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[ドイツ縦断ひとり旅」(17)ツェレ   高価な買物  未来を考える金曜日

2019年9月19日(木)快晴

まだ明るいので、散歩でもしようと外へ出たら、ディーン氏とバッタリ。 「何か困ったことはありませんか?」と訊かれたので、「いいえ、大変満足しています。ちょっと散歩しようと思って。」と応えると、「ほら、あそこの角を右に曲がったら橋があるから。橋を渡ったら、川辺の散歩道に出ますよ。」と教えてくれた。

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家族連れ、カップル、一人で歩いている人。ボートに乗って楽しんでいる人達も。すれ違う時には、お互いに会釈をする。何て平和で、美しい所なんだろう。夢なら覚めないでほしいと思った。

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どんどん歩いていったけど、次の橋は一向に見えてこない。森の中の小学校を撮影してから、来た道を引き返す。

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部屋に戻ってきたのは19時半ごろ。夕食はハンネローレが持たせてくれたマジパン入りのお菓子5個と、洋ナシとパッションフルーツのおいしい水。昼食をしっかりとったせいか、3個しか入らなかった。

シャワーの後は洗濯。ベッドに入り、テレビを見る。大きな画面で、30チャンネルも選べる。ドイツの美しい村や、田園地帯、牧場を紹介する番組を見つけた。ドイツ語に耳を慣らそうと、真剣に見た。

2019年9月20日(金)晴れ

ディーンさんちの朝食は9時から。昨日見つけた番組を見ながら身支度をし、9時3分過ぎに、別棟にあるダイニングルームに上っていく。

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「あなたのためのお席ですよ。」と、上品な笑顔のディーンさん。大きな窓から庭と川の見える素敵なダイニングルームには、私ひとり。そして、おお、何と素晴らしい朝食だろうか! カゴの中には3種類のパン。ジャムはピーチ、ストロベリー、ブラックベリーの3種で、彼の庭で収穫され、手作りされたもの。ハチミツは遠くの、「自動車など1台も走っていない田舎で作られた」特別なもの。ハムやチーズ、オレンジジュース、すべてBIOで、エディブルフラワーで美しく盛り付けられた、お庭のイチジクとブルーベリーまであった。シリアルには牛乳とヨーグルト。そして、ポットにたっぷりの最高においしい紅茶! こんなに美しくて、おいしい朝食は初めてだ! こんな豊かな暮らしをしている人達がいるんだなあと、感動すら覚えた。

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10時半、ハンネローレが来てくれた。車は置いて、「歩いてアルテシュタット(旧市街)に行きましょ。すぐだから。」

オールドタウン! なつかしい。よく覚えている。3回来ても見飽きない美しい街。16世紀に建てられ、20世紀初頭にリフォームされた木組みの家々はほとんど、地上階はショップになっている。素晴らしい! 古いものを大切に守り続け、誇りにしているドイツ人気質!

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郵便局で絵葉書を出し、カメラの電池を買い、ハンネローレに勧められ、何と、スーツケースまで買ってしまった。歴戦の勇者みたいに傷だらけの、私の冒険の相棒。小型で水色のお気に入り。でも、ついに留め具まで壊れて、ベルトで締めている。「帰りの飛行機に積んでくれないと思うわ。」「そ、そうだね。」 一緒に選んだ紺色のスーツケースは139ユーロ(16,680円)。こんな高価な買い物をしたのは初めて。JCBカードで支払えたことに感謝。

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12:30にランチ。自分の好きなものを選ぶ、例の方式。日本に帰ったら食べられない本場のソーセージと、ジャガイモの炒めたものと、野菜たっぷりのサラダ。それに、ルバーブのジュース。とってもおいしかった。

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教会前の広場では、たくさんの若者達が集まり、シュプレヒコール(日本語になったドイツ語。集会やデモで、参加者がいっせいにスローガンを唱えること)。代表の少女のスピーチが始まった。テーマ(これもドイツ語)は環境問題のようだ。ハンネローレが教えてくれた。「毎週金曜日は未来のために何ができるか考えたり、行動を起こしたりする日なの。」 へえ、知らなかった。一日も早く原発をゼロにしようとか、CO2をもっと削減すべきだ、そのために何ができるかとか、若者達が自発的にデモンストレーションをしている。全国のあちこちで開かれているそうだ。素晴らしい。 日本でもやっているのかなあ。

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シュタットキルヒェ(市教会)の中に入っていく。1308年には記録に載っているという歴史ある教会。ハンネローレのご両親はこの教会で結婚式を挙げ、お葬式もしたそうだ。彼女自身、ここで洗礼を受け、結婚式を挙げた。生活に根付いている教会。 かつてはカトリック教会だったが、宗教改革以後、1530年頃にエヴァンゲリッシュ(福音派、プロテスタント)に変わったそうだ。

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ロウソクを灯し、祈りを捧げる敬虔な人達。私まで厳粛な気持ちになった。



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