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愛していたいのに

何者でもない自分を愛していたい。

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昔から、1番になれなかった。
何をやっても頑張っても、2番手。
何者でもない私。

いや、正確には何者かになる努力をずっと、怠ってきたのだろう。

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愛おしいだろうか、何者でもない人間は。

私はステージに立つようなあのアーティストや、いい会社に行った彼や、美しい絵を描く彼女のように、愛されるのだろうか。

何者でもなくても、生きていていいですか。

生産された誰かの努力の結晶を消費するばかりの私。
生み出す努力を怠る私。
私が嫌いな私。
あなたを嫌いな私。
世界が嫌いな私。

生きていても、いいですか。
愛されても、いいですか。

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眠れない夜に煙を燻らしながら、明らむ空を眺めながら、何にもならない、きっと誰にも届かない、誰かを幸せにもしないこんな文章を書いている私を、世界は許してくれますか。

私は誰かの何者かになれますか。

血反吐を吐いて、命を削って、価値を積み重ね続ける誰かと同じように、愛してくれますか。

たぶん、たぶん、たぶん、ない。

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生きていたい。
正確には死にたくない。
私が死んだら、少なくとも数人は、涙を流すのだろうから。その人たちを、悲しい顔にさせないように、なんとかなんとか、生きていきたい。

生きていたい。

生きていきたいのだけれど。

何者でもない私を、せめて私自身くらいは愛していたいのだけれど、

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夜とともに、私の闇も明ける日が、きますか

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