病院探し その1

最初かかった婦人科は、

「駅近、綺麗、すぐ見てくれる 先生優しい」

と、検索して出てきた本当に駅近、綺麗、すぐ見てくれて、先生は優しい所謂「フツー」の婦人科でした。

婦人科経験がほぼなかった私にとって、綺麗目な今時婦人科の…ほら、有線でオルゴールとかかかっちゃう、ふんわりとした「フツーノフジンカ」の雰囲気は未経験で。ここは通ってて「嫌じゃない」というだけで、通水とフーナーまで通ってたけど、そのうち気づいちゃうよね。

「不妊治療専門の所の方が良くね?」

そして、また検索検索…

「駅近 土日診療 不妊治療専門」

そして、初めて「予約なし 2時間待ち」という試練を受けることになるわけです。

ここは、AIH4回(だったかな?)まで。なんで通うの辞めちゃったんだろう…

……。

……あ。

そうだ。その頃職場にやっぱり赤ちゃん待ちの人がいて、そのクリニックを紹介したらAIH2回目であっさり妊娠しちゃって、ちょっとショック受けちゃって辞めたんだ。

私ったら、「妊娠しちゃって」だって。

そんな斜に構えた言い方しかできないぐらい、心が荒んでたんだよ。

その人と、久々に会おうってなった時も、相手は大きなお腹を見てもらって「私はあなたが教えてくれたお陰で妊娠できたよ」と報告しようとしてたのに、私ったら「少し太ったの?」「まだあそこに通ってる?」なんて聞いちゃうぐらい、視界も心も歪んでた。

本当に、悪いことをした。

その時はなんとか大きな声でおめでとうって言えたけど、そのあとの「遊ぼ」の連絡に「ごめん、今忙しくって」と嘘ついて…その後…生まれたよ…幼稚園が…とポツポツと連絡がくるも、疎遠になってしまった。

その後、自分の器の小ささに落ち込み、後悔もしたけれど。

今なら、逆に「しょうがない。そういうご縁だった。」と思えるほど、図々しくなっている。

しかし、あのチクチク、トゲトゲ、苦しく、何もかも私と違う方向へ進むかのような荒んだ心は、ずっと忘れない。

いただいたサポートはクリエイター活動費として使わせていただきます。