カーシェアリング業界の決算からビジネスモデルを読み解く #20代マーケピザ 養成所 vol.3
こんにちは。#20代マーケピザ養成所オンラインの個人課題noteです。
今回の課題はこちら!
「決算書から企業のビジネスモデルを読み解く」
(さて、私に本当に読み解けるのか!!ドキドキしながら、書いています。よろしくお願いいたします。)
0.選んだ業界とその理由
私が選んだ業界は「カーシェアリング業界」です。
近年、シェアリングエコノミーのサービスが注目を集める中、カーシェアリングは2002年からスタートしています。
これはシェアリングサービスの中では歴史がある方なのではないでしょうか。今回シェアリングサービスの未来を考える上で役に立つのではないかと思い、選びました。
若者のクルマ離れも進んでおり市場の拡大が期待されるサービスの1つですが、本当に儲かっているのか!?見ていきましょう。
1.企業の分析(タイムズカーシェア)
オリックス自動車が2002年に国内初のサービスを開始したのを皮切りに、三井物産子会社(現・三井不動産リアルティ子会社)のカーシェアリング・ジャパンが2008年8月に参入。2009年5月にスタートしたパーク24は、後発と言える。にもかかわらず、開始後6年でエリアは42都道府県、車両数は1万2616台、ステーション数は7064カ所に上り、業界トップを独走する。
上記は2016年の古い記事なのですが、カーシェアリングといえば今でも、タイムズカーシェア(運営会社:パーク24株式会社)。
もともと駐車場事業を手がけていた強みを生かして、カーシェア事業で独走していきたい、という狙いを感じました。会社全体としての売上高は前年度比(7.7%増)、営業利益(同3.1%減)、経常利益(5.1%減)ということなので、投資にかなり力を入れているようです。
モビリティ事業(カーシェア事業)の内容を個別に見ると、
増収増益!良い響きですね。笑
個人利用だと、どうしても土日など利用する時間帯が集中してしまいそうですが、法人会員を増やすことで平日の利用を促進し、1ユーザーあたりの利用増にも繋がっているようです。
2.企業の分析(オリックスカーシェア)
2社目は、オリックスカーシェアを運営するオリックス自動車です。
オリックス自動車はオリックスグループの子会社で、自動車リース・レンタカー・カーシェアリング・中古車販売・売却サポートなどの事業を手がけています。
ちょっとこれ1枚じゃよくわからないですね、、。前年度分の資料と見比べてみます。
売上高は3.6%増、営業利益6.5%増、ということがわかりました。
”『営業利益』とは、売上から仕入や人件費などの経費を引いたもので、会社の『本業による利益(儲け)』を表しています。 たとえばトヨタであれば、車の販売による儲けですね。 一方、『経常利益』とは、営業利益に、預金利息や為替差損益など会社の『本業とは異なる財務活動によって得られた利益と費用』を含めて計算します。”
続いて、オリック本体の報告書を見てみます。
※カーシェア事業はセグメントのメンテナンスリースに含まれています。
・レンタル事業は増加
・自動車の新規実行により増加
・それぞれの事業が独自の強みを最大限に発揮し、相乗効果を生み出している
私が注目したのは上記のスライド。大京を完全子会社化するようです。
不動産事業を強化しながら、堅調な伸びが期待できるカーシェア事業の拡大も狙っているのではと思いました。
3.企業の分析(カレコ)
3社目は三井不動産リアルティが運営するカレコです。
”2017年4月1日に完全親会社である三井不動産リアルティ株式会社と合併いたします。今回の合併統合により「三井のリパーク」ブランドで展開する駐車場事業と「カレコ・カーシェアリングクラブ」を運営するカーシェアリング事業を緊密に連携させることで事業拡大を加速させるとともに、お客さまのユーザビリティの向上を目指してまいります。”
こちらも、三井不動産の子会社なので、単独での決算報告書が見つからず。。決算公告が出てきたので、2年分を見比べてみます。
売上高は9.1%増、営業利益8.7%増、ということがわかりました。
気になったのは営業外費用の固定資産徐売却損という項目が80 →182になっているところ。
”固定資産を破棄処分した際に発生した損失を計上する時に用いる勘定科目のこと。固定資産除却損と呼ぶこともある。除却損には、機械装置除却損や建物除却損、車両除却損などが挙げられる。例えば、帳簿価額が50万円の印刷機を廃棄処分し、その処分費用として現金3万円を支払った場合の仕訳は次の通り。
(借)固定資産除却損 530,000
(貸)機械装置 500,000
(貸)現金 30,000”
何を処分したのかは分からないですが、車が事故にあったり、車が古くなったりしたら処分をする必要があるので、リスクがあるのかなと感じました。
続いて、三井不動産本体の決算報告書を見てみます。三井不動産のコア事業は以下3つ。
・賃貸事業<オフィス・商業施設・その他>
・分譲事業<住宅分譲・投資家分譲>
・マネジメント事業<プロパティマネジメント,仲介・アセットマネジメント>
カーシェア事業はマネジメント事業というセグメントに含まれるようです。
あまり触れられていないですが、グラフが綺麗に右肩上がりになっていますし、ページ内の配置が右上の一番目立つところに置かれていることから、さりげなく好調をアピールしたいのかなと思いました。笑
他の事業希望が大きすぎるので、三井の物件の付加価値としてカーシェア事業を抱えている程度で、あまり力を入れているようには感じませんでした。
4.業界の課題
投資に時間とお金がかかるからか、どこも堅調に成長しているものの、伸び率が10%以下なところが気になりました。
需要と供給のバランスが保てないと結局不満で解約の恐れもあるので、設備と利用者をバランス良く伸ばしていくのが難しいところなのだと思います。
また、今回初めて知った新しいタイプのカーシェアも紹介します。
・dカーシェア(オリックス・カレコと提携)
・エニカ(マイカーシェア)
dカーシェアはドコモのサービスで、なんとオリックスとカレコが使えます。設備投資をせずに手数料で稼ぐビジネスモデルのようです。ドコモブランドだからこそなせるワザだと思いました。
エニカは個人間(CtoC)のカーシェアリングサービスです。こちらも設備投資をせずに展開できるビジネスモデルなのが強みだなと思いました。
5.自分達がその業界に新規参入するなら何をするか
まず、自社で設備投資をする場合は、元々不動産事業を展開しているなど自前のリソースをさらに活用するという方法でないと厳しいなと感じました。0ベースで新規参入するなら、最後に紹介したように、手数料ビジネスになってしまう。
新規参入するなら、今ある駐車場や車が使われていない時間を有効活用する、という方法をとります。例えば、法人が抱えている車を土日に個人に貸し出したり、中古販売のお店でカーシェアを展開し気に入ったら購入できる、など。
〜9/23追記〜
シバタさんにフィードバックをいただいたので追記します。(ありがとうございます!!)
1月の台あたり利益率を公表しているのは、タイムズだけなのですが、売上112,900円・費用91,500円・利益21,400円(昨対比156.9%・伸び率Sランク!)あるようです。
これを踏まえて、新規参入するなら、初期投資を抑えて1台あたりの利益を高める方法を考えます。平日に法人営業が使用している車を、土日に貸し出すビジネスを一歩進めて、少ないユーザーで1台あたりの稼働率を高めるため、月額契約システムにすることを提案します。
カーリースのビジネスモデルと近くなりますが、月更新できることや駐車場代がかからず安く済ませられることをメリットにすれば、都内で展開できそうです。
6.おわりに
だんだん力尽きてきた感がありますが、、、なんとか最後までたどり着きました。4時間くらいかかったかな、、。まだまだ決算を読み解けるようになったとは言えない状態なので、本を読んで復習して、グループワークに備えたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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