物欲の適齢期 その1 「定番品であること」
40代に入り、自分史上、今が全盛期と感じていることが「物欲」です。
体力や頭髪の毛量など、衰えの兆しがところどころ見え始める年代ですが、こと「物欲」に関しては、最近になってようやく成熟してきたと感じます。
全盛期といっても、かつてなく欲しいモノが溢れている・・とか、より高級なものに対して欲求が増してきた・・・というような話ではありません。
40代に入り、ようやく「自分軸」での価値判断ができるようになったというお話です。
人気、流行、限定、完売品、〇〇愛用・・・の落とし穴
20代〜30代までは、物欲の基準は、人気があるから、流行しているから、限定(数・場所・コラボ)、完売品・希少品かどうか、有名人も持っているからといった理由が、物を購入する際に大きな影響力を発揮していました。
根は貧乏性な自分と、希少品とのミスマッチ
例えば希少なブランドのシャツと、毎シーズン買える無印良品のシャツ。
元来、貧乏性な自分としては、出番が多くなるのは圧倒的に後者です。
なんといっても汚れや傷みを気にせずに、何かあっても気軽に買い替えられるからです。
そしてこういう服に限って、気になるほど汚れずに、どんどん体に馴染んで着心地が良くなります。
反対にお気に入りのシャツは、ちょっと特別に思う日に着るのですが、こういう時に限って醤油をこぼしてしまったり、汚さないようにとシャツに注意が向いていて、肝心のその日を楽しむことができなかったり・・・楽しい1日を過ごすために選んだ洋服が、その日の気分を台無しにしてしまうことがありました。
定番品を持つことで日々を楽しめる
無印良品のシャツは一つの例えですが、洋服の他に道具でも、家具でも、自分にとって背伸びではない、気兼ねなく遠慮なく身につけたり、使えるというモノ選びは、その日・その時間を楽しむことに対してとても役立つことです。
スティーブ・ジョブスのエピソード然り、毎日同じ服、あるいは定番の服装のパターンを持つことは意外よメリットがあるモノです。
服装選びに悩む時間を減らす、好きでもない服/コーディネートを無理してしなくて良くなる、いつも同じ服というイメージで他人からキャラとして認識される・・・といったメリットが発生し得ます。
私の服装の定番品としては、ネイビーのトップス/アウターです。
定番品であり、第一のルールです。
あとはそれに合わせるパンツはネイビーかグレーのどちらか。Tシャツもしくはシャツは白のみとなります。
その日の行動内容や、会う人、天候などによって、適した服のチョイスがあるので、用途ごとに選ぶだけの服はありますが、色は全てネイビーです。
昔はブラックやカーキ、その他に差し色となるようなアイテムなどを持っていたこともありますが、この数年で全て一掃して、ネイビーの服に徹底しました。
ネイビーが一番好きな色なんだから、毎日ネイビーでいいよねっていう発想です。
組み合わせも単純化していくと、この服とこの服の色が合わない・・・といったストレスがそもそも発生しなくなり、クローゼットもスッキリ。
新しい服が欲しくなっても、ネイビーがなければそもそも検討すらしなくなり、とても楽です。
反対に、メルカリやヤフオクで探そうとするときに、最後に”ネイビー”という検索条件をつけるだけで、検索も楽になります。
定番品は人によって異なる
そもそも定番品というのは、あくまでもその人にとって、という側面のものなので、誰にも共鳴するものでは全くないと思います。
ただ、”自分なりの定番品がある”ということ自体は、おそらく多くの人にとって、日々の生活の中で役立つ生き方の一部なのではと思います。
今回は、私の物欲を構成する考え方の一つ、『定番品』についてです。
そして、記事の表紙は、定番を持つことについて、考えるきっかけになった一冊。雑誌 POPEYE 2012年11月号でした。