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ISM製造業景気指数を予測してみる


✅ISM製造業景気指数

🔴市場が注目する指標

少し前まではインフレ懸念により、市場参加者はCPIやPCE、ミシガン指数など物価関連に注目が集まっていました。しかし、現時点、インフレは沈静化しているデータが示しており、次の注目は米経済の減衰に関する指標に注目が集まっています。
最近では、8月頭に発表された雇用統計が悪く、金利下落・株下落の反応で、「bad news is bad news」として市場は反応しました。
米国経済の指標として、代表的なものの一つで発表直後に米ドル・米指数が大きく反応するISM製造業景気指数に注目が集まります。

過去ISMが50を切ってきた際、リセッション期間と重なっていることが分かります。https://imakara.traders.co.jp/articles/1825

過去のリセッションとISM

以下、investing.comから説明文の引用。
米供給管理協会(ISM)製造業購買担当者景気指数は、製造業における景況感を示す指標である。400以上の企業の購買担当者にアンケート調査を行い、発表される。
主要指標の中で最も早い第1営業日に発表されることから、景気の先行指標として注目される。指数は新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫の5つの項目の総合指数となっている。 指数が、50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大を示す。
予想より高い数値は米ドルにとって買い材料であるとされるが、予想より低い数値は米ドルにとって売り材料であると解釈される。

🔴次回ISM発表:9月3日

✅ISM予想に役立つ指標

🔴台湾輸出受注(前年比)

2000年以降で、ISM指数と台湾輸出受注(前年比)を比較してみると、ある程度の相関があることが分かります。

2000年以降
散布図

以下、直近数年分のデータです。
ここ数カ月は参考にならないことがありましたが、8/20発表の台湾輸出受注(前年比)は市場予想を上振れており、一応は次回ISMは前回よりも高い結果を示唆しています。

🔴地区連銀PMI

各地区連銀が発表するPMIはISMよりも前に発表されるので、非常に参考になります。2000年以降のデータで、6地区の連銀(NY連銀、ダラス連銀、フィラデルフィア連銀、シカゴ連銀、リッチモンド連銀、カンザスシティ連銀)のデータとISMを比較しました。ISM(太黒)と似たような形を追っているように見えます。個人的には、決定係数R2値が高く相関性が高いので、最も信用しています。
複数の連銀を載せると見にくいので、統計的な処理で6地区連銀の重回帰分析と単回帰分析から、ISM値の予想値を算出することができます。
※先月の6地区連銀PMIの重回帰分析の予測値は「48.2」であり、市場予測「48.8」のため下振れ予想でしたが、結果「46.8」で下振れ予想は合っておりました。

2000年以降
2021年以降のISM市場予想と6地区連銀の重回帰分析


直近では、8/15にニューヨーク連銀製造業景気指数とフィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表されています。こちらの2つの指標は他連銀よりも注目度が高く、ISMと比較されるデータを良くみます。

2001年以降
2021年以降

8/15にニューヨーク連銀製造業景気指数とフィラデルフィア連銀製造業景気指数の結果は以下の通り。
NYは予想をやや上振れで、前回より改善でしたが横這い気味、
フィラデルフィアは予想より下振れで、前回から悪化でした。

<ニューヨーク連銀製造業景気指数>

8/15の結果「-4.7」の結果から、単回帰分析によりISM予測値を算出すると、ISM予測値=50.32となります。

2001年以降の散布図

<フィラデルフィア連銀製造業景気指数>
8/15の結果「-7.0」の結果から、単回帰分析によりISM予測値を算出すると、ISM予測値=48.93となります。

2000年以降の散布図

上記の通り、データが出揃ったら他の連銀(ダラス連銀、シカゴ連銀、リッチモンド連銀、カンザスシティ連銀)でも同様に処理し、各々の単回帰分析の平均値を予測に役立てます。
※個人的には重回帰分析の方が精度が良い気がするので、単回帰より重回帰の方を重要視しています。(自分は統計の専門家でもなんでもないです。。。)

🔴銅金レシオ

2014年以降のISM指数と銅銀レシオを比較したデータです。
長期でみると、ある程度の傾向は似ているように見えます。
一応は、散布図の回帰分析では決定係数R2=0.429とあり、相関性がある目安基準R2=0.5に近いものとなります(もっと長期でみると変わってくる)。

散布図

2022年以降の比較では、月次データのISMと、日足レベルでNew York Mercantile Exchangeニューヨーク・マーカンタイル取引所のゴールド終値をプロットしています。
ゴールドは8月に入り、再度最高値更新しており、銅/金比率も下落を続けております。まだ8月の月足確定していなので、何とも言えないですが、ISMは前回よりの悪化を示唆しそうです。

🔴米国PMI製造業購買担当者指数

Markitが出しているPMIの結果も一応見ておきます。
速報値は8/22に発表されるので、あまり重要視していませんが、見ておきます。
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases?language=en

https://jp.investing.com/economic-calendar/manufacturing-pmi-829

🔴J.P Morgan Global Manufacturing PMI

次回の発表は9/5ですので、ISM発表後となり、先行指標とはなりませんが、参考データとして掲載します。https://en.macromicro.me/series/20151/jp-morgan-global-manufacturing-pmi

✅結論

次回ISM指数の発表は9/3予定です。
まだ市場予想も出ていないので、何とも言えない状態ですが、地区連銀PMIデータが出揃ったら市場予想のギャップと方向性を確認しようと思います。
前回ISMは弱く出るだろうなという予想は立てやすかったですが、現状、入り混じってて指標トレードしにくいイメージです。

  1. 台湾輸出受注(前年比)からはISM上振れ

  2. 地区連銀PMIは、NY連銀とフィラデルフィア連銀からISMは横這い~やや下落(他連銀データが揃ったら、変わるかも)https://x.com/LizAnnSonders/status/1824415769536471530

  3. 銅金レシオから、月末の確定足次第ですが、ISMは下振れ

2024年以降のISM結果

この辺りの指標関連の発信は需要がないことは、承知の上なので、気分が向いたら記事にでもしようかと思います(^^♪



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