「ドイツ縦断ひとり旅」(5)ミッテンバルトからネルトリンゲンへ 列車から列車また列車
2019年9月13日(金)晴れ
目覚まし時計を6:50にセットしておいたのだが、今日も教会の6時の鐘で起きてしまった。2種類ものメロディーが奏でられ、おごそかでもあり、やさしく軽やかでもあった。
7:30、1階のダイニングへ。昨日は気付かなかったゆで卵をゲット。英語で話しているカップルがいたので訊いてみると、南アフリカ共和国から来たという。離れた席にいる4人組も英語だ。ドイツ旅行、楽しんでね。一人のおじいさんが私の前に立った。「ここに座ってもいいですか」と訊かれたので、「ヤー、ビッテ!(はい、どうぞ)」と言ったのはいいが、私の貧弱なドイツ語では会話は続かない。残念。
9:30、チェックアウト。2泊朝食付きで、82・60ユーロ。つまり1泊4956円。「また来るんだよ。」と言われた。バスで使えるというクオカードをもらったので、広場に行ってみたが、駅行きのバスはいなかった。バス停を捜してウロウロしたのが間違いのもと。遠くまで来すぎてしまい、オンボロのスーツケースと格闘して疲れ果てた。街はずれの街道のような所でバス停を見つけた。ミッテンバルト・バーンホフ行き。やったー!と思ったのも束の間、9:12の後は10:58。わあ、50分もある! もう一歩も動けない。グリーンのベンチに座ったとたん、もういいや、10:36発の列車に間に合わなくても、ここでバスを待とう、という気持ちになった。あーあ、こんなことなら最初からメインストリートを歩くんだったー。
街道なので車の往来がひっきりなし。ポルシェのスポーツカーとか、BMWのオープンカーとか。キャンピングカーも4台通った。一番多いのは自転車。そりゃ、列車に載せられるもんね。自転車で国中、楽に旅行できる。自転車のマナーは日本と違って、100%カンペキ。絶対に歩道を走らない。そして、曲がり角にくると、さっそうと片手をあげて合図する。大人も子供も、どの州でも、みんながきちんと守っている。歩道は歩行者のものと言う考え方が徹底している。 おっと、オートバイ軍団だー。おっと、またまたキャンピングカー。
やっとバスが来た。乗客は私一人だった。 駅に着いたのは11:08。郵便局で絵葉書を2枚出す。隣のオフィスで、DB(ドイツ国鉄)のライゼカルテを出してもらう。目的地を告げると、発車時刻、乗換駅、到着時刻、ホームのナンバーまで表示されていて、しかも無料。旅人には非常にありがたい旅程表だ。
ミッテンバルト 11:36発。4回乗り換えて、ネルトリンゲン 15:33着。そしてバスに乗り換え、ディンケルスビュールへ。・・・のはずだったけれど、途中のアウクスブルクで乗り換えるのが分からなくて、そのまま乗っていたら、降車すべきドナウヴェルト駅から遠ざかっているのが分かり、すぐ列車を降りた。ブルガウという駅。ホームは2つしかなく、エレベーターもない。スーツケースを下げて階段を下り、また上がって反対側のホームへ行くのが大変だった。待つこと37分。アウクスブルク行きの列車が入ってきた。 16:40着。エレベーターはどこかなあと捜していたら、清掃のおじさんが通りかかった。「どこに行くのか?」と尋ねられ、「ドナウヴェルト」と応えると、「ああ、このホームから出るニュルンベルク行きに乗るといいよ。2つ目だからね。わかる?私の言ってること。」「ヤー!ダンケシェーン!」
ふーっ、ツイていない日の、唯一つツイていたことは、乗り場が向かい側だったこと。 17:29発車。乗り換えで30分待ち。ドナウヴェルト 18:37発、赤いRBが入ってきた。私と同じベンチに座っていた男性が、降りてきた男性に、「ネルトリンゲン?」と訊いたら、「違う。」と言われたようで、前方に走り出した。語尾が聞き取れなかったので、私もその人に、「ネルトリンゲン行き?」と訊いたら、「いや、違う。前の方のツークに乗らないと。」と教えてくれ、お礼の言葉もそこそこに私も走った。乗り込んだツークには「ネルトリンゲン」と掲示が出ていて、ホッとした。また昼間と同じ間違いをするところだった。この列車は二つに切り離されるのだ。本当に、あぶないところだった。太陽がだんだん西に傾いていく。
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