胸につむじ風が吹いた日

身体の中に自然現象が現れることに気がついたのは、大好きな先輩が結婚してしまった時。

「今度、結婚するんだ。」と照れくさそうに先輩が教えてくれた。その瞬間、胸に小さく、そして確かに、つむじ風が吹いた。小さな風がクルリと胸の上を泳いだ。

先輩！偶然、駅で会えた時、『僕を待っていてくれたの？」と言ったよね。

グループ旅行で写真撮った時、そっと隣に来てくれたよね。

たくさん、たくさんお喋りして、これから仲良くなれる

そう、思っていたのに。。。

大好きな先輩は、あっというまに結婚してしまいました。今でも思い出すたびに、胸の中で小さく吹いた、つむじ風を思い出します。

ふわっと吹いた小さな小さな、つむじ風。

少し優しく、少し暖かく。

あなたが先輩を好きになったことは、
間違いじゃないよ。と言ってるみたいに。

そっと悲しみをぬぐってくれたのかもしれません。