2024。スーパーヒーロー。
お疲れ様です。
長くもあり短くも感じた2024年シーズンが終わりました。公式戦61試合と親善試合のニューカッスル戦を合わせて62試合を終えました。
夏頃にはシーズン終盤と勘違いするほどの疲労感を感じることもありましたし、朝起きて今自分が日本のどこにいるのか一瞬わからなくなるくらい短いスパンで多くの試合を消化していきました。
ここ10年ほとんど大きな怪我の離脱も無かった僕でしたが今年は大小含めたら4回の離脱がありギックリ腰に至っては2回もありました。これはもう自分自身の認識の甘さ以外の何者でもありません。原因は2回目でようやく理解ができたというのが正直なところです。
もう1つはこれまでやってきた練習とは比べ物にならないくらい練習強度が高く、かなりの負荷があって自分が思った以上に自分の身体は丈夫じゃないことに気付かされた1年でもありました。
僕は結構ドMなんでキツい練習は好きな方なんですけど余りのキツさに何回か我を失ってキレそうにはなりました。笑
それでも怪我をしたことによって得た大きな発見があり最後に復帰してから今日までは今まで感じたことのないくらい手応えを感じることができているのでもう既に来年が楽しみで仕方ない状態です。
例年通りシーズンオフは重点的にウェイトトレーニングを増やせる絶好の機会なので身体を壊さない程度に強めに負荷をかけて自分の成長を楽しめたらなと思っています。
不完全燃焼。
これに尽きます。肉体的、精神的にまだまだ自分には一流と呼べるモノが備わっていなかったというだけです。全てにおいて物足りないと皆さんもきっと思ったでしょうし、自分自身が1番実感しているので大丈夫です、安心してください。笑
決して自分を卑下している訳でも悲観している訳でもありません。またそうやって自分を。とか心配しなくて大丈夫です。事実として認識して受け止めているだけです。
その反面、
やったったぞ。みたいな試合も沢山あったとは自分自身も思っているのでそういう試合をもっと沢山作りたいなあとそのくらいポップな感じで考えていますのでどうか心配だけはしないでください。
なるべく物事の良い部分を捉えて生きていきたいところなんですが気付くともっとできたな、もっとやれたなとか毎年そんなのばっかでそろそろ本格的にそんな自分を卒業しようと思っています。
しれっとサポーターが選ぶ月間MVPをもらえてたり、とんでもないスピードでチャントを作っていただいたり、終盤の湘南戦では皆さんが示してくれたビックフラッグ。涙が溢れ落ちそうでギリギリ落ちませんでした。もう少しでした危なかったです。あんなのボンバーさんでも無かったですよ。って絶対に知らないであろう井上健太が言ってました。すまん健太。
多分ですけど今ちょっと僕に対して
あれなんかこんな感じだったっけポープって思っている方きっと多いと思います。そうです。僕って本当はこんな感じなんです。とにかくふざけるのが好きで人とワイワイするのが好きなんです。シーズン中に藤尾のインスタにコメントして炎上したポープが本来のポープです。
俺の可愛いい可愛いい弟分が炎上してるから上手にコメントしてあげようなんて軽い気持ちで深く考えずにやった結果がアレです。バカを必死に隠しながら生きていきながらも要所要所で出てきちゃうやつです。
さすがにちょっとは炎上するかなとは分かっていましたけどGKの自分がああいうコメントをすることで意外に選手はそんな大した問題だと捉えてないんだなと思ってもらえるかな、なんて期待もありながらだったので結果的に自分の中でGOサインを出してしまいました。
次の日の朝、強化から呼び出されて消せと言われてすぐに消させていただきました。あの時はお騒がせしましたすみませんでした。マリノスというクラブの品位を傷つけるつもりはありませんでした。ただただ俺の好きな奴をくだらないことでいじめるのは許さないという変な正義感でした。
正直なところ僕は自制を常にしていないと大なり小なり次から次へとこういう風に問題が起きる人生を歩んできました。皆さんの学校に1人はいたであろう調子に乗ったあげく何かをしでかして先生にめちゃくちゃ怒られるタイプの人間です。振り返ると本当に幼少期から怒られてばかりで問題児のレッテルを貼り続けたままこの世界に辿り着きました。
もちろんそんな状態で試合に出れる訳も無くこのままじゃ本気でやばいと思った僕はもう1人の自分を作りあげることにしました。それは常に客観的に俯瞰的に見て人から怒られずに人から求められる自分を作ることでした。そうすることによって止まっていたキャリアを少しずつ前に進めることができ始めました。
これが自分のこの世界での生き残り方なんだとその時に確信したんです。だから僕は何の疑いも無くもう1人の自分を作り上げてその姿になりきって演じてきました。もちろんその中には少なからず本当の自分もいるとは思っています。僕が大事にしたのはGKというポジションに相応しいと思われる人になる事でした。それは分かりやすく誰よりも早く来て誰よりも遅く帰る。とか、圧倒的に練習する。とか、どんな時でも自分に矢印を向けてやり続ける。とか、不必要な発言を避けるとか。無駄に喋りすぎないとか。とにかく言動と行動に気をつけまくりました。それでもたまにボロが出るのです。
家に帰った時と心を許した人達の前でしか本当の自分は見せられませんでした。もちろんそれによって得た事は良い習慣となって前とは比べ物にならないくらいストイックなサッカー中心の生活になりましたし、そのおかげで今があることは間違いありません。
それでも演じているというか自らが作りあげた自責、責任感の塊ストイックマンポープには限界が来ていてそんな自分に疲れていることにすら分からなくなってました。自分の本当の気持ちが分からなくなってきてました。何でもないアンケートに答えるのがいつからか難しく感じるようになったり。自分でも奥底にある本当の自分の気持ちを理解できない現象が度々ありました。
結果的にそれはプレーにもかなり影響していたと思います。
久々にプレーした湘南戦。僕のフィジカルコンディションと感覚は今年の中でもかなり良くて自分自身に期待して望んだ試合でした。蓋を開ければ60分には相変わらず足を攣ってましたし、2失点目も後ろにクロスステップで下がりたいのに足攣ってるからバックステップでしか下がれなくてバカみたいなやられ方して、オフサイドになった相手の幻の3点目なんて身体に力入りすぎてロッベンの膝滑りくらい地面に膝が刺さってました。
正直言うとこれはもう引退しなきゃダメなのかもなーとか試合中考えてました。だから劇的な勝ち方をして試合終わった後でも全然喜べなかったんですよね。あんなことまでサポーターにしてもらったのに不甲斐ないわ、情け無いわで皆さんの前で顔を上げて手を振るのすらキツかったです。笑
そんな事をぼーっと考えながらオーストラリアに向かいモチベーションなんて皆無のままベンチに座りほとんど何もしないまま勝って帰ってきました。
2024年ホーム最終戦、名古屋戦の前日の2024年最後の練習を終えた後に僕の前に突然スーパーヒーローが現れました。
その名はイイクラヒロキマンです
シーズン中何か考え事があると僕はいつも大樹くんに相談してGK論を語り合ったり構えの力感のことから感覚の話だったり本当にちょっとしたふざけた話とかをしてきました。最初からなぜか僕は大樹くんだけには本当の自分を見せることができていました。それはきっと大樹くんという人間のナチュラルさに僕は憧れていたからで、皆さんが観ているイイクラヒロキと実際のイイクラヒロキにギャップがないことが僕が感じていた最大の魅力なんだと思います。等身大の姿ってやつです。
そんなスーパーヒーローに言われた言葉が何か凄く腑に落ちまくってですね。全部を書き殴ったらとんでもない長さになってしまうので割愛しますけど要点だけを伝えると
お前の内側にいる少年ポープの心をもっと大事にしろと。
もちろん他にも沢山の話をさせてもらいましたけど何かこの言葉を聞いた瞬間にハッとして。だからいつも俺って何かしんどかったのかなって思うキッカケになって色んなことが腑に落ちてきて視界が開けた感じがしたんですよね。だから等身大で飾らずありのままの自分で生きてる人を見るといつも羨ましくカッコよく感じていたのはこういうことだったのかと僕は再認識したのでした。
そんな僕を救ってくれたスーパーヒーローは最後にこんなことも言ってました
俺がお前にこんな話するのって正直メリットなんて何もないしこれでお前が試合出たら損するの俺だぜ。でもなんでか分からないけど手を差し伸べないのは本能的に無理なんだよ。なぜかと言うと少年イイクラヒロキの心は昔からスーパーヒーローに憧れてるからなんだよ。だから俺はずっとスーパーヒーローになりたいんだよ。だからお前も少年ポープの心を大事にしろと。
これがまたシーズン終了後のお酒の席でして。感情がまた溢れ出しそうになりましたけど死ぬ気で堪えました。本当にギリギリでした。アレは今年で1番危なかったです。
この人の懐は思っていた何倍も広くて深くて温かくてカッコイイんだと気付かされ死ぬまで勝てないだろうなと悟った夜でした。
だからこのオフは少年ポープの心を大事にした人間ポープウィリアム再構築をテーマに、そして2025年は生きたいように生きることを目標にしてみます。
長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
スーパーヒーローがくれた人生のヒントをこれを読んでいる誰かが困っている誰かに伝えてみるだけで人生が変わるかもしれないし、これを読んでる誰かの救いになってたら少年ポープは嬉しいです。
良いお年をお迎えください😊