私は'黄色いおじさん'になりたい
『おさるのジョージ』という絵本を知っていますか?
アニメがEテレで放送されています。
主人公のおさるのジョージの飼い主?と言って良いんだろうか、それが黄色いおじさんです。
ジョージはこのおじさんと一緒にマンハッタンのマンションに住んでいるのですが、(この設定もたまらない)飼い主というよりパートナー?もしくは親子?
世間でいうペットという意識でこのおじさんはジョージと接していない気がする。
まずこのおじさんが何がすごいというと、ジョージがどんないたずらをしようが、部屋をめちゃくちゃに散らかそうが、何をしても怒らない。
ジョージはおさるなので、知能は高くても獣です。
3歳〜4歳くらいの子供くらいと思えばいいのだろうか、それでも散らかしてたら私は怒るよ?
でもおじさんは怒らない、声を荒げない。
動物だから怒っても仕方ないと思っているのかもしれない。
でも、それ以前に愛を感じる。
本当にジョージを慈しむ存在として接しているのがわかる。
決して卑屈でもなく、必要以上に可愛がるわけでもなく。
言葉はわかるのだから会話ができなくても、きちんと説明したりしてる。
すごい。
なんでそんなに心が広いんだろう、なんでそんなに心を広く保てるんだろう??
そんなこと子供に対して私はしてるのだろうか。
否。
だいたいそんな怒ることなんだろうか、子供のやることなのに。
なんでこんなに怒ったり、イライラしたりするんだろう。
更年期を理由にしたくないよ。
毎回、ジョージを見る度に反省させられ、感動する(感動するようなアニメじゃなく、楽しいアニメですよ)
黄色いおじさんのみならず、ジョージに出てくる人達はみんな優しくて、この世界では戦争やら人間の醜い感情やら行いは描かれない。
(作者がジョージを描いた時は戦時中だったと違う番組でみた。現実は戦争していたということだ)
私が感動するのはジョージの世界が理想郷だからだと思う。
動物が厨房にいても当たり前の世界。
意地悪な人や悪人は1人もいなくて、日常のささやかな楽しみを大切にしている世界。
ものを大事にして、環境を守ろうとしている世界。
もちろん、それは誰しもの心の中にあるのだろう。
しかし現実ではない。
だからこそ理想なのか。
理想とは届かないもののこともいう。
大人になるとそこが少し寂しい。
話がそれちゃった。
とにかく私は黄色いおじさんを尊敬してやまない。
黄色いおじさんになれなくとも近づきたいよ。
(つまりはね、イライラとかしたくないってこと!)
子供がいなければ決して観ることのなかったアニメでした。
子供がジョージを見ている後ろ姿を見ているのがこの上ない幸せ。
ジョージの平和な世界といつまでも繋がっていたいと思う。
それがいつともなしに終わることも知っている。
だからこそ今が愛おしい。
おわり。