メインテーマは子供。それはこの一枚を撮ったことがきっかけだった
撮っていて一番楽しいのは子供の写真。それに気がついたのは沖縄に来てから。
自分が子供の頃から子供は好きだったというのは以前のコラムに書いた。でも本土にいた頃には、人を撮りたいとは思っていたけど、子供をメインに写真を撮ろうとまでは考えてはいなかった。それが変わったのは沖縄に来てから。
はじめて沖縄に来たとき、実は全然沖縄に興味がなかった。ただただクジラが見たかっただけなのだ。最初は小笠原に行くつもりだったのだが、そのためには最低でも一週間は休みが必要だった。当時は会社に契約社員として在籍していたのでそんなに休めるわけもなく、どこかないかと探したところ沖縄の慶良間で見られると知り、それを上司に告げると「じゃあ、ついでに取材もしてきて」と頼まれた。
で、クジラを見たあと沖縄本島を取材。クルマを借りてのドライブ取材だったのでいろいろなところを取材してまわった。これが面白いところだった。それまでに出会ったことのない日本のような、異国のような、同じようで違う文化持ったなんとも不思議な島だった。この旅……いや、取材で全然興味のなかった沖縄にすっかりハマってしまった。
青い海、青い空、広大なパイン畑、どこか懐かしい集落、人懐っこい人たち、沖縄そば、ステーキ、etc…… すべてが新鮮で面白かった。
なかでも実に子供たちがイキイキしていた。外で鼻を垂らして走り回っていた遊んでいた、自分たちが小さい頃のような、子供らしい子供がたくさんいたのだ。そんな子供たちを見ているだけでもホッコリさせられた。
そして沖縄に住むようになってから、カメラ片手にいろいろなところに撮影散歩をするようになった。そのときにもだんだんと子供たちの姿を撮ることが多くなっていった。
そんななか、友人の開催したイベントで撮った一枚がこの写真。平成の世とは思えないほどになんとも雰囲気のある写真が撮れた。被写体の勝利と言えばそうなのかもしれないけど、自分的にはとてもお気に入りの一枚となった。あ、なんかこんな空気感も含めた子供たちのイキイキした姿を残していきたいなぁ、と思った。このときから自分の写真のメインテーマは子供だなぁと決めたのである。
それがいまの出張撮影の仕事につながった。
そのときにしか見ることができない子供の笑顔や、なかよく家族がみんなで遊ぶ姿を残したい。そのお手伝いができたらなぁ。そんな思いで出張撮影の仕事を始めた。その気持ちは忘れずにこれからも幸せをカタチにして残していきたい。
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