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趣すたぢを〜割烹旅館関屋〜

14:00からの営業のところを14:03に訪問した。めちゃくちゃ張り切って来たように見えたのだろう、チャキチャキした女将さんから、どちらから来られたんですか?と訊かれた。

別府です。学校帰りに来ました。

そう伝えると、私へのイメージは、〔温泉を訪れるイニシアチブな旅行客〕から〔温泉道を歩む高校生〕にチェンジしたようで、

スタンプそこにありますから、押してくださいね

と温泉道に導かれた。

ここはナトリウム系のとろみのある温泉ですからね、綺麗になりますし、今日は寒いですから、10回くらいかけ湯して入ってくださいね。

厳しめの女将さんと思っていたので、その声かけに必要以上にほっとした。ギャップ萌えというやつ。

広さとしては、自宅の温泉ならめちゃくちゃでかい、くらいの小さめの温泉だった。これまで入ってきた開放的な明るい温泉とは違い、オレンジ系の灯が湯船の奥に1つ、天井付近にオレンジ系の電気が1つ、光っているだけの趣強めの浴室。

女将さんとの約束はかけ湯10回だったけど、我慢出来ずにかけ湯7回で入湯してしまった。それでも連続かけ湯記録として7回は自己ベスト更新なので満足である。体を湯船に完全に入れると、アニメのようにざぷーーーーーんと音を立てて湯が溢れた。私が古代人だったら、いや、平成人でも小学生くらいまでだったら、

エウレカ!!!!!!!!!

と叫んで立っていたと思う。私の脳内では完全にエウレカが響き渡っていた。平成のアルキメデスはあの旅館道を裸で走ったりはしなかった。寒かったから。

1人だったので、思わずスマホを持ち入り、あぁでもないこうでもない、と写真を撮りまくった。最初はノーマルカメラで。光と水のコントラストが綺麗だったので、写ルンですも使った。だけど漬かりながらぼーっと肉眼で眺める湯ほど情緒ある写真は1枚もなかった。

清潔感、という意味での綺麗ならば別府のホテルどこにでもあるが、こんなに美しい、という意味での綺麗な温泉は初めて見た。古語で表すとするならば、清らなり、なホテルはいくらでもあるが、愛くし(うつくし)、と感じる温泉は関屋が群を抜いているといったところである。天候が優れず、大きな雷が外で鳴る音が聞こえたが、お湯が溢れる音と合奏され、その音まで趣の1つと思えた。

なんでも趣にしてしまうスタジオ。

趣スタジオ。そう言っておく。

なんか古典とか使ったし、

趣すたぢを。そう言い直しておく。

01.18. 割烹旅館関屋 ¥500

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