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「わたし

は、人並みに可哀想であれたと思うよ
だって小さい頃から姉弟での扱いに違いは大きく生じていたし、それ故弟が今反抗期してるとこみると、
人生ってなあ…と思うけど。
人生の階段上っても、いじめられたり出来すぎたり。
やっとつかんだ蜘蛛の糸
上りきった先には地獄が待っていたよ。いじめられたよ。悲しくてつらくて、このままでいていいわけないんだと、おもったよ、
諸々のうちに親が離婚。いや、親が公的に離婚した。まあ、手続きだよね結局紙っペラ1枚馬鹿馬鹿しいよ、あんたらが初めてこの紙つかんだときどう思ってたのか思い出してから提出したよな?って。

よく言われてたよ。~したくてもできない人もいるって。そんなもん
結婚もだ!!!

しかしまあ、そこからの可哀想なネタには事欠かない。今日も余所見してたら深爪だしながらスマホドライバーに殺されかけるし、雨は降り始めるし、
お金はないしブスだと笑われるし周りの人と価値観合わないし嘘ついて笑うのだってしんどいよ。親は離れりゃなんてことないけどあの地に戻るだけでいろんな気持ちが込み上げて吐きそうだ。

でもあたし 思うんです。

可哀想であればあるほど、普通の人間からの本気の脅威悪意にさらされる可能性が少なくなるよ。
しかもねもっといいこと
可哀想であればあるほど、あの子の闇の外縁に触れることができるよ。もちろんあの子もそこに座ってるあの娘も君のも。そんなところさわれる人なんかそうそういないよ、だからわたし、うれしいよ」

っていってたねあの子はそうやっていっつも
可哀想であることだけを軸に考えて生きていた
でも、いやだから、あの子と話すと救われることが多かったよ。だってどんな泥沼を見せたとしても、
あの子ったら躊躇なく潜り込んで、綺麗な顔してとってくるんだもん、わたしの神髄を。
だから私たち、あの子から離れられなかったのかなあ止められなかったのかなあ。

「でも最近もう切れるところがない、いやこれは皮膚じゃない。心的繋がりね。もうねこれ以上やるとわたしがやられるの。それは、それでいいんだけど
やっぱり私新しい方法で新しい感情への入り口を探したいなあ」

新しい 感情への 入り口?

「なにその顔笑 だからなんていうかさ、今までじゃまだ足りないのはわかるじゃん?だって私はこれをするには可哀想じゃないもの。もっと可哀想になれたらいいな、とは思うけどいまのままじゃ寄り添いたい子に寄り添えないよ」

十分だよ、もう わたしには十分寄り添ってくれてるよ

「わたし考えたの、どうやったら寄り添えるか可哀想になれるかって。ね?」

なに、ただただこわいから、優しくいってね

「あなたの周りの人が重体で病院に運ばれたらかなしいよね。そして入院生活が長く続いてさ、最終的に前よりもすべてが痩せ干そって声もでない涙は流すけど、そして温かいという、そんな状況で亡くなったらそんなの、永遠に忘れられないよね。」

忘れるわけないすべての感覚で、おぼえていたいよ

「近ければ近いほどそう思うでしょ。自分のことを愛してくれればくれるほど、精神的距離が近ければ近いほど、信頼してればしてるほど、愛していれば愛しているほど」

うん

「そう考えたとき一人だけでてきたの一人だけ全てに当てはまる人がいたの。たまに、当てはまらなくなるんだけれど。それはね、わたし
私自身がそうなればもっといろんな人のこと、どうしてなのかとかだれにとか、わからなかったことたちが生き返るの。ね、わかるでしょ」

うん、わかるよ

「だからそうするね。私にはそうすることでしか価値が見いだせないの。誰かのためになりたいな、形じゃなくて心でね。ありがとうわかってくれて」

といってあの子は飛んでった屋上から。
私は珈琲牛乳片手に今私に残された可哀想と火種のような かなしい を味わっていた。
社会があの子一人に押しつけたんだよ
優しいあの子は全部を背負ってしまったんだよ
ばかみたい、愛しいばかだ、

あれ、どっちがわたしだったっけ

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