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他の人

他の人の人生ってわからない、と思った心療内科の待合室。
性別も年代も服装もヘアスタイルも全部違う人たちが、たまたま予約が近いからと同じ時を共有する。
普通に見たら何メン?ってなるくらい共通点がない。でもある。

ここは心療内科だから。

皆何かしらの本当に様々な、心の異物感を治しに来てる。
でもきっとここから先一歩外に出たら、
"そういうの"を抱えているだなんて思われない、
"普通の人"になっていく。
だって"そういう所"にいく人って"そういう人"ってことだもんね。

でも逆に一歩入ってしまえば"そういう人"しかいないから、自分が、自分たちがまとまってしまえば"そういう人たち"になるし、
このなかではそれが普通なのだから、もう私たちは"普通の人"だね。と思う。

入ってくる人を横目で見ながら、そう思います。

あれあの人前回も被ってたな、同じ時間なのかな
この人挨拶もしなかった一言も発しなかったな
この人すごい大人のにおいがする煙草かな
きっといまの笑顔はやわらかいんだろうな

でもやっぱり外に出ると皆がちゃんと人をやっているように見える。薬なしで。
薬なしで早くいってしまう人もいるかもしれないし、薬があるからそっち側にいるだけなのかもしれないし。

何が書きたいのかわかりません。
私がもしいつか、もう今日でいいかなあと思った時までに多く書きたいことがあります。


それは

"普通の人"が読んだらしにたくなって、
"そういう人"が読んだらいきたくなっちゃう

そんなのが、私の手の先から生まれてきてくれたらいいなあと思います。

余談ですが
そのあと私は比較的気持ちが安定していたのでパチンコ屋さんに入りました。
入った瞬間ああここだと思いました。

誰も私のことなんか気にとめないどうでもいい視界の端にいるだけの存在。光と音が私の出す声と動きを全部なかったことにしてくれて、今まで何にもなかった身体のまわりを煙で覆って一体化。

10分もいればすっかり溶け込みますどろどろに。
誰も私のことを1個人としてみていない、
だけど私はここでこんなに元気で血が滾っている。
そういうギャップがたまらないんだと思います。

ドアから出たら音がなくなって、外は暗くなっていて、
歩き煙草危険❗️の看板で、
ドブ臭い橋を息を止めて渡るだけです。

ああ、私だ。私がいてしまった。見つけてしまった。

それがすごく、すごくとってもたいへん、残念でした。

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