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30歳の記念にリングを買う(試着の旅と購入に至るまでの自問自答)

30歳の記念にリングを買ったよ〜〜〜!💍❤️‍🔥👏

今回は、石橋を叩きすぎて割れてしまい迂回して結局元の目的地に辿り着くような性格の私が、記念リングを購入するまでの約4ヶ月間の試着旅と感想を書き連ねた記事となっています。全13,000字超え!

ジュエリーとしてリングを買うと決めたのは結婚指輪以来の私、どんなものが着けたいのか皆目検討もつかないところから購入に至るまでリングのことを考え続けた結果、自分自身について考えることになった。そんな記録を残しておきたいと思い、書きました。試着しては書き、試着しては書き、なので、心の声はその当時のものです。

目次から飛べるようにしています👼🪽「小休憩✍️」は試着の間に感じていたことなどを、思いのまま綴っています。
なお、画像はちょこちょこ入れていますが着画はありません🙇‍♀️

はじまり

先日30歳になった。

記念に何か買いたいな、と昨年6月くらいから構想をしていた。
好みのテイストが変わるのは仕方ないにしても、素材や日常使いができるかの観点から一生使えるものがほしい。

となると、やっぱりジュエリー。

ネックレス、ブレスレット、腕時計、ピアスは、親から譲り受けたものやプレゼントしてもらったものがもうある。もしかしたら、いつかは、このうちのどれかも自分で買う日が来るのかもしれないけれど、今は自分が持っているもので十分。

ってことは、リングだよね🥹❤️‍🔥と、まずはインターネットで情報収集し始めたのが昨年12月。試着に出かけ始めたのが4月。

前々からリングをいろんな指に着けるファッションには憧れがあったので、いろいろ安いものを買って楽しんできた。最近だと、サージカルステンレスのものをいくつか着けたり。

でも、どうしても、プラチナとダイヤモンドで構成された結婚指輪の隣では、どことなく浮いてしまう感覚があった。結婚指輪と一緒につけてシームレスに馴染むもの、且つ、自分が最高にときめくものがほしい!

ということで、試着した数々のリングの長い長い記録です✍️
ちなみに事前の情報収集で、予算を30万円までと区切ってしまうと出てこないお品物がたくさんあることがわかったので、一旦50万円までに設定しました(ちょうど還付金もあったしね✌️)。気持ちとしては、30万円くらいでおさめたい!

もちろん!毎度のことながら全て個人の感想で、「私には」似合わなかった、「私の」好みでないというだけなので、これらのアイテムやブランドを愛している方を否定する気持ちは一ミリもありません!
あと、今の私と1年後の私は、変わらない部分もあれば変わる部分も当然あると思う。今こう言ってても、1年後ころっと意見変えるとか全然ありえると思うのであたたかく見守ってください……!

001〜003 カルティエ

母がお財布を使っているのを見てから、かれこれ十数年密かにずっと憧れていたカルティエ。30歳といえばトリニティだし(?)、ホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールドの3連だから何にでも似合いそうだし、あのむちっとしたシルエットを人差し指につけたい。
カルティエ入るの初めてだから緊張するなと思いながら、でも!今日は!カルティエの試着するぞと心に決めて来たのです!私買うかもしれないので!とずんずん入っていく。クラシック、SM、7連の3種類を試着。号数伝えてないのに一瞬私の手元を見ただけでぴったりのサイズを出してくれる販売員さんはやはりプロ。
クラシックは存在感すごかった。つけた右の人差し指がむっちり。くるくると入っていくってこういうことかと実感。思っていた以上に軽くて、良い意味で着けている感が無い。対してSMはさっきのよりは細い!という当たり前の感想。手元で見ても鏡で見ても、私にはSMの方が似合っている気がした。指輪はため息が出るほど素敵なのに、私に着けられる前の方が輝いていたように見えた。7連は、事前に調べた時「ウェーブ?」と思ってたものだった。ちゃんと一体になって見えるのかしら?と心配していたけれど、根本までぴたっとハマったときのウェーブの美しいこと美しいこと。でもやっぱり、私に着けられる前、ケースに入っていた時の方が美しく見えてしまった、悲しい。

「サイズ違うだけでしょ?」と思ってたけれど侮るなかれ。試着しないと絶対にわからなかったこの三者三様。

004〜006 シャネル

カルティエを出たそのままの勢いでシャネルへ。事前に調べたからね!という準備できている感と、私は50万円くらいまでなら出しますので!という本気に助けられた。
ココクラッシュミニ(BG、WG)とココクラッシュミディアム(WG)を試着。あ、このコーディネートいいなと思ってよくよく手元見たらココクラッシュを着けていらっしゃる、ということが頻発していたので、絶対に試着したいと思っていた。
ココクラッシュミニ(BG):可愛い!やっぱこれくらいの細さだよね。ピンクゴールドにしては肌馴染みいいな?と思ってたら、ベージュゴールドだと教えてもらった(事前に調べていた、とは)。そういえば、試着レポで見たことある。ベージュゴールド、可愛いな。
ココクラッシュミニ(WG):と思ってたけど、着けた瞬間膝から崩れ落ちそうになった。あぁ、私はやっぱりシルバーの女……!断然似合ってる。輝いてる。指輪も私も。
ココクラッシュミディアム(WG):魔女みが増すね……!?これくらいの太さを着けられる人への憧れはあるけど、似合わないかもなぁ……とそっと戻した。
その後、再度ミニを各色着けさせてもらった。ふと思い立ち、右の人差し指から左の中指に着け変えたらはっとした。こっちの方が全然いい!なんとなく浮いた感じだった以前に比べて、今は結婚指輪と輝かせあってる感じ?BGもよりつるっと感が増した。WGはぎらりと艶が出た。

小休憩✍️

インターネット徘徊していて目がいくのはホワイトゴールドが中心。それと、よく知られているブランドから検索をしている。
元来私は目立ちたくて目立ちたくなくてやっぱり目立ちたい。そんな人。わかりやすいモチーフを好まない母に対して私は結構好きかもしれない。でもブランド名がどーんっと載っているものよりは、言わなくてもわかる人にはわかる、そういうのが好きみたい。

あとは、ストーリーをめちゃくちゃ大事にしているんだなと気づいた。たとえば、両親の誕生石を組み合わせたリングとかでも良いなと思ったり(検討して今回はやめたけど)。モチーフを重視するのは、そのブランドのストーリーが込められているからかもしれない!とはっと気づいたときはひとつのブレイクスルーだった。

007〜016 MARIHA

10個ほど試着。え〜〜〜!カラーストーンめっちゃ可愛い〜〜〜!!
リングを買おうと決めた時真っ先に頭に浮かんだのがカルティエトリニティとシャネルココクラッシュだったから、地金ものばかり探していたけれど、カラーストーンつきめっちゃ良いね!?と開眼したのがMARIHAだった。快くたくさん試着させてくれたお姉さんありがとうございます…!

自分でもびっくりしたのはガーネットのリング。濃い色似合うと思ってなかったけど良いね!?良いよ!?今回の試着旅で初めて品番控えてもらった。

017 VERSACE

ローファーを見ていたら勧められてファッションリングも試着。「……」と店員さんも私も思わず空白の時間に浸るほど似合ってなかった😂けれどいいんだ、憧れのゴツめリング試着できた。「お指が綺麗なので細めのものが似合いますよ」と言っていただいた。

018〜020 DAMIANI

びびびっと雷が鳴ったのはDAMIANIでマザーオブパールのリングを着けたとき。え〜〜〜可愛いんだけど〜〜〜!?ぶっちぎりで暫定一位。MARIHAのおかげで、大きめモチーフが付いている場合は地金の色より石の色が大事だと知れたからこその試着だった。まだ20本くらいしか試着してないのに買っちゃう!?と脳内会議が激しく行われた一本。

ウェブサイトより

021〜024 ティファニー

実はDAMIANIちゃんに出会う前に密かに本命がひとつあった。それは、ティファニーTのワイヤーリング(マザーオブパール&ダイヤモンド)。まだ地金のみのシンプルなものにしか目がいってなかった頃、唯一保存していた石付きのもの。それが、ほんっとーに可愛かった。Tワンリング(イエローゴールド)もマークしていなかったけれど話の流れで着けさせていただいたらこれまたもうとびっきりに可愛くて……。DAMIANIからのティファニーでズッキュン案件が立て続けに起こり先が思いやられるなぁと贅沢なため息をついた。

ウェブサイトより

025〜030 Van Cleef & Arpels

スンッとされていて少し話しづらいかも?と思った店員さんだったけれど(ごめんなさい!)、「マザーオブパールで見せていただけませんか」と相談したらいろいろ持ってきてくださった。「お似合いになると思います」と差し出されたリングはそれはそれは豪奢品で、なんと280万円!今の生活スタイルには当然合わないんだけど、別に着けたっていいんだよね、何を精神的に勝手に制限してたんだろうか、私は。

031〜034 FENDI

ファッションリングを試着。うん、普通に可愛い!でもそれよりもローファーが超好み!🤤

035〜039 GUCCI

こちらが何も言ってないのに出してくださった店員さん、わかってるぅ〜!マザーオブパールのリングに悶絶した。今のディレクターさんに変わってから、上質なものを少なく売る方針に変わったらしく、同じサイズのものが国内に3点ずつしかないらしい。早めの決断が……迫られますねぇ……。

040〜045 BIZOUX

百貨店のラグジュアリーフロアに入っていて事前に調べていたブランドは一通り見れたので、もう少し価格帯を下げて見てまわることに。BIZOUXでいろいろ見せていただいたおかげで、カラーストーン付きのものにやっぱり惹かれるんだなぁと再認識できた。色味はブルー系よりはピンク・赤・白・透明系がしっくり来る。外見的にというのもだけど、それ以上に自分の心と。

046〜051 AHKAH

「モチーフが目立つような、一癖あったり存在感が強いものに惹かれています」「お客様は細いのがお似合いだと思います」のやりとりで、およよ?となったけれど、とりあえず出してくださったものを順番に着けていくと、そうね、細いの似合うよ、私……!わかっているのだけれど、魂が震えなかった。これが「好き」「似合う」「なりたい」を考慮するということか!

052〜058 HIROTAKA

「これはいかがですか?お似合いになると思って」と突然手渡されたのがDAMIANI、ティファニー、GUCCIに続く雷びびび案件⚡️今までノーマークだったパール!可愛いね!?「お客様は柔らかい雰囲気があるので」とのこと。
他人から見た「似合う」は雰囲気と外見、自分から見た「似合う」は心と外見。私は欲張りなのでどっちの「似合う」もほしい!
あとね、HIROTAKAの良いところ(店舗による)は、全身鏡があるところ。手元で見る、卓上鏡で見る、とはまた違う印象を受ける。コーディネート全体で見ると指輪ってちまっとしたサイズ感なのに、着けるのと着けないのでは全然印象変わる。すごい。

小休憩✍️

この時点で、ずっとあのDAMIANIちゃんが頭から離れなかった。その次にティファニーとGUCCIがぴかぴか頭の片隅で光を放っている。DAMIANIは代々家族経営だというのは自分の価値観に合致していて嬉しいけれど、気に入ったデザインに某ハリウッド俳優さんが関わっているのが引っかかる。着けている間ずっとその人の顔がちらつきそうだなと思った。
あとHIROTAKAも密かに気になっている。上品で洗練された印象で且つ王道じゃない感じ?というか。
もう1ブランド、まだ試着できていないけど頭の片隅を占めていたのがポメラート🤤憧れが募りすぎてまだお店に入れてもいないけれど、特に注目していたのがイゾラ。ポメラートで試着するまでは、何も買えない🫠

小休憩その2✍️

やっぱり私は目立ちたいのかなぁと今回いろんなリングを試着するなかで感じる。糖衣の自分は「みんなが笑顔なのをみるのが好き」「私はうまくサポートができたらそれでいい」「穏やかにひっそりと暮らしたい」って言うと思うけど、本心は「私がスポットライト浴びたい!でも常に表舞台に立ってパパラッチに追いかけられるというよりは、街でのすれ違いざまに『え、あの人ってもしかして…?』とわかる人にはわかるような知られ方をしたい!」って叫んでる

(この気づきを経て当時のコンセプトに違和感を持ち始めた)

調べたコンセプトたち✍️

ポメラート→ 「プレシャスでありながら日常に寄り添うジュエリー」

DAMIANI→ 「自然は私たちに多くの美しい物をもたらしてくれる。私たちの仕事は、それらをより美しくすることだ。」

HIROTAKA→「東と西の風が行き交う交差点で見つけた不思議な形、熱帯の森で輝く動植物の素晴らしくも奇妙な美しさに、飽くなき興味を注ぐひとときがインスピレーションの源になっているHirotaka。それらをより抽象的、都会的に削ぎ落としたシックなスタイルを提案しています。」

全部のブランドがはっきり打ち出しているわけでもなかったりして探すの意外と難しかった

059〜065 ポメラート

リングの力に圧倒された。
この試着旅で初めてかもしれない。自分の指にまるで猛獣が降り立ったかのような、凄まじい引力をリングが発揮しているかのような。そんな感覚に陥ったのは。イゾラ、ヌード、トゥギャザーを試着させてもらうなかで、今の私の器では手に負えない、扱いきれないと強く強く感じた。どれも素敵だった。素敵だったからこそ。

066〜071 HIROTAKA(2回目)

以前気に入ったものと、その一回り小さいものと、新しいデザインと、で3本。ここで初めて着画をこれまで撮っていないことに気づいたので撮影させてもらう。ずっと人差し指か中指に着けるつもりで探していたけれど、たまたまサイズの関係でピンキーリングも着けさせてもらったらこれも良きでしたね〜沼ですね〜🤤

072〜073 ティファニー(2回目)

ティファニーTのワイヤーリング(マザーオブパールのみ)を着けさせてもらった。うーん、可愛いよ!可愛いけれど、ダイヤモンドが付いてたほうが好みど真ん中だったなと感じる。そういえばこれまで気に入ったマザーオブパール付きのリングは全部ダイヤモンドが付いてたなぁ。

小休憩✍️

試着のたびにちまちまつけていたメモを見返しながらこのnoteをまとめているのだけど、この時期の自分がとても強い口調で写真の大事さについてメモしていて思わず笑った。

「ここで自戒。写真は!できる限り!!撮りましょう!!!」

074〜075 MARIHA(2回目)

一点ものも多いMARIHA。前回とはまた違う石、違うデザインのものを見せていただいた。ひゃーん可愛い。ぐるっと一周じゃなくて、少し間が空いているようなデザインがほどよく抜け感が出て好きかも。

076 HIROTAKA(3回目)

何回試着するの?と思われましたよね、私もそう思う。でも仕方ない、これを買おうと決めるにはまだもう少しお付き合いが必要だと感じていたから。

077 GUCCI(2回目)

国内に3点ずつしかないと聞いていたリングに再会できたよ!再会できた喜びとやっぱりびびっと⚡️来て「買います」と口から出かかった。今見返していても可愛いんだ〜〜〜。

078 DAMIANI(2回目)

すっとはめる。やっぱりあなたよね、と言いそうになる。でも、不思議かな写真で見ると少し違和感があるんだな〜。うーん。むちっと感というか、もりっと感が足りない?

079 ティファニー(3回目)

懲りずに最初にフォールインラブしたティファニーTワイヤーリング(マザーオブパール&ダイヤモンド)をまた試着。やっぱりあなたね!と今度はこの子に言いそうになったけれど、写真で見るとこの直線感が若干気になるかも?と思うように。

080〜081 TASAKI

HIROTAKAでパールに目覚めたときからTASAKIも気になっていたので試着。エッジのきいたデザインがいいね!!イエローゴールドがイエロー感強めなのでどうかな〜と思う理性の自分と、これくらいだったらどうにかできるんじゃない?と囁いてくる感情の自分に板挟みになった。(でも今思うと、「どうにかできる」は「100%愛せる」ではないね。)

ウェブサイトより

082 MESSIKA

リング試着旅を始めてからその名を聞くようになったMESSIKA。その特徴は華美でユニークなデザイン。これもね、正直素敵なんだけど、ヴァンクリで280万円の着けたときと同じ感想。私の生活スタイルには合わないけど、こういうの別に着けたって良いよね!

083〜085 ショパール

はい、雷びびび案件⚡️というかむしろなんで今までノーマークだった!?ハッピーハート最高〜〜〜!❤️‍🔥そういえば記憶を手繰るとこのシリーズのネックレスにやたらと惹かれてた時期があった。

086〜087 ブルガリ

「お似合いになると思いますよ」と出していただいたのは、密かに憧れてたディーヴァ。これはポメラートと同じ感想、、リングの力に圧倒された。ポメラートしかりブルガリしかり、20年後にこの猛獣たち🦁を飼い慣らしてさらっと着けられるような重厚感(見た目の話ではなく、歴史・歳月の意味)のあるマダムになりたい🧙‍♀️

ウェブサイトより

調べたコンセプト✍️

ショパール(ブランド)
・家族の物語
・生きる喜び
・ハピネスの追求
・人類への信頼
・本質的な楽観主義

ショパール ハッピーハート
・ビッグハート
・寛大さ
・他人への思いやり

小休憩✍️

考えれば考えるほど、どれが自分らしいのか、自分がほしいものなのかわからなくなってきた。手の届きやすい価格帯であればどこかで妥協していたのかもしれない。でも、なかなか更新しづらい価格帯だからこそ、真剣にならざるをえない。そして本当は、どんな買い物もこれくらい真剣であれると良いとも思う。

華美なものは日常で使いづらいからと敬遠する理由を分解していくと、単純に他人の目が気になるからだった。そしてそれは自分の目を気にしているのと表裏一体だった。その場の"常識"を考えたほうが良いと他人に言われるかもと思うのは、自分が自身にそう課しているから。分不相応だと言われるかもと思うのは、自身のだらしなさや浅ましさに素敵なものが見合わないと感じるから。

一方で、目立ちたいという気持ちが捨てられないのも事実なのだった。本当は私は脚光を浴びたいと思っている。「あの人はなんでいつもあんなに美しく聡明なんだろう」と思われたい。「なんでもできるよね、信頼できるよね」と思われたい。それは、私が私に対してそう思いたいことの裏返しでもある。

目立ち方にもこだわりがある。手の届かない存在というよりは、「話していてすごく心地がよかったから家に帰って調べてみたら実は偉業を成し遂げていた」そんな人に強い憧れがある。知る人ぞ知る人。恥ずかしさを捨てて言語化をすると、そういう人になりたい。

自然体で聡明で美しくミステリアスな、知る人ぞ知る人。相反するように聞こえるかもしれないけれど、そういう存在になりたいんだ、私は。

(ここでコンセプト改定。外見に真剣に向き合うことが、内面を深く掘り下げることになった!)

088〜094 ショパール(2回目)

ピアスがつけられるようになって最初に母がプレゼントしてくれたのは、ピンクゴールドのハートが三つ連なったピアスだった。そういうエモい記憶とショパールのコンセプトが合致したこと、試着していて最高にテンションが上がったこと、写真で見返しても違和感がないこと、エシカルゴールドなので罪悪感が少ないことから、この時点でショパールが一位に躍り出ていた。
店員さんに勧められるまま、ハートがひとつついたシンプルなデザインのものを重ね付けする。はっと息を呑んだ。可愛すぎる。
そして、事前にリサーチしていたピンクオパールのものをつける。インターネットで見たときは正直「これだ!!⚡️」と思っていたけれど、つけてみたら拍子抜けした。あれ、思ってたのとちょっと違うかも?他の石もつけさせてもらって、ピンクオパールは候補から外した。
…はずだったのに、写真を見返すと圧倒的にピンクオパールが可愛い。私らしい、と感じる。もう心はほぼ決まった。
アイスキューブも着けてみたけど笑えるくらい似合わなかった、憧れ消化。

小休憩✍️

それにしても、ひとつに決め切るのはこんなに難しいのか、と、ほとほとため息が出る。今は手軽にいろんな情報を摂取できる時代だからこそ、自ら考えきって決断する練習を日々怠っていたな、とこの試着旅を通して反省した。

ひとつに決めるのは、責任を負いたくないからだと思う。たとえば、外食する際に「ここにしよう」と私が決めることはほぼゼロに近い。もし行ってみて良い時間にならなかったら、その全責任を自分に課してしまうから(他の人にそう感じるわけじゃないのに)。ひとつの意見を言った後にいろいろ付け足してしまうのは、逃げ道を確保しておきたいから。

決断は決めて断つと書く。でも私はずるい人間なので、いつでも言い訳できるようにしているしすぐに逃げたくなる。何か起きたときは間髪入れず「私のせいじゃない」と言ってしまう。決めること、ひいては責任を負うことは苦しいし可能な限りやりたくない。でもそうやって逃げてきた結果、私はだらしなさや浅ましさを自分のなかに許してしまったし、そこから目を背け続けることで自分を信頼できなくなってしまった。自分を信頼できないから決断しない、だからますます信頼できなくなる。そんなループに嵌まってしまったと30歳になってようやく自覚した。

私の憧れる人物像はこんなんじゃない。もう、こういう生き方はやめるんだ。

小休憩2✍️

前回のショパールの試着から随分日が空いた。理由は忙しかったこと、元気がなかったこと、決めきれなかったこと。次行く時は買いたいと決めていたから、悩みすぎてそもそもリングなんて買わない方が良いんじゃないかとまで思った。そして日が空いたことで季節は夏。今年は今までよりもさらに暑い。ふとこれまでの試着で店員さんに言われたことを思い出す。

「この石は汗に弱いので」「手を洗うときはなるべく外してもらって」

私めちゃくちゃ汗かくのに大丈夫?身につけるジュエリー、いつも落とさないか心配しているのに手を洗う度に外すことできる?

自分の性格も加味すると、地金オンリーか、付いていてもダイヤモンドくらいまでしか今の私には扱いきれないと感じた。それに、私、記念品だからって一点集中で探しすぎていたんじゃないかな?とも思った。
今の私がほしいのは、日常に馴染むもの。自分の目も他人の目も気にしなくて良い、心地よく身につけられるもの。そして、これから年を重ねるごとに積み上がっていく思い出のように、リングも今回が終わりではなくてこれからまた年を重ねるごとに買い足していきたい。

095〜097 シャネル(2回目)

今なら行けると急遽店舗へ。地金のものと思ったら脳裏によぎったのはココクラッシュ。諦めきれず3本試着。ミニのダイヤなしとダイヤあり、そしてミディアム。ミニの2本付けが強烈に可愛かったけれど、値段がぜんっぜん無理だったのでそっと戻した。ミディアムは以前つけたときよりもしっくりきて、それは試着で鍛錬を積んできたからかなと思った。

098〜100 ブルガリ(2回目)

その勢いのままブルガリへ。セルペンティとブルガリのロゴが入った2本の計3本試着。セルペンティは結婚指輪とリンクしているような形で意外や意外しっくり。でもときめきまでには至らなかった。

101〜104 ポメラート(2回目)

前回言い出せなかったイコニカを4本試着。ポメラートは全体的に指輪が分厚くてそれが合わないんだなと今回冷静に判断した。

105 ティファニー(4回目)

ネットで見かけたラブリングが可愛くて試着。可愛い!でも今回私が目指す方向性とは少し違った。

106〜107 Van Cleef & Arpels(2回目)

重ね付けする方向性ならヴァンクリのペルレも良いかなぁと試着。ミディアムとスモールをそれぞれ着けてみたけれど、うーん、ナニカガチガウ……。

108〜110 カルティエ(2回目)

この試着を始めたとき、初めて訪れたのがカルティエだった。当時はしっくり来なかったけれど、今だったらどうだろう?と思って再訪。トリニティのクラシックとスクエア、クラッシュの計3本着けさせてもらった。そしたら、なんか、初回の試着と入ってくる情報量が全然違った。じっくり眺めれば眺めるほど、心がすんと落ち着く感じ。あぁ、これを探していたんだ、という確信。同時に心が浮き上がるようなときめき。私はこれを買う運命なのかもしれない。

111〜112 カルティエ(3回目)

もう買うつもりで行った。心臓はばくばくし、冷や汗をかいていた。最後にスモールとクラシックをつけ比べて決めようと思った。
結論、今回では決められなかった。手元で見るのと鏡で見るの、スモールとクラシックどちらも良さがある。相対的な評価じゃなく、絶対的な評価で一本を選び取らないといけない。お店で悩みすぎるのも良くないと思い、一旦退散させてもらった。

小休憩✍️

金額で悩んでいるんじゃないみたい。これを買って本当に愛せるか。手に入れて満足しちゃわないか。何か言われて嫌な気持ちになるんじゃないか。それが心配みたい。或いは、早く終わりたくてもうこれで終わりにしようとしているんじゃないか。つまり怠惰の表れなんじゃないか。

4月に初めてつけたときは、何もかもわからなかった。ジュエリーの世界に足を踏み入れたことがなかったので解像度が低くって、「素敵な気もするし何だかこれじゃないような気もするし」と思っていた。その後、結構幅広く試着したと思う。石付きも検討した。でも何周か回ってこれからも重ねていく前提で買いたいという気持ちが出てきた。そんな折にもう一度トリニティをつけたとき、これ以外無いんじゃないかと思った。「愛情、友情、忠誠」を表すトリニティ。

太さに関しては日常生活でスモールとクラシックをつけ比べするわけじゃないしなとも思う。つまり、クラシックをつけたあとスモールをつけると物足りなく感じてしまうのだけど、スモールを買ったとしたら毎日スモールしかつけないわけで、ものたりなく思う隙がないんじゃないかと。でも、クラシックのボリューム感を写真で見ていつも良いなと思っている。だから、後々やっぱり大きすぎたと思う日が来たとしてもクラシックを買った方が自分で納得するんじゃないかと。

そして、購入

今までの全ての試着画を見返し、ぐるぐる悩み、最後は自分の直感と気持ちを大事にしようと決意し、カルティエのトリニティ(クラシック)の購入に踏み切った。予約をして訪れ、店員さんとサイズの相談をしていたときはまだ浮ついた気持ちで、これから買うのだという実感が湧かなかった。お会計を終え、袋を手にし、お店の外に出てようやくじわじわと喜びが込み上げてきた。
やっぱり今の時点ではこの子しかいなかった。つやつやうるうるの今も、傷が入っていく過程もその先も愛していこう。

おまけで香水をいただいた
かわいいね、かわいいね、

おまけ:購入してから少し経って、今思うこと

カルティエのトリニティ(クラシック)をお迎えしてから少しばかり経った今。店員さんのアドバイスで左右計4本の指に着けられるサイズを選んだので、その時々の気分と浮腫み具合によってつけ替えながら楽しんでいる。先日はついに仕事場にも着けていったけれど咎められることもなく、自分でも周りの目を気にすることもなく、心地よく一日中着けていられた。卸して2日目くらいまでは手を洗うのもドキドキしていたけれど、今は家事やお風呂の時は外しそれ以外の時は基本的に着けて気楽に過ごしている。
夏の暑さで蒸れるかなぁと少し気にしていたけれど、トリニティはそのデザイン上3本の間に少し余裕が生まれるので予想よりも快適に夏を過ごせている。

そしてやっぱりサイズはクラシックにしてよかった。今は手元で見ても購入当初よりは大きさが気にならないというかこの大きさが愛おしいし、全身鏡で見た時に存在感があって美しい。結婚指輪が細めなので、時計をつけたりピアスをつけたりして、あちらこちらにボリュームを出すことでトリニティを馴染ませている。こうなってくると、細めのリングを買い足したくなってきたり、今持つピアスをアップグレードさせたくなってくるけど、それはまた来年以降の私に託そう。

試着100個チャレンジ、達成できないんじゃないかって思っていたし、50個と100個でそんなに差が出るのか正直わからなかった。でも、100個を超えたとき自分のなかに入ってくる情報量の圧倒的な違いに気がついた。そして、1回目の試着でしっくりこなかったものも再度チャレンジすると不思議と違う気持ちになることもわかった(その逆も然り)。

そして、一本を選び抜く難しさと覚悟を改めて知った。その過程で、自分自身に向き合う必要性も強烈に感じた。「なりたい」「好き」「似合う」はなんとなく認識しているだけでは全然ダメだった。自分の価値観、日常、生活スタイル、性格、傾向、居住地、予算。これらを考えることは引いては人生を考えることで、今まで見ないように蓋をしたり糖衣で覆い隠したりしてきた本心を露わにする必要があった。

「やっぱりリングほしいよね🥺❤️‍🔥」と思っていた頃から随分と長い旅をしたように感じる。そうしてようやくお迎えし、日常となった今、私は自分をもう少し愛せるようになった。


おまけのおまけ:これからリングを買う方へ

今回ご褒美リングを買うという私にとって大きな出来事を終えてわかったことを最後に共有してこの記事を締め括りにします✍️

まず、許可をもらえたら着画は絶対に絶対に撮ったほうが良いです!!着けたいと思っている指に着けて一枚ずつ(できたら左右両方試してみると◎)、少し離れた鏡(バストアップで写るくらい)で一枚、可能なら全身鏡で一枚。撮影時なるべく自分の肌の色が実物と同じように写るようライティングやカメラを調整できるとなお良しです。後々振り返ったときに冷静な判断ができます。

急ぎでないのなら季節を跨いで試着をした方が良いです。冬と夏だと指の太さも違うし、服装もまるで違う。特に手元の写真は手首にかかる袖の生地感で指輪の雰囲気が全然違って見えます。

普段着けているジュエリーや時計は着けたうえで試着に行くと、より日常生活に馴染むかどうかの判断がつけられると思います。ヘアメイクについても変に気合いを入れず普段通りのほうが私は判断しやすかったです。ネイルの色でもかなり雰囲気違って見えるので、複数回同じものを試着するときはなるべく変えた方が判断がつきやすいかもしれません。

もしお近くに寄ることがあれば、伊勢丹のアテンドサービスはぜひ利用してみてください。違うブランドのものを横断的に心ゆくまで試せるのが魅力的ですし、自分が入りづらいと思っているお店のものもアテンダントさんが取ってきてくださるので、気軽に試着ができます。個人的には同じライティングのもとで比較できるのがかなり参考になりました。また、通常ならお店に入るごとに店員さんに事情を説明してサイズを見てもらって、、としなければいけませんが、アテンドサービスだとそこを端折れるので気持ちが楽でしたし、試着の本数の割には時間も短くて済みました。
事前のフォームで細かめに共有をしておくことで、開始時点から求めていた雰囲気のものを取り寄せまでして取り揃えてくださっていたので、まずは自分で複数店まわってみて試着の感覚を得ることと、その時に気に入ったものや気に入らなかったものを含めてフォーム記入を丁寧にすることをお勧めします。

サイズは「今ぴったりの方がいい」「将来を見越して大きめを買った方いい」と店員さんやブランドによって言うことはバラバラです。私は買ってからしばらく着けてみて、今(の夕方時点で)ぴったりのものを買うで良いと思いました。そのほうが綺麗に着けられるから。でも、私のように心配なら、サイズ調整ができるデザイン且つ今着けたい中で一番太い指に合わせる、とすると、安心かなと思います(答え合わせは20年後!)。

少しでも皆さんの参考になっていたら幸いです✨


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