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MTG モダンの親和というデッキについて

初めてnoteに記事を投稿します。popopovichと言います。
普段は関東を中心にデイリーの大会に参加しています。
主にプレイしているのはモダンです。

BMOチームモダンが開催されて早3週間。もう記事は出そろったように感じますが、備忘録として私も記事に残しておこうと思い、筆を執りました。

私たちのチームはSEには残れませんでしたが、チームとして最後までもめ事を起こさずに完走できたこと、個人的にデッキの調整がうまくいったことが成果だったと考えています。

私の記事に少しでも参考になるところがあれば幸いです。

1)自己紹介


 私は2018年の「ラヴニカのギルド」からMTGを始めました。それまで対人ゲームを本格的にやったことはなくて、ゲームのセオリーや定跡といった知識を持たずにこの界隈に参入しました。
 最初に握ったデッキは当時のスタンダードの鉄葉ストンピィでした。そのデッキを半年ほど握った後一瞬青単テンポというデッキを握り、エルドレインの王権で少しマジックに疲れてしまい2019年10月~2020年5月までマジックから離れていました。2020年5月からパイオニアをプレイして2020年12月からモダンに参入しました。モダンに参入した当時はバントスピリットを握っていましたが、モダンホライゾン2で急激に上がったカードパワーについていけず、2022年1月からは青白ウルザソプターを握っていました。

ざっとゲームに関する経歴は上記のようなものですが、肝心の私自身はというと大きな大会でSEに残ったこともなければ、卓越したプレイスキルで観客を唸らせるタイプのプレーヤーでもありません。長いゲームレンジになってくるとミスを乱発してゲームを落とすこともよくあるし、疲労や慢心から手なりでプレイして負けることもよくあります。
 この自覚は次に記載するデッキ選択の場面で大きな理由となりました。

2)デッキ選択


 BMOチームモダンでは「親和」を選択しました。

・デッキを選択した理由
ショートレンジのデッキで長期戦も粘り強く戦うことができ、上振れが大きいデッキだったため採用しました。

このデッキは、「1ターン目に0マナのアーティファクトをばらまいて2tに物読みか思考の監視者につなげて、3t目に強化して勝つ。」といういたって簡単なデッキだと握り始めた当初は思っていました。
が、文章にしてしまうとこのくらい簡単なのですがサイド後は置物破壊や除去によって上記のプランはほぼ完走できません。サイド後は相手に合わせたプランの選択が必要になってきます。

3)デッキの詳細について

私が使用している親和は一般的な親和のリストと何点か異なります。
以下にこの構成で工夫した点について記載します。

・エムリーとミシュラのガラクタの採用

よく見ると書いてあることやばい。


 特にカウンターモンキーや青白コンなど長期戦を得意とするデッキに対してアドバンテージ源として採用しました。ガラクタを使いまわしているだけでもいいですし。ハンマーに対してずっとチャンプブロッカーを出してもいいですし、リビングエンドに対して墓地を肥やすために出してもいいです。
 また、相手からすると絶対に放置できないシステムクリーチャーなので、ここに除去を吐いてもらって後に通したい呪文を通すという使い方もしていました。
 思考の監視者を1マナで釣ってきたときの快感は計り知れません。


・魅知子の真理の支配の採用

きらきらシャイニングみちこ。


 この枠は頭蓋囲いになっていることが多いですが、私たちはチームで検討して「魅知子の真理の支配」としました(以下みちこ)。
 みちこは2回アーティファクトとエンチャントの合計分+1/+1修正をした後、3章で自分がクリーチャーになります。
 こう言われるとぼんやりしていますが、アーティファクトがベタベタ並ぶこのデッキではいうなればシガルダの助けと巨像の槌を1枚でやっているようなものです。また、頭蓋囲いはクリーチャーを処されると何もしないただの置物となりますが、みちこは3章でクリーチャーになるため打点になるのが優れています。クリーチャー化したみちこに「イラクサ嚢胞」がくっつくとアタックするだけで毎ターン布告除去を打っているようなものなので、相手に対処手段がない場合はほぼ勝ちます。実際に相性差が絶望的なアミュレットタイタンのメイン戦はみちこを2枚重ね引くことで羽ばたき飛行機械を強化してライフを詰め、みちこでドライアドをチャンプブロックさせることで勝つことができました。


・イラクサ嚢胞の採用

モダンで定番となったウニ


 フィニッシャーとなる強化呪文を引かなくて負けることが多かったためイラクサ嚢胞を追加しました。今は環境にハンマータイムにより装備先のクリーチャーやアーティファクトに対してのマークがきついため、みちこだけでは相手を倒せないことが多くありました。そのため、5枚目、6枚目のみちことしてイラクサ嚢胞を採用しました。

・ウルザの後継、カーンの採用

「ウルザ」とつくカード大体やばい。


 最初は重いかと思ったのですが、長引くと意外と4マナ出ることもあってキャストすることもありました。コントロールとのマッチアップに強く、親和は土地もアーティファクトなので出てくるトークンが6/6とか8/8とかもざらでした。
 またデッキ全体で見たときにフィニッシャーを引けずに負けるということが多いので12枚目のフィニッシャーと考えるとよい選択だったと思います。


・金属カエル、滞留者の相棒の不採用

強いのもわかる。


パウパーで禁止


 最初は金属カエルと滞留者の相棒を採用していましたが、最終的にはデッキから抜けました。ミラーマッチになるとこれらを引いた方が強いのですが、手札1枚を使って2/2や4/4を出しても割られるか除去されることが多く、あまり引きたいと思いませんでした。一方でこれらのカードがあった方が思考の監視者をキャストしやすいというメリットはあり、思考の監視者で物量勝負を仕掛けるならこれらのカードがあってもよかったと思います。
 ただし、このデッキはサイド後に思考の監視者が抜けることが多いためそうなると採用している意味合いが低くなると考えています。
 総括すると、
(1)エムリー+ガラクタパッケージの方が強いと感じた。
(2)物量勝負ではなくて、みちこによる一点突破で勝負を決めたい。
(4)思考の監視者とのシナジーはあるが、サイド後に抜けることが多いためデッキにとってそこまで必要なカードではない。

という判断になりました。

4)本番

1戦目 グリクシスシャドウ 〇〇
1本目は相手の事故。いきなりみちこで殴って勝ち。
2本目は相手の土地が2で止まっておりデッキの回りという面ではこちらに分がありました。あちらは除去を引くが、こちらは生物を引くという展開に。結局、みちこがクリーチャーになり、相手が盤面を支えきれずに勝ち。

個人的に考えていたことはシャドウ系やラガバン系は相手が引く除去の枚数とこちらの展開できる驚異の枚数の勝負になるので、1)有効牌をどれくらい引き込めるか、2)2アクションとれるだけの土地までちゃんと伸びるか、というのがゲームの論点になると思っていました。結局みちこで勝っていたのでみちこ強し。

2戦目 アミュレットタイタン 〇〇
1本目は相手がダブルマリガンで十分に展開できず。ダブルみちこで勝利。
2本目は1ターン目アミュレットはあるものの、こちらのサイドカードが相手のキーパーツにあたって勝ち。

アミュレットタイタンとわかってほぼ負けを覚悟しましたが、メインは早いゲーム展開に持っていきドライアドとタイタンが定着する前に殴り勝つ。サイド後は除去を増やしてこちらがクロックパーミッションするゲーム展開にしようと考えていました。
このラウンドでは運が良く、1本目でみちこを重ね引くことができて羽ばたき飛行機械が相手のライフをかなり削ってくれて勝つことができました。2本目は1t目のアミュレットは必ず処すと決めており、思った通りに摩耗/損耗を打つことができたので勝つことができました。

3戦目 カスケードクラッシュ 〇〇
1本目はこちらの分回りにて勝ち。
2本目は相手の活性の力と衝撃の足音にカウンターを当てることができて勝ち。

このマッチアップは2:8だと思っています。相手にキーカードを引かれないかお祈りするしかありません。メインからプリズマリの命令が複数採用されているとぶん回りでも勝つのが難しくなります。このラウンドでは運よくカウンターを引けていたのでサイド後に勝つことができましたが、カウンターが狼狽の嵐でなければ返されていた可能性があります。サイドに取るカウンターは狼狽の嵐がおすすめです。

4戦目 イゼットラガバン ×〇ー
1本目はこちらの脅威をすべて対処されて負け。
2本目はこちらがぶん回り勝ち。
3本目はかなり拮抗した展開だったでしたが、帳簿裂きから徐々に盤面をまくられてあと1ターンで負けというところで時間切れ。

イゼットモンキーはそこまで不利ではないと思っていましたが、かなり構えるタイプのプレーヤーだったためとてもやりづらかったです。これはデッキの相性云々というよりも単純にプレーヤー同士の力量差のような気がしました。

5戦目 ハンマータイム ××
1本目 こちら渋い回りをしているうちにカルドラ完成体にハンマーがついて負け。
2本目 膠着状態になるも相手に装備品を着々とひかれて負け。

エムリーが残ってチャンプブロッカーを用意できれば後半まくれることもありますが、基本的に不利マッチだと思っています。摩耗損耗で2枚抜きしても相手にクリティカルな装備品を持ってこられるとすぐに盤面を取り返されてしまいました。

6戦目 カスケードクラッシュ ×〇ー
1本目 相手ぶん回りで負け
2本目 こちらぶん回りで勝ち。
3本目 マッチ終了により引き分け。

3戦目と似たような試合展開でしたが、メインは相手にぶん回られてサイの群れにどつき倒されて負け。サイド後はこちらがぶん回った上に相手が土地2で止まっていたので勝ち。3本目をやろうとしたところ味方が2勝したので試合自体が終了。

7戦目 ヨーグモス医院 ××
1本目 グリストから丁寧丁寧丁寧にファクトクリーチャーを除去されて、そうこうしているうちコンボそろえられて負け。
2本目 1本目をもっと濃くしたような展開で負け。
デッキ相性は悪い上に、乗り手の力量差も感じた上に、真ん中に座っていた方がアーティファクトデッキに対する造詣が深い方だったため何もできませんでした。

8戦目 赤黒想起 ××
1本目 ラガバンがずっと走ってきてこちらがクリーチャーを引かずに負け。
2本目 こちらダブルマリガン。激情をリアニメイトされてライフが8まで減る。そのあと何とか対処できたが、そのまま押し切られて負け。

どちらも事故り気味のハンドでデッキがうまく回りませんでした。この日はデッキの機嫌が良くて、マリガンをすると大体強い手札が来ていたのですが、最後はマリガンしても良いハンドが来ず。

総括すると個人3-3-2という平凡な結果でしたが、直前にまったく勝てなくなった状態からすると上々な結果でした。チームとしては5-3だったのですが、チームとして勝ちたいところで勝てていたので当日は調子が良いと感じていました。

5)今後について

構築の方向性としてはほぼ満足しています。BMOはチーム戦だったことも踏まえて上記のリストにしていますが、チームモダンの制限が無ければこちらのリストが良いと思っています。

変更点としては以下の通りです。
・エムリー2枚を電結の荒廃者へ
・カーンを1枚サイドに落として思考の監視者を追加。

エムリーはどうせターンが返ってくるころにはいないので4枚でもいいと思っていましたが、墓地が超えていない状況でのエムリーは弱く、複数枚引いたときに無駄牌となってしまうため、減量しても良いと思いました。
一方で電結の荒廃者はアーティファクトに疑似的に除去体制を付与できるだけでなく、エムリーとのシナジーもあるため悪くない採用だと思っています。

このデッキは手札の要求値が高く、回すのは運が絡みますがぶん回ったときに爽快感があります。また、高額なカードはウルザの物語だけなので、あまり予算をつぎ込めない方にもお勧めできるデッキです。
 私は今はハンマータイムを回していますが、メタゲームの虚を突くために上記のデッキを握ることもあると思います。

6)謝辞
 今回のBMOチームモダンではチームを組んでくれた二人には感謝の言葉が絶えません。また、私がデッキを回し慣れていなかったときに、マンツーマンでプレイングの指導をしていただいたり、想定したデッキとの練習に付き合っていただいたり、たくさんの友人にお世話になり当日を迎えることができました。
 そもそも、このデッキはテンプレートの親和のデッキを回していたところ、それを見ていたレガシーの強豪プレーヤーに「エムリーとガラクタを入れて回してみては?」と言われたところから調整が始まっています。
 つまり、このデッキは構築思想、デッキリスト、プレイング、サイドボーディングまで何から何まで友人達が作ってくれたものでした。
 それを回していたのは私ですが、2回戦のアミュレットタイタン戦でほしいカードがほしいタイミングで手に吸い付いたときは内心ではかなり感動していました。

 マジックで遊ぶために一番必要なのは友達と言われたことがありますが、本当にその通りだと実感しました。何度か神決定戦に出たことはありますが、ここまで調整が充実したことはありませんでした。
 私はこれからもゆるくマジックを続けていこうと思っていますが、今回のご縁を大切にしながら続けていきたいと思います。

 読者の皆様もここまでご覧いただきありがとうございました。

 またどこかで会いましょう!

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