ、いつものことか…
と僕は思いつつ彼に諭すように言った。
僕
「今休憩室おるし、
時間あいてるんやし
今のうちに、やっといたら??
あとあと、楽やで???
みんな、困らんし。」
相変わらず、
ゴソゴソしているセイジツ君が
真剣な顔を僕に向けてから言った。
セイジツ君
「今は無理です。ちょっと忙しいんで。
また、あとでやります。ゴソゴソ…」
彼のどこが、
どのように忙しいのかを
全く理解できなかった僕は
とうとう、毎週のことに
少し苛立ちを隠せずに言った。
僕
「いやいやいや…。絶対今暇やん。
今、仕事してへんやん。先やれよ!」
毅然とした態度で、
セイジツ君が続ける。
セイジツ君
「僕先輩には、
そう見えるかもしれませんが
今の僕は、まあまあ忙しいんです。
時間限られてますし、
またあとでやりますから…」
なんか、よくわからん
がちょっと逆ギレされている
僕がそこにはいた。笑
しばらくは、
何言ってもダメかなと思い
僕も休憩できそうな
タイミングだったので
とりあえず、一旦黙って
彼の様子を観察していると
確かに、今日一番忙しそうであった。
僕
(ふーん。まあまあやるときやるんやん。)
なんて、
ちょっとだけ感心していると
休憩室に美奈代が、
急ぎ気味に入ってきた。
ようやく休憩を迎えたようだ。
ちらっとだけ、
一瞬僕のことをみてから
すぐ視線をセイジツ君に変えて言った。
美奈代
「セイジツ君!!
ごめん!手伝えんかった。
やっと今、仕事落ち着いたわ!
あと何手伝ったらいい?」
先ほどまでの、
僕との重い空気とは一変
セイジツ君は楽しそうに言った。
セイジツ君
「全然大丈夫♪
もうほとんど、準備終わってるよ!
あと並べるだけかなー?
手伝ってくれる?」
美奈代
「オッケー♪」
なんだか、ノリノリな二人である。
ゴソゴソ…ゴソゴソ…
僕の目の前には、数種類の豆腐たちと
野菜たちがきれいに並べられた。
僕
(え…なんなんや…これ…)
美奈代
「じゃあ、はじめよっか♪」
セイジツ君
「オッケー♪いただきますー♪
あっ!ポン酢持ってきたで!」
美奈代
「えーありがとう、
こっちは、ドレッシング持って来てみた!」
セイジツ君
「えーありがとうー。
ドレッシングもええよなー。
これな、枝豆豆腐やって!
こっちは、ゆず豆腐♪
一回食べてみてー」
美奈代
「えーいいのー?
そんな種類あるねんなー
なんか、ホンマにパーティーみたいー」
セイジツ君
「ほんまやなー笑」
僕
(な…な……なんなんや
…この展開は……笑)
セイジツ君
「あ…ごめんなさい。ごめんなさい。
僕先輩も一緒にどうですーー???」
僕
「一緒にどうですーって、
なにがなんだかわからんねんけど
何してるん???笑」
セイジツ君
「えーどっからどうみても”
豆腐パーティー”じゃないですかー♪」
セイジツ君
「モグモグ…、
これ、おいしいーーーーーー♪
なにこれ????」
美奈代
「あ、やっぱりわかった?
それ、お取り寄せの豆腐やねん。
ちょっと高買ってんけど
やっぱり、おいしかったー♪?」
僕
(な…な……なんなんや
…この状況は……笑)
そこから、美奈代とセイジツ君と
”友達歴1日目”くらいの
距離間でしばらく過ごした。
彼らは、
相も変わらず楽しそうであった。
意を決して、彼らの楽しそうな会話に
割って入ってみた。
僕
「こ…こ…これはいったい何なん?
ダイエットでもしてるん?」
セイジツ君
「あれ?
言ってませんでしたっけ?
僕も美奈代ちゃんも
いま別々のジムですが通ってて
何キロか痩せてきてるんですよー♪
僕先輩もこれから
”豆腐パーティー”参加します??笑」
セイジツ君の
ノリノリコメントに続いて
美奈代が口悪く僕に言った。
美奈代
「おまえ日ごろ仕事で、
口うるさいねんから
いっぱい豆腐持って来いよ笑
いろんな種類な!
”豆腐パーティー”の一番後輩やぞ笑」
僕
(もう……わけわからん…笑)
僕
「あの…
セイジツさんところで、いつになったら
あの仕事していただけるんでしょうか??」
僕は聞いてみた。
セイジツ君
「はぁぁぁ????
後でするって言ってるやろ!!!!
しつこいぞお前笑
後輩やのに!!笑」
僕
「あ…すみません…笑」
僕
(絶対…後でシバイてやる…笑)
一通り、食事がするまで
一番後輩というポジションの
寸劇に付き合ってみた。
美奈代は先に、仕事に行き
使っていたお皿を
洗っていたセイジツ君に僕は
少し強い口調で言った。
僕
「いつやるん?あの仕事!?」
セイジツ君は、
少し困ったように言った。
セイジツ君
「いやぁー今、
お皿洗ってるんで無理ですねー
すぐ、仕事戻らなダメですし…
もうこんな時間!!
やっといてもらえます????笑」
もう、何を言っても無駄だと思い…
僕は、そのセイジツ君が
しなければならなかった仕事を
先週ぶりにしたのであった…
また次回。
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(๑╹ω╹๑ )