上書き保存のはず
ここに書くのは、ただの女子大学生の恋愛話である。
私に彼氏がいたのは中学3年から高校1年の間のたった1ヶ月だった。どちらも恋愛初心者で1回デートしたけど、それが最初で最後だった。なかなか進展しないことが私には面白くなかったのかもしれない。
それ以来好きと呼べる人ができず、理想が高い私は大学3年生になった。このまま女子大生を終えてしまうのももったいないと思った私は、マッチングアプリをいれた。そこで、28歳のイケメンとマッチした。
その28歳は、絶対に学生時代は遊んでいただろうなと思えるほど女の扱いがうまかった。ネイルや髪型、リップの色を変えても必ず気づいて可愛いと言ってくれた。ちょろい私はそのひとつひとつの言葉が嬉しくて、思い出してはにやけた。
ある夜、いきなり 今からごはんいかない? とラインがきた。久しぶりに会えることに嬉しさを感じていた。夜だし、何かあるかもとかわいい下着までつけていった。もちろんヘアメイクも前会った時と変えた。
普通にご飯を食べ終わると彼が この後どうする?と言ってきた。時間は22時近い。コロナの影響で開いてるお店も少ない。私は彼の家がチラついたがそんなこと考えてないような態度で どうしようねー なんて答えた。すると 家でネトフリでもみない?と誘われた。私は、あ、そういうことか と思ったがまた二つ返事をした。
彼の家は、テレビの前に大きいローベット、間接照明で薄暗いというなんとも雰囲気ある家だった。エロいと感じた。
ネトフリをしばらくみていたが、彼が私の体に触れてきた。私はそういうことは初めてだったがそういうことにも興味があり受け入れた。
ことが終わり、明日も会えない? と言われたが、なぜか微妙な反応をしてしまった。
帰りの車、やっぱり明日も会いたくなった私は、明日なにするの? と聞いたがやっぱり会いたいという言葉を言うことが出来なかった。
年が明け、1月3日彼に明けましておめでとうラインを送ったが未読のまま2ヶ月が過ぎた。クリスマスも年明けも彼からのラインを待っていたのに。
なんであの時、明日の約束をしなかったのか、28歳にとって私はやはり遊びだったのか、と後悔と悲しみが広がる。その感情を拭うために、またアプリで新しい人を探そうとするが、根が臆病な私はなかなか一歩を踏み出せない。
さっさと塗り替えたいというのに。
いつも迎えにきてくれた待ち合わせ場所のローソンが、褒めてくれたネイルの色が、リップが彼を思い出させる。
普通の日常にひょっこりと現れる。悪びれもなく
誰かあの人を忘れるくらい私を愛してほしい。