懐かしのトイガン 分解note その1
はじめに
このページで扱うトイガンは、オイルが切れたり錆付いたりして古くなったトイガンを分解清掃、あるいは壊れた個所の修理を行うために分解しています。違法改造やパワーアップなどを目的としてモノではありません。また基本的にメーカートイガンは分解を禁じておりますので、実行は自己責任でお願いします。
分解するモデルについて
現在、様々なトイガン記事がネット上で綺麗に編集され、アップロードされていますが、こちらのnoteでは私の備忘録を兼ねて、詳細な分解方法が公開されていないモデルを中心に扱っていきたいと思います。
ヨネザワ ナショナルマッチ ブローバック
こちらが15年ほど前に某オークションで手に入れたヨネザワのナショナルマッチ!独自機構を搭載したナンちゃってガスブローバックガンです。
今日はBB弾を保持するパッキンが劣化してそうなので分解清掃してみます。
なかなかリアルな外観ですが、このモデルの最大の売りは・・・
何と言ってもスライドストップの上にあるセレクターによってセミ・フルが切り替え可能な事です。フルオート・ナショナルマッチ!WAがSCWの限定でそのうち出しそうですね。
リキッドチャージと外部ソース、どちらでも使用できる様、2つの注入口があります。
それでは分解していきます。
まずは、グリップスクリューを左右4本外しましょう。取り付ける際は、スクリュースタッドがなくプラフレームに直接固定するのでネジ穴がナメてしまわない様注意してください。
グリップは裏面にウェイトなどは無くシンプルで軽量です。
このモデルはガスが空の状態だとスライドが後退していますが、ガスを注入してトリガーを引くとガシャンとスライドが閉鎖し、その後はトリガーを引くたびに軽快にブローバックします。そしてエンジン(ブリーチとピストン的な部分)の気密が低下してくると再び徐々にスライドが後退していく、という摩訶不思議なメカニズムです。ちなみにスライドストップはモールドなので残弾ゼロになってもホールドオープンしません。
次にスライド後端のピンを外していきますが、このピンは左右独立した短いピンで、ポンチで押してもビクともせず、一見嵌め殺しの様にみえます。
しかしスライド後部を内側からよく見ると、ピンが全てでは無く3/4位見えています。これは外側からではなく内側からピンを押し出すことで外すことが出来そうです。
私は小さな六角レンチの先端を少し切ったものを用意しました。
それを使ってこの様に内側からピンを押し出して外します。左右外すとスライドの後部の部品を取り外せます。エキストラクターは勿論モールドです。
次にリアサイトのネジを外します
サイトには小さなナットが付いてるので無くさないように!
取り付けは左からナット、サイト、スプリング、ビスの順です。
次にフレームのピンを抜きますが・・・
ピンは抜け防止のため片側にローレット加工されてます。
この個体は左側にローレットがありましたが、左右どちらでも入ってしまうので、分解歴のあるモデルでは少しだけ抜いた状態でローレットがどちらにあるか確認し、無い方からポンチで叩き出して下さい。
プラグの部分は裏側にスプリングが引っ掛けられてるので、ペンチで挟んで少しプラグを持ち上げてからスプリングを外します。
ここまで来たらスライドを外せますが、前方に引っ張っても上手く抜けなかったので、先にフレームのビス類を外していきます。
まずはハウジングピンの上にあるビスを左右共に外します。
トリガーガードのビスを外します。
トリガーガードのビスは少し長めなので組み込みの際間違えないように。
そして謎のパーツ・・・実銃ではメインスプリングキャップピンに相当する部分に細いピンがありますのでこれを外します。
何とかペンチで掴んで・・・
無事抜けました。
そして何と!グリップ前面のセレーション部分にも同じようなピンが・・・
これもペンチで掴んで・・・
何とか抜くことが出来ましたが、この2つのピンて構造上絶対必要なものなんでしょうかね・・・
先ほど難渋したスライドは、ゆっくりではなく少し勢いをつけて前方にずらすと、ガシャッと簡単に外れてくれました(ガチャガチャやってる時にフレームがバラけては困るので、一部のフレームビスを再度取り付けてます)
スライドを取り外した状態です。
レールガンを彷彿とさせる近未来的なバレル回りの幾何学的造形美・・・
穴に通されたスプリングを取り外します。
ブッシングはモールドなので取り外せません。
エンジン部分を覆っているカバーのビスを外します。
前方にもあります。
カバービスは同じ長さですね。
それぞれのパーツの形状や働きがさっぱり理解出来んので、しっかり画像残しておかないと後で組み込めなくなりそうです。
ピストンにはEリングが嵌まってますね・・・
セフティを外します。
ハンマー倒れた状態でいいので上に押し上げると簡単に外れます。
プランジャーはモールドなのでバネ飛び出しの心配は不要!
セフティを外すと奥に隠れビスが見えますので外します。
セフティビスはカバービスより少し長いので、組み込みの際は注意!
さて・・・それではいよいよ御開帳の瞬間です!
パンパカパーーーン!!今時のガスガンを見慣れてしまうと、とてもブローバックするとは思えない、それでいて何とも複雑なパーツ形状・・・
グリップ部に内蔵されたガスタンクはそれほど大容量ではないので、リキッドチャージで打つとセミなら多少は楽しめますが、フルオートだとあっという間にガスがなくなります。
独特な形状のハンマースプリングは、ガスタンクの真鍮チューブに巻き付く形で取り付けられている。
この個体はガスタンク部分に明らかな補修跡がありました。
これがシアですね・・・プラ製なので耐久性は無さそうです。
インナーバレルには内バネと外バネ、その下にもバネ・・・それぞれの働きが私にはイマイチ分かりませんが、ストライカー式のトイガンばかり作っていたヨネザワ開発部のブローバックに賭ける情熱が伝わってきます。
アウターバレルもただの筒ではない独特の成形。
それでは更に分解していきます。
まずはこちらのハンマースプリングを外します。
続けてハンマーを外したところ。ガスタンクの補修痕はガス漏れを瞬間接着剤で止めたのかな?カッチカチに固まってて現在漏れは無さそう・・・
ごめんなさい!
フィールドストリップの基本である、マガジンの脱着を忘れておりました。
キャッチも一緒に外れてきますがあれ?キャッチスプリングは・・・
反対側フレームの土台ピンに刺さっておりました。
キャッチスプリングは土台ピンに固定しやすい様、ほんの少し両端がテーパーしてるようです。芸が細かすぎるヨネザワ開発部・・・
ここの組み合わせよよく覚えておかないと・・・
バルブノッカーを外しますが、これはスポッと抜くだけです。
あとはトリガーバーに連動したスプリングを外すと・・・
トリガー周り一式外すことが出来ますが・・・
トリガーとトリガーバーは一体成型でした。
でもなんだか・・・
もう少し簡単な形状で設計できなかったのでしょうか・・・
あとはこのスプリングを外すと・・・
バレルアセンブリを一式取り出すことが出来ました。
ここ見てガスブロのバレル回りと答えれる人は余程のマニアでしょう。
そして後ろのチャンバー部分をつまんで引っ張り出せば・・・
チャンバーがスポッと外れると同時に・・・
スプリングの力でその周辺のパーツも外れちゃうので注意!
組み込む際ワッシャーを忘れないように!
今回の目的であるパッキンがやっと取り出せました。
HOP?そんな言葉は当時にはゴザイヤセン!
パッキンにはOリングがセットされており、硬めのパッキンを小径Oリングが適度に締め付けることでBB弾を保持する構造の様です。
今回の分解動画は以上です。
有難うございました。
分かり難かった部分があれば適宜修正していきます。