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渇望するアフリカ

先日、渋谷敦志さんの写真展にいってきました。

「渇望するアフリカ」

お話を聞くことができたのですが、渇望は希望と絶望、双方の意味に捉えることができるというとのこと。
たしかに、と思いました。
写真を見るまでは渇望という言葉をタイトルに含めた写真展とはどのようなものなのだろうか?希望と絶望など共存するのだろうか、アフリカという場所にはどの言葉が合うのだろうと、色々考えが散らかっていました。

キャパとしては小さめで、サラッとすべてを見るだけなら5分もあれば終わるような狭さでした。
しかし私はそこにとらわれました。
今までいくつかの写真展に行ったりしたのですが、本当になんと言い表したらいいのかわかりません。
しかし、本当に"渇望"という言葉がしっくりきたのです。
写真にうつる子供たちの笑顔は屈託なく、純度は100%のものでした。
しかしその一方で、彼ら彼女らの絶望も計り知れないものでした。
私が一言で絶望と言い表していいのかもわかりません。

すべての写真が、その向こう側を表しているようでリアルだけれどどこか儚げな、そんな写真たちでした。

そのなかでも特に私をとらえたのはこの写真です。

この中心に写っている写真。
女の子がまだ幼い弟を抱いて食べ物を探しているところだそうです。
はじめ、こんなところに食べ物などあるのか?と思いました。
しかし小さな弟の小さな手には袋が握られており、そこになにかが入っているのです。その子は小さな手で強くその袋を握りしめているようでした。

そして、一体渋谷さんはどのような気持ちでこの写真を撮ったのだろうと思いました(残念ながら私の人見知りの性格故に尋ねることはできませんでしたが)。
「そこに立ってこっちを向いて」
と言って撮られた写真ではないでしょう。
すごく、なんと言えばいいのでしょう、リアルが伝わってくる写真でした。
ずっとその写真の前に立っていると自分は今何をしているのだろうと思いました。
こんなにも心を揺さぶられた写真は初めてです。

今も彼女は食べ物を探しているのでしょうか。
たまたま日本という国に生まれただけで、私だって食べ物を探さないと生きていけないという生活を送っていたのかもしれないのに。

本当に素晴らしい写真展でした。
リアルが伝わってきました。私のなかの語彙では表しきれません。
是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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