サラットナさん 第十五章
まるで私、忍者みたい。社殿の縁の下にもぐり、先ほどから掃き掃除をしている。アドベンチャーみたいで楽しくてしょうがない。
落ち葉って本当に吹きだまりにたまるのねぇ。と感心したり、社殿の下にとても広い地下室があることを発見したり、お賽銭箱の階段下では、参拝者が続き、なかなか外へ出られなくなったり、ワクワクが続いている。
よいこらしょっと。
全て掃き終え、表からみると、一瞬、涼やかな風が社殿の周りを吹き抜けたような気がした。
何だろな、最近、参道を掃くと石だたみからキラキラしたエネルギーが立ちのぼるような気がする。そうだ、この間来てた神社の木々の床屋さんみたいな植木屋さんに、貴女が掃いた後は気持ちいいねってほめられたし。少しはサラットナさんのいう、場を清めることのお手伝いができているのかなぁ?だと良いなぁ。
でも、どこをみて仕事しているんですか!って巫女長さん、宮司の奥様にはシコタマ叱られたばかりだし、シュン。このギャップはなんなんだぁ〜。
あっ、あの制服は高校生。お正月ご奉仕巫女さんの面接にきたのかな?
コツン、いてて。サラットナさん、ほうきで叩くのはルール違反です。
貝塚さん、あなたの悪いところは仕事から気がそれる時間が長いことよ。あと普段は手を抜かないのに時間が足りなくて、ちょっぴり手を抜いた時に巫女長に遭遇する、そんな運の悪さもピカ一ね。
アハハハハ。あっ、そんなことより、はるかちゃんの件、ありがとうございました。
あっ、たまたまね、私も美味しい珈琲を飲みたくてね。あの店にいただけよ。
そうでしたか。でも助かりました。
何だか恥ずかしそうに、サラットナさんはさっさと参道を鳥居の方向へ歩いていってしまった。
あれ?そもそも、サラットナさんって珈琲飲むんだっけ?
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