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心の中にはハサミ

小学生の頃、きつい時は物語を書いてやり過ごした。幸せな家族の話…

ある日、本当にしんどい日はごく普通にやってきた。
頭は痛い…
心は重い…
書くことなんかもう出来なくて、もう何も考えられなくなった。
紙上の幸せは、脆くも消え去った。

手を伸ばせば、赤い裁ち鋏。

身体のどこかを切って、いっそ死んでしまいたい。
そうしていたら、涙が止まらなくなった。
大声で泣けたらもっと楽だったのかもしれないけれど…。

でも結局、私はどこも切らずに、そのうち涙も止まってしまった。

今はもうそんな風に、どうしようもない気持ちで鋏に手を伸ばす事はない。

そこそこそんな大人になったんだな。

ハサミは心の中に…。

傷つけようとしてくるもの
その全てに
反撃するために…



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