「ドイツ縦断ひとり旅」(18)北ドイツの真珠ツェレ 城と博物館
2019年9月20日(金)晴れ
初めてツェレ城の中へ。入り口で靴のまま、大きく柔らかいスリッパのようなオーバーシューズを履く。
ツェレ城の歴史は古く、980年に基礎が造られ、1378年にブラウンシュヴァイク・リューネブルク公爵家の所有となった。 1670年、ゲオルク・ヴィルヘルム公爵の時代に、現在のシュロス・ツェレの形となった。このため、この城ではゴシック、ルネッサンス、バロックの3様式を見ることができる。向かって右がルネッサンス様式で、左がバロック様式の塔なんだって。
城の裏手にある馬と調教師の像は、中世から馬の産地として有名なツェレならでは。 お堀に沿って歩くと、水鳥たちの楽園って感じ。
各階を見学し、絵画や調度品を見た後、ティールームで、ケーキと紅茶をおごちそうになる。
公爵や公妃達がお茶を楽しんだであろう場所にいる不思議さ。階段も手すりも廊下も高貴な人々が、同じく歩いたり触れたりしたのだ。中世の時代、どんな思いで日々を送っていたのだろう。豪華なベッド、家具、きらめくシャンデリア。 美しいドレスを身にまとい、13人もの子供を産んで・・・。うーん、1日だけならなってみたいけど・・・。 ハンネローレが、「私もおんなじこと、考えてたー。」だって。
閉館ギリギリまでいて、少し疲れたけど、楽しかった。ハンネローレも、「心地よく、程よく疲れた。」って。
宿の前で別れたのが、17時半。洗濯をした後、さあ、新しいスーツケースに荷物を移し変えよう、と思ったが、どうしても開かない。30分近く格闘していたが、びくともしない。さすが、サムソナイト。仕方がない。明日の午前中、買ったお店に持って行って開けてもらおう。
19:32、夕食。昨日のお菓子を食べる。晩御飯がケーキ2個だなんて、嬉しいような、寂しいような・・・。でも、空腹のまま寝るよりずっといい。
2019年9月21日(土)快晴
今朝ものんびり起きて、ゆっくり支度して、9時にダイニングルームへ。ディーンさんちの素晴らしい朝食! 目も舌も喜んでいる。
今日はハンネローレがハノーファーの王宮のガーデンへ連れていってくれる。午後1時の約束。時間はたっぷりある。まず、スーツケースを買った店、「カールシュタット」へ行き、開閉の仕方を習う。
次に、ハンネローレが勧めてくれた、「ボーマン・ミュージアム」へ。 ここは1892年に美術館として開設され、1928年に改名された、ニーダーザクセン州で最大の博物館。創設者で初代館長のヴィルヘルム・ボーマンに因んで名付けられた。
2時間程して出てくると、市教会の前には大勢の人、人、人。土曜日で、マーケットが開かれているから。 お昼に何も食べないではマズイなと思い、色々見て回った結果、日本のスーパーでは売っていない、ヒムベーレ(ラズベリー)を1パック買った。
さあ、B&Bに帰ろう。ここで左に行くべきところを「右に行ってみよう」と、知らない道を選んだばっかりに、迷ってしまった。行けば行くほど、見たこともない建物ばかり。時間が押してきた。
向こうからやってきた中年のカップルに、目印となる「ホテル・インターシティ」の場所を尋ねた。男性の方がスマホで調べてくれた。「真っすぐ行って、この道が終わる所で右に曲がると、右側に見えてくるはずだよ。」 助かったー! フィーレン・ダンク! 私が細い道を曲がろうとしたら、追いかけて来てくれて、「違う、違う。次の大きな道を右!」と教えてくれた。 何て親切な人だろう。ドイツのどこへ行っても、親切な人達に、いつも助けられている。
約束の時間を3分過ぎたけど、ハンネローレは「私も今来たところよ。」と言ってくれた。「待ってね。スーツケースを置いてくるから。」
フォルクスヴァーゲンに乗車。つい左側のドアを開けようとする私。また笑われた。シートベルトを締めて、さあ、出発!
かつて、ハノーファーに17年間住んでいたというハンネローレ。二人の息子さんが赤ちゃんだった頃。
ルート3を快適に走行。彼女は運転が非常に上手い。英語も達者。カーラジオに合わせ、二人でアメリカン・ポップスを歌って、きゃあきゃあ。 「エルケさん、お元気?」「妹はオープンガーデンの準備で、一緒に来られなかったの。あなたによろしくと言っていたわ。」 エルケさんのお庭は大人気らしい。
35分程で駐車場に到着。今日も私の分までチケットを買ってくれた。