息子に言われたこと
現在20歳の息子は、とても育てにくい子どもでした。育てにくいと言うことは、息子自身も生きにくさがあったと思います。その事に悩みました。なんで出来ないのか、なんで他の子のように遊べないのか、なんで・・・なんで・・・色々と調べて、考えて相談して、なんとか息子が生きやすいように育てるヒントが無いかと考えていました。育てる、生活する工夫を色々と考えて実践して来ました。周りからは、考えすぎとかリラックスしてとか、時間が解決するとか色々と言われました。発達障害という言葉が世間で出てきた時期でもありました。私は、自分の特性(障害)を無視されて、普通を求められて苦しかったので、息子に対して診断されて、生活や成長の指針が出来ればと思っていました。
相談して、考えすぎという言葉よりも解決して欲しいという気持ちで、診断をお願いしました。その結果が分かるときに息子に言われたんです。その時小学校1年生でした。「僕のこの感じに名前をつけないで、普通になるように頑張るから病気にしないで欲しい」驚きました。でも、息子が思いやっと私に言ったんだと思いました。診断は、私のエゴだったんだとも思いました。そこで息子に私が言ったのは、「分かった、どんな結果が出ても頑張って普通に生活しよう」「普通の生活は、工夫して誤魔化すことでもあるから苦しいかもしれないけど、お母さんと一緒に頑張ろう」
診断は、グレーでした。グレーというのは、白に似たグレーなのか、黒に近いグレーなのか分かりません。
それからは、不安が強い息子のために先回りというかもしれませんが、一日の流れを説明して教えて、こんな困ったことがあるかもしれないその時は、だれに助けを求めるか等を教えました。成長してだんだん自分で困ったときのこと、どんなときが困るかとか話しながら息子自身で考える事を習慣づけるように導きました。周りからは、過干渉に見えたかもしれれません。それだけ工夫が必要でした。習いごとも学校行事でやることを考えて、出来なくて落ち込まないようにと考えてました。水泳の授業があるので、スイミングを習わせて、スキーの授業もあるからスキーも習わせました。結果、皆に遅れること無く準備することが出来て、体育が苦手な息子も特別な授業で困らなくていいので安心したみたいでした。苦手なことは、前もって準備する。好きなことは否定しない。何か自信になる事を身につけさせる。
必死に頑張って過ごしてきました。息子が大学生になってひとり暮らしを始めたとき・・・・・・私の目や身近な人の視線から自由になったのか息子は・・・・とてものびのび生活している様に感じます。私の子育てに対する不安や周りからの視線に対する気持ちが、息子自身の不安などに繋がっているのかもしれません。普通に生きたいと言った息子の言葉を聞いて、二人で覚悟を決めたことがよかったんだと信じています。