父のこと②
父は自分より劣っている、弱いと思う人にはモラハラ全開だった。
仕事場ではどうだったかわからないが、定年までは勤めあげた。
でも、仕事場でもどうだったのだろうか。
近所に同じ会社の人が偶然に1人いたけれど、なんだか父とは距離を置いていたから、会社でも変人扱いされていたのか。
私は小学2年生の時に母方の実家近くに引越し、祖父の病気が発覚してからは母の祖父母と同居をした。
私たちが小学生の間は母方の親戚が集まり、いとこみんなで祖父母の家に泊まったりもした。
親戚付き合いが普通にある中で、当然、父もその場にいることがあったのだが、そんな〈他所の人〉が来た時には、本当に気を違い、あれやこれやと動いていた。
気遣えるのである。他人には。
モラハラな言動なんて1ミリも見せなかった。
本当に外面だけはいい。
典型的なモラハラな人間だと思う。
なので、母の3人の姉妹たちは父のモラハラ言動をしらないと思う。
ただ私が中学生になり離婚話が進んだ時に、親戚も介入してきたので、その時には父への違和感を感じていたかもしれない。
明らかに社会の場でおかしなことをしてくれていたら、母が殴られた痕跡が日常にあれば、他者からの介入があったかもしれない。
けれども父は姑息で、母にそこまでの大怪我は負わせなかった。
脅すために、自分の力を見せつけお金を奪うために暴力を振るった。
私たち子どもにはしなかっただけマシなのか。
子どもを虐待すれば大変なことになるのはわかっていたのか。
本当ににずるい人間だ。
下の子を産んで数年経った後、出産した総合病院から一本の電話があった。
それは父がその病院を受診しており、病気について家族と話をする必要があるので、私に病院に来て欲しいとのことだった。
手術か何かで家族の同意が必要だったのだろう。
おそらく父は私の連絡先は知らなかった。
たまたまその病院に私の個人情報のデータがあったので、病院が連絡してきたのだった。
電話の相手は看護師なのか医者なのか事務方なのかわからなかった。
相手は大事な話だからと私を説得しようとしていたけれど、すぐに断った。
会いたくない事情があることを察してくださいと。
父は私が来るとでも思ったのか。
それなら私よりかは自分に嫌悪感を抱いていない妹を呼べよ。
都合のいい時だけ頼るな。
本当に自分のことしか考えていない。
それはきっと死ぬまで変わらない。
それ以降は全くそんな連絡も来ないので、安否すらわからないが、できるならこの平穏な日々でいさせてほしい。
こうやって綴ると、今ある幸せをしっかりと見つめて感じなければと改めて思わずにはいられない。
私の今の家族に感謝しやなね。